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- / ISBN・EAN: 4988105066335
感想・レビュー・書評
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リアルだったな。
3.11のときの日本に蔓延していた空気。
そしてだんだん薄れ平気になってきたとき。
放射能に対する反応。
過剰にすると白い目でみられる感じ。
都心にいながらもそれでもいろんな反応や温度差があったから
被災地ではもっとすごかっただろう。
後半は父の覚悟がひしひしと伝わってきて
そしてそれに気付いた息子と配偶者の哀しみがつらくて
涙が止まらなかった。
痴呆症の母が時折核心を突いたことを言うのがたまらなかった。
象徴的に出てきた楔。
思考を止めたら楔を打たれる。
そんなのは嫌だ。自分で選ばないと。
希望があったというレビューかいてる人も結構いたけど
希望あったかな?
生きて行くしかないという絶望も結構あるよな・・・。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
救いのない映画だったなー。ルールってなんなんだろうね。常識とかさ。なんだろうなー。
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園子温監督。
大震災による原発事故から数年後のとある町を描く。3.11に続く原発事故。フィクション。
警戒区域から強制避難させられる者、住み慣れた家から離れられない者、町の笑われ者になっても防護服を身にまとい我が子を守りたい者、目に見えない不安と闘いながら。
皆大切な人を守りたいが為に。
絶望の中の希望、静かだけど心に訴えかける。
尚続く原発問題や震災を忘れちゃいけない、目を背けちゃいけない、色々と考えさせられる作品。 -
震災を直接描くのはまだ早いと思って(まだ仮設に住んでる人もいるし)批判的に見始めたが、案外よかった。
これは近未来の話で、福島の後の物語、ということになっている。
その是非はともかく、これは老夫婦と若夫婦、そしてこれから夫婦になる若者の物語がメインだと考えればよいのでは。
大谷直子が若すぎることにはじめは違和感があったが、これだけ可愛いと、夏八木勲が惚れるのもわかるって感じ。
神楽坂恵も上手いな、と思った。放射能を恐れるあまり、神経を病んでしまう妊婦の姿はそんなに感心しなかったが、夫の両親と同居して農家をやっている女のリアルな感じはよく出ていた。地方で、そういう立場に身を置く女性って、こういうきっぱりとして、強くて、心優しく、上昇志向はなくて、家族愛が強いってタイプが多い。
若いカップルの服がいかにも地方の感じで、よい。
夏八木勲と大谷直子が一番の美男美女で、他はそうでもないのもよかった。こういうシチュエーションで、美男美女ばかり出てくると、現実感がなくなる。
ラストはベタだけど、心に沁みた。
何より、マーラーがよかった。ヘンに感傷的な音楽がついていたらうんざりしただろう。マーラーの偉大さを改めて思った。
ただ、実際の被災者は、これを見て、いい気持ちはしないかな、という気はする。 -
なぜ”希望の国”なのか?
あまり希望を持てる終わり方とは言えなかった。この監督の作品だから、あまり明るい映画にはならないだろう(というか扱っている題材そのものがあまり明るい話ではないのだけど)と思ってはいたけれど、もう少し救いがあってもよかったんじゃないかとは思う。
設定としては、3.11を経て、さらに別の架空の県で震災と原発事故が発生というものだったけれど、はたして福島はそこに活かされていただろうか?被災地の方がこれを見て希望を持てるとは残念ながら言えない。原発に対する悲痛なメッセージを伝えたかったのかもしれないけど、ちょっと僕は複雑な気持ちでこの映画を見終えました。 -
園子温らしくないともいえるけれど、配慮が感じられる点が逆に私は良いと思った。
夏八木さん大谷さんの演じる夫婦、〃智恵子抄〃を彷彿させた。名前も智恵子だったし。
これからの日本がこの映画の様になるわけがない!と言い切れないのが悲しいなー。可能性はゼロじゃない、と思ってしまうのが。