名前探しの放課後(上) (講談社文庫) [Kindle]

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  • 講談社
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感想・レビュー・書評

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  • イソップ寓話「狼少年」に対する台詞。

    「どれだけ嘘っぽく聞こえても、脅威に対しては常に備えている必要があるのに、そうしなかった人たちへの、これは警告の話なんじゃないのかな」

    新たな切り口での捉え方にハッとさせられた。

    話全体としてはまだ上巻しか読んでいないので、下巻で伏線が回収されると思うと待ちきれない。

  • 依田いつかが最初に感じた違和感は撤去されたはずの看板だった。「俺、もしかして過去に戻された?」動揺する中で浮かぶ1つの記憶。いつかは高校のクラスメートの坂崎あすなに相談を持ちかける。「今から俺たちの同級生が自殺する。でもそれが誰なのか思い出せないんだ」2人はその「誰か」を探し始める。

  • いつもの序盤でぐだぐだする感じかと思ったら中盤からスピード感アップ。全く飽きずに読み終えた。

  • 運動神経がよくて、派手な見た目、切れない彼女。依田いつかは今でいうところのリア充。曰く「タイムスリップ」した。きっかけはなんだ。嘘か本当かわからない話を「本当」のこととして、動き出す。いつか君も、あすなさんも、秀人も天木も、精一杯大人ぶろうとしている年頃の高校生だ。そこには、かしこぶってはみるものの幼さが残る理屈や理論、中途半端な田舎がもたらすコンプレックス、人間関係のいざこざ、そういうのを全部ひっくるめて青春っていうには青いな。天木のイベント性うんぬんってのはちょっと嫌味だったな。嫌いじゃないけど。

  • 面白い!グイグイ引き込まれた!

  • ミステリーかと思ったら、ヒューマンドラマで
    かと思いきやミステリーだった

    上下巻で900ページあるけど、ずっと面白い
    いつかの3ヶ月先の記憶を頼りに徐々に真相に迫っていくのかと思ったら、早々に名前探しが終わって予想を裏切られてヒューマンドラマが始まったけど、その内容もすごく良かった
    綺麗事とか幻想に思えても、現実的な方法もしっかり取られてて納得できる

    心の葛藤とか苦しさの描写も、刺さるものが多くて珍しく涙ぐんだ

    感動した部分が嘘だったと分かっても、落胆しないくらいオチがしっかりしてて、内容・構成ともに美しい作品で、これから星5を付けるの戸惑っちゃうから、この作品は星6個つけたい

    ぼくのメジャースプーンを読んで、先に読まなかったことを心底後悔した。
    間違いなく驚きと感動を追加で1つずつ味わえたのに。

  • 面白かった。特に下巻はスピード感のある展開となり引き込まれた。どんでん返しがあるので、また読んでみたいかな

  • 中学生の時衝撃を受けた一冊

  • 同級生の自殺を阻止する。
    誰が自殺しようとしているのか、阻止できるのかこれからの展開が楽しみ。

  • 下巻に記載

  • 思わず読み返す本。初見より二度目のほうが面白い。

    正直途中で読むのをやめようと何度も思ったが、他の人のレビューが良かったので我慢して最後までたどり着いた。この著者の特徴でもあるが、前半は長いフリのパートなので淡々と話が進むため冗長というか退屈である。頭脳明晰なキャラクターがこんな判断するだろうか?という場面や、正義感が強いキャラクターが何も言わなかったのか?という小さな違和感を感じつつ、とりあえず読み進める。本筋に関係なさそうな会話シーンが何度も挟み込まれる。高校生が主人公でその他の主要キャラクターも同級生たちなので感情移入もできない。きっと若い子向けだから中年が読んでも面白くないのだろう。などと諦めつつも一縷の望みにかけてラストの章へ。

    ラスト50ページほどで全てがひっくり返った。。あの退屈なシーンの数々に重要な意図があり、無駄なページとしか思えなかった場面に切実な思いが込められていたことに気づかされる。
    物語の真実を知ると二度読みせずにはいられない。そして退屈なシーンの数々がエキサイティングな物語になる。辻村作品の特徴は知っていたはずなのに完璧に騙された。やはり面白い。クオリティーも高い。
    ただ、いくつかの強引な運びが気になった。そういうこともあるよね、と軽く流せる読者も多いと思うが、乗れない人には違和感を残すかも。

  • 上巻は正直、展開が遅いのでそこまで楽しめないかも知れませんが、下巻が最高に面白いので我慢して読んで下さい^^;。そして、恐らくきっと、下巻を読み終わったらまた上巻を読み返したくなるはずです☆

    あと、この本を読む前に必ず「ぼくのメジャースプーン」を読んでおいて下さい。読んでおかないと最後のエピローグが全然意味不明だと思いますし、本作の醍醐味が大きく損なわれてしまいます。

  • 伏線があらゆるところにちりばめられているので、何回読んでも新しい発見がある楽しい作品です。

  • 気づいたら三ヶ月前にタイムスリップした依田いつか。原因は謎。ただこれから三ヶ月の間に同級生が一人自殺する。しかし死因も性別も名前も抜き取られたかのように思い出せない。いつかは自殺者の名前を仲間たちと探す、という話。伏線だけの上巻。
    なぜいつかがタイムスリップしたのかさえも謎。自殺者容疑を持たれた苛められっこの河野を自分達の仲間にいれて死なせないように努めるけど、河野じゃない可能性もあるわけで。下巻で明らかになるはずの謎解きがたのしみ。

  • 感想は下巻にて

  • 頑張れ。応援の気持ち。
    こういう高校生生活、うらやましい。憧れる。

  • 【あらすじ】
    気がつくと3ヶ月ほど時間を遡っていたーーー。
    高校1年生の依田いつかは、その事実に戸惑う。
    自分がいた未来では、3ヶ月後に同級生が自殺するという事件が起きていた。それを食い止めようとするいつかだが、同級生の名前などの詳細の記憶だけが抜け落ちていた。
    数名の同級生を巻き込んで、その同級生の名前探しを始めるいつかたちだったが……。

    【感想】
    2018年10月9日、電子書籍にて読了。
    下巻があるので、作品についての感想はそちらにまとめますが、物語の舞台となっている県のモデルがどうも、私の生まれ育った土地のようなので、不思議な感覚で読んでいます。
    不二芳=富士吉田市で、江府市=甲府市。
    富士吉田市で生まれて、甲府市に比較的近い土地で育った私にはすっごくよく分かる距離なんです。主人公たちのもどかしさとか、閉塞感とか、すごく分かるから、直接胸に刺さってくる感覚です。
    この距離感って実際を知らない読者にも伝わるのかな?この距離感を知っている人と、そうでない人とで、受け止め方の違ってくる作品だと思います。

  • 感想は下巻に合わせて。

  • 2015/02/05再読了。
    1回目に読んだ時はさほど面白いと思わなかったこの作品。
    2回目に読んだら超面白い。
    スロウハイツほどではないが、これは再読してこそ真価を発揮する。
    だって、すべての会話すべての行動が1回目に読んだ時とまったく違うんだもの。
    1回目は全部ウソ。2回目は真実。
    ホント辻村深月は性格が悪い(賛辞)
    結末を知ってしまってからの再読が必須の作品である。
    1回読んでたいした評価もせずおわった人は、絶対にもう一度読むべきである。

  • <上下まとめてレビュー>3ヵ月後に起こる"誰か"の自殺を止めるため、主人公が友人達と一緒に自殺を止めようと奮闘する話。
    下巻、想定外の展開に完全に騙されました。落ちはちょっとだけしっくり来ないかな。それでも満足度が高いのは、誰かのために一生懸命頑張る描写に心打たれるからかな。
    辻村さん作品は物語のリンクも楽しめるので、順番に読んで良かった。

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著者プロフィール

1980年山梨県生まれ。2004年『冷たい校舎の時は止まる』で第31回メフィスト賞を受賞しデビュー。11年『ツナグ』で第32回吉川英治文学新人賞、12年『鍵のない夢を見る』で第147回直木三十五賞、18年『かがみの孤城』で第15回本屋大賞を受賞。『ふちなしのかがみ』『きのうの影ふみ』『ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。』『本日は大安なり』『オーダーメイド殺人クラブ』『噛みあわない会話と、ある過去について』『傲慢と善良』『琥珀の夏』『闇祓』『レジェンドアニメ!』など著書多数。

「2023年 『この夏の星を見る』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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