- Amazon.co.jp ・電子書籍 (341ページ)
感想・レビュー・書評
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依田いつかが最初に感じた違和感は撤去されたはずの看板だった。「俺、もしかして過去に戻された?」動揺する中で浮かぶ1つの記憶。いつかは高校のクラスメートの坂崎あすなに相談を持ちかける。「今から俺たちの同級生が自殺する。でもそれが誰なのか思い出せないんだ」2人はその「誰か」を探し始める。
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いつもの序盤でぐだぐだする感じかと思ったら中盤からスピード感アップ。全く飽きずに読み終えた。
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運動神経がよくて、派手な見た目、切れない彼女。依田いつかは今でいうところのリア充。曰く「タイムスリップ」した。きっかけはなんだ。嘘か本当かわからない話を「本当」のこととして、動き出す。いつか君も、あすなさんも、秀人も天木も、精一杯大人ぶろうとしている年頃の高校生だ。そこには、かしこぶってはみるものの幼さが残る理屈や理論、中途半端な田舎がもたらすコンプレックス、人間関係のいざこざ、そういうのを全部ひっくるめて青春っていうには青いな。天木のイベント性うんぬんってのはちょっと嫌味だったな。嫌いじゃないけど。
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面白い!グイグイ引き込まれた!
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ミステリーかと思ったら、ヒューマンドラマで
かと思いきやミステリーだった
上下巻で900ページあるけど、ずっと面白い
いつかの3ヶ月先の記憶を頼りに徐々に真相に迫っていくのかと思ったら、早々に名前探しが終わって予想を裏切られてヒューマンドラマが始まったけど、その内容もすごく良かった
綺麗事とか幻想に思えても、現実的な方法もしっかり取られてて納得できる
心の葛藤とか苦しさの描写も、刺さるものが多くて珍しく涙ぐんだ
感動した部分が嘘だったと分かっても、落胆しないくらいオチがしっかりしてて、内容・構成ともに美しい作品で、これから星5を付けるの戸惑っちゃうから、この作品は星6個つけたい
ぼくのメジャースプーンを読んで、先に読まなかったことを心底後悔した。
間違いなく驚きと感動を追加で1つずつ味わえたのに。 -
中学生の時衝撃を受けた一冊
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思わず読み返す本。初見より二度目のほうが面白い。
正直途中で読むのをやめようと何度も思ったが、他の人のレビューが良かったので我慢して最後までたどり着いた。この著者の特徴でもあるが、前半は長いフリのパートなので淡々と話が進むため冗長というか退屈である。頭脳明晰なキャラクターがこんな判断するだろうか?という場面や、正義感が強いキャラクターが何も言わなかったのか?という小さな違和感を感じつつ、とりあえず読み進める。本筋に関係なさそうな会話シーンが何度も挟み込まれる。高校生が主人公でその他の主要キャラクターも同級生たちなので感情移入もできない。きっと若い子向けだから中年が読んでも面白くないのだろう。などと諦めつつも一縷の望みにかけてラストの章へ。
ラスト50ページほどで全てがひっくり返った。。あの退屈なシーンの数々に重要な意図があり、無駄なページとしか思えなかった場面に切実な思いが込められていたことに気づかされる。
物語の真実を知ると二度読みせずにはいられない。そして退屈なシーンの数々がエキサイティングな物語になる。辻村作品の特徴は知っていたはずなのに完璧に騙された。やはり面白い。クオリティーも高い。
ただ、いくつかの強引な運びが気になった。そういうこともあるよね、と軽く流せる読者も多いと思うが、乗れない人には違和感を残すかも。 -
感想は下巻にて
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頑張れ。応援の気持ち。
こういう高校生生活、うらやましい。憧れる。 -
【あらすじ】
気がつくと3ヶ月ほど時間を遡っていたーーー。
高校1年生の依田いつかは、その事実に戸惑う。
自分がいた未来では、3ヶ月後に同級生が自殺するという事件が起きていた。それを食い止めようとするいつかだが、同級生の名前などの詳細の記憶だけが抜け落ちていた。
数名の同級生を巻き込んで、その同級生の名前探しを始めるいつかたちだったが……。
【感想】
2018年10月9日、電子書籍にて読了。
下巻があるので、作品についての感想はそちらにまとめますが、物語の舞台となっている県のモデルがどうも、私の生まれ育った土地のようなので、不思議な感覚で読んでいます。
不二芳=富士吉田市で、江府市=甲府市。
富士吉田市で生まれて、甲府市に比較的近い土地で育った私にはすっごくよく分かる距離なんです。主人公たちのもどかしさとか、閉塞感とか、すごく分かるから、直接胸に刺さってくる感覚です。
この距離感って実際を知らない読者にも伝わるのかな?この距離感を知っている人と、そうでない人とで、受け止め方の違ってくる作品だと思います。
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感想は下巻に合わせて。
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<上下まとめてレビュー>3ヵ月後に起こる"誰か"の自殺を止めるため、主人公が友人達と一緒に自殺を止めようと奮闘する話。
下巻、想定外の展開に完全に騙されました。落ちはちょっとだけしっくり来ないかな。それでも満足度が高いのは、誰かのために一生懸命頑張る描写に心打たれるからかな。
辻村さん作品は物語のリンクも楽しめるので、順番に読んで良かった。