殺しの四人 仕掛人・藤枝梅安(一) (講談社文庫) [Kindle]

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  • 講談社
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感想・レビュー・書評

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  • 池波正太郎さんの代表作といえば。
    「鬼平犯科帳シリーズ」「剣客商売シリーズ」「真田太平記」、それにこの「仕掛人梅安シリーズ」なんだと思います。
    で、まあ、この小説から映画&TVの「必殺仕掛人」シリーズが生まれ、そこから「必殺!」シリーズになっていく。訳ですね。

    という訳でその梅安シリーズの第1作。「殺しの四人」ほか、4篇くらいかな、の中編からできてる一冊です。

    読んだのは電子書籍です。
    電子書籍に、「気軽に娯楽的に読める小説本」を一冊は入れておこうと思っていまして。
    個人的に、池波正太郎さんってチョット不思議な小説家さんで。
    なんていうか、ベタっぽかったり、ちょっと心情感傷過多だったり、する気がするんですね。
    なんだけど、やっぱり読むと面白い。やっぱり、「鬼平シリーズ」の多くの犯人たちもそうなんですけど、ヒトの清濁というか白黒というか、其の辺の曖昧なトコロの魅力を描くのが上手いんだなあ、と思います。

    で、コレも面白かったです。
    あらすじは簡単に言うと、
    表稼業は針医者の藤枝梅安。
    表稼業は楊枝職人の彦次郎。
    この二人が実は、殺し屋さんですね。職業殺し屋。
    で、この二人が色々あったらしく、友情があって、お互い助け合ったりする。
    で、それぞれの過去の因縁とかが絡むような事件があったりする。
    それで、色々と美味いものを食べる(笑)。

    殺しの依頼は色んなところから、元締めさんを通してやってくる。ソコんところは強引な偶然は不要で、極めてオトナな娯楽物語ですね。

    この物語がやっぱり物凄く魅力的で、必殺シリーズにつながって、
    ある種国民的に支えられる、大人の男性向けの定番娯楽になるんですね。
    どうしてかって、確かによく考えると、
    「表の稼業がちゃんとあるのに、殺し屋やってる人」
    っていうのが、よく考えると、よくワカラナイ矛盾があって(笑)、
    でもそこの矛盾が魅力的なんですね。
    善人が悪いことをするというか、悪人が善行をするというか。
    あとがきで池波さん本人が触れていますけど。
    そのあたりの構造を基本基盤を作ったのが池波正太郎さんなんだなあ、と。
    そういう歴史的意義を除いても、やっぱりまったりと面白かったですねえ。
    まったりとって、なんだか良く分からないんですけど、そうとしか言いようがないというか。うん。

    梅安、映像的には緒形拳さんが演じてたんですけどね。
    何だか原作読むと、梅宮辰夫さんな感じが、僕はしましたけど。さて皆さんはどうでしょう。

  • 2023.03.28.
    仕掛人・藤枝梅安(一)「殺しの四人」
    池波正太郎著 全7巻Kindle合本

    1冊に5話。今日1日で 「7/1冊目を」#読了 。

    大根と油揚げをザク切りにして出汁を
    張った鍋を煮立たせ食ってるだけなのに
    梅安や彦次郎が美味そうにお酒飲んでて。

    自分も飲みたくなってお酒(日本酒)買ってきたw

  • 読みやすい

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著者プロフィール

大正十二(一九二三)年一月二十五日、東京市浅草区聖天町生まれ。昭和十(一九三五)年、下谷区西町小学校卒業、株式仲買店勤務。昭和十四年より三年ほど証券取引所にあった剣道場へ通い、初段を得る。旋盤機械工を経て昭和十九年、横須賀海兵団入団。敗戦の翌年、東京都職員として下谷区役所の衛生課に勤務。昭和二十三年、長谷川伸門下に入る。昭和二十五年、片岡豊子と結婚。昭和二十六年、戯曲「鈍牛」を発表し上演。新国劇の脚本と演出を担当する一方、小説も執筆。昭和三十年、転勤先の目黒税務事務所で都庁職員を辞し、作家業に専念。昭和三十五年、『錯乱』で直木三十五賞受賞。『鬼平犯科帳』『剣客商売』『仕掛人・藤枝梅安』の三大シリーズや『真田太平記』等、数々の小説で人気を博す一方、食や映画、旅に関する著作物も多く上梓した。受賞歴はほか吉川英治文学賞、大谷竹次郎賞、菊池寛賞等。平成二(一九九〇)年五月三日、入院していた東京都千代田区神田和泉町の三井記念病院で死去。小社では同じく単行本未収録のエッセイ集『一升桝の度量』(二〇一一)と初期戯曲集『銀座並木通り』(二〇一三)を刊行している。

「2022年 『人生の滋味 池波正太郎かく語りき』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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