NATIONAL GEOGRAPHIC (ナショナル ジオグラフィック) 日本版 2012年 12月号 [雑誌]
- 日経ナショナルジオグラフィック社 (2012年11月30日発売)
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感想・レビュー・書評
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◆「静かなる森の巨人」
米国シエラネバダ山脈にそびえるジャイアントセコイアの木。
樹高は75メートル。根本の直径は8メートル!
樹齢3200年という、想像を絶するような長生きさん(笑)
私達が塵に還った後も、ずっとこの地を見守り続けるんだろうな。
◆「メタンは善か悪か」
新エネルギーとして注目されているメタンガス。
燃やせば割とクリーンなエネルギー源になるものの、
燃やされずに大気中に放出されるメタンが増えているとのこと。
それは地球温暖化を加速させる。
水道の蛇口から流れ出る水にマッチを近づける写真にビックリ。
大きな炎が上がっている。おばちゃん、笑ってる場合じゃないよ!
今後は放出されるメタンをどう回収するかが問題になりそうですね。
◆「シャーマン 精霊に選ばれし者」
なんだか、ドラクエにありそうなタイトルですが(笑)
現世と目に見えない世界の橋渡しをするというシャーマン。
モンゴルを中心に、その人数が多くなってきているという。
何故今になって?と不思議に思ったのだけれど、
世界的な社会不安が一因になっているのは確実だろうなと思う。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
大きな木は魅力的。
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ネットなどでジャイアントセコイア「プレジデント」の画像が話題になっていたので、書籍を購入。
ジャイアントセコイアの特集はもちろん、パレスチナの地下壕の写真特集もおもしろい。
よく撮ったと感心する。 -
印象に残った記事は次の3つ
・ガザ地区の密輸トンネル
重い話。
イスラエルの経済封鎖により、人や物資の行き来を制限されたパレスチナ・ガザ地区。
隣接するエジプトに通じる密輸用の地下トンネルが住民の暮らしを支えている。
その多くが、いつ崩れてもおかしくないような粗末なトンネル。だが、それに頼らなければならない。生きるために。
政治の都合で、割を食うのは、いつも庶民。
・極楽鳥を追いかけて
世界に39種いる「極楽鳥」と呼ばれるフウチョウ科の鳥。
その39種全てを写真に収めた”紳士録”
大航海時代、フウチョウの剥製は足を切られた状態で本国に送られた、という。
それを見たヨーロッパの人々は、「この鳥は木にとまらず、ずっと飛んでいるから、足がないのだ」と思い込んだらしい。
本来なら「そんなバカな」と一笑に付すところだが、フウチョウの姿を見ると、そう思ってしまうのも無理はない、と納得してしまう。
また、フウチョウの仲間は、ユニークな求愛ダンスでも知られる。
しかも彼らは、自分のダンスがよく見えるように「舞台」を整えることまでするらしい。
まさに「極楽」の名前がピッタリ、という感じの鳥。
今回、重い話の多い中で、ホッと一息つける記事だった。
・メタンは善か悪か
石油や石炭に代わるエネルギーとして注目されるメタン。
新聞やテレビで時々、メタンハイドレートの話題がとりあげられることもあるので、知っている人も多いだろう。
が、「負の面」が語られる事は少ない。
メタンは燃やせば、比較的クリーンなエネルギー源だが、そのまま大気中に放出された場合、二酸化炭素以上に温暖化を加速させてしまう。
米国では採掘の競争が過熱気味で環境への影響調査や汚染対策が不十分なまま、「石炭に比べれば環境負荷が小さい」(石油と比べたら?は不明)という美名の元、採掘が先行しているらしい。
この構図、単語を入れ替えたら、どこかで聞いた話そのままのような気がするが、気のせいだろうか。 -
海面が低かった頃、北海に広大な土地が広がり、そこに住んでいる人たちがいたなんて話は初めて知った。海面上昇で土地を追われるのは今に始まった話ではなかった訳だ。
巨木のセコイアが樹齢三千年を超えた今でも生長しているというのに驚き。同じ生物として時間の尺度が全く違っているなぁ。人が三千年生きたとしたら、何を見ることになるだろうか。