- Amazon.co.jp ・電子書籍 (435ページ)
感想・レビュー・書評
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主人公が他者を受け入れて行く過程が、とてもわかりやすい。
ドラえもんの道具の名前が出る度に、自分が子供の頃に見たドラえもんのエピソードが思い出されて、ノスタルジーを感じてしまった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
物事を俯瞰で捉えてしまう''Sukoshi Fuzai(少し不在)''な高校生・理帆子の、少し不思議な物語。
5年前に失踪した有名写真家の父・芦沢光。
末期がんで病院に入院している母。
プライドが高く人の心が分からない元彼。
(ちなみに彼は絶対にASD。私の元彼もそうだった。とても頭が良くてユーモアと自信があって頼もしいのだけど人の心が分からない脳の性質なのだ)
そして、突然現れた''話せる''青年・別所あきら。
ドラえもんのひみつ道具が節々で現れ、物語を彩っていて楽しい。辻村さんの情景描写の浮かび上がり用は、異常な程にすごい。元彼のお菓子には直接的に気持ち悪い、とかいう言葉が書いてないのに気味が悪くて背筋が凍ったし、郁也がピアノを弾くシーンは美しすぎて息を飲んでしまった。
家族や、人との繋がりが、すごくフォルテに響いてくる、そんな話でした。 -
好きと興味の曖昧さみたいなのが、個人的に読んでて特に面白かった。
主人公の子の危うさみたいなのは、達観してる子らしいな?というかそんな感じがした。
主人公が付き合ってる子どう考えたって地雷だし、自分はそういう人とはすぐ距離を置くようにしてるから、そういった人と関わる人がどういう気持ちなのかということが描かれていたのがすごく良かった。 -
相手と繋がることに意味を持たせること。sukoshi•huzai(少し•不在)と自分のことを表現するように他の人の個性もすべて自分の中で論理立てて接していた。
でも、多分そんな風に人と接してしまった原因、素直な気持ちから人と繋がることを許せなかったのは父親の自殺を止められなかった、そんな過去の傷が原因なんだろうと思った。
それが人としてとても可哀想なことで間違えであることを、いりや、や、若尾を見て感じ取ったのではないのかな、そーいう側面もあるんじゃないかと思った。
他人の気持ち、行動を論理立てて、自分の気持ちを形成してしまうと何が起きるのか
人の脈絡のなさを舐めてはいけない。
そんな教訓も得れた。
でも今回の自分の1番刺さったフレーズは多分
誰かと繋がりたいときは、縋りついても良いんだよ。相手の事情なんか無視して、一緒にいたいって口にしてもー
誰かと生きていきたい。必要とされたいし、必要としたい。 -
不思議な世界観に引き込まれ、読み終わった後はなんとも言えない暖かな気持ちに包まれる。読み終わってから暫く経つけどこの本のことが忘れられない。
若尾が自分に重なって衝撃的だった。 -
ちょっと若いかも…って思って読んでたけど、
ラストでやられたー
別所くん、お母さんのこと言ってたんだ…
面白い。。 -
ドラえもんのひみつ道具に絡めてくる話の展開がとても引き込まれる作品でした。
伏線回収も素晴らしかったです。
全体的に少し暗い感じがまたよかったです。 -
どうして。どうして若尾に対してそんな行動ができるのか分からなかった。人の行動って矛盾ばかりで、それこそ理帆子は人に対して感じるようなことを自分でも行っていたのかもしれない。
感情と行動と正しさと間違いと。全部理屈で説明がつかないなんて、なんて脆い生き物だろうか。だから寄り添いたくなるのだろうか。