獣の奏者 IV完結編 (講談社文庫) [Kindle]

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レビュー : 9
  • Amazon.co.jp ・電子書籍 (512ページ)

感想・レビュー・書評

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  • 寝る間も惜しんで本を読んだのは、実に久しぶり。
    終わってしまった・・・。というのが正直なところ。

    エリンの生きた軌跡を、息子が語り、繋いで行く。

  • ついに最終巻、王獣と闘蛇がぶつかる瞬間に起こる「災い」とは?歴史が紐解かれて解決編、どんどん読み進められます。

  • ほぼ全編、涙ぐみながら読了。まさに完結編。当初は2巻王獣編までだったがアニメ化にあたり追加されたとのことだが、まさにこの巻のためにこれまでがあったと唸らされる。エピローグの「それから四日、母は生きた」の1行に胸に来るものが。あとがきにも「彼が私の中に生まれたときに、もうすでに聞こえていたような気がします」とあり、まさに物語を締めくくる重たい1行だったと感じ入る。
    もっと早くに読んでいれば、若い時に読んでいれば、と思う反面、この歳(40代)だからこそ感じる、わかる話だと思う。そういやエリン・イアルと近しい歳になるんだもんね。ウチに子供はいないけど、周りの同年代は子持ちも多く、また会社組織の中間ポジションにいると後進を育てるという思いが、読んでいるとところどころに感じるのですよ。
    まあ、小説で「たられば」を思っても詮無きことですが、もし残された人々(カレンタ・ロゥ)がカザルムに早く着いてエリンと会っていたら、王獣は飛ばなかったかもしれないが、ラーザの闘蛇を止める手段はどうしたのか、とか思ったり。
    今なら情報開示、形式知と誰もが言うけど、ちょっと前まではそんな雰囲気もなかっただろうに。そんな中、先人が秘匿を良しとした事柄を、独自の観察眼で詳らかにし、後に続く世代に引き継ごうとしたストーリーは惹きこまれた。
    ジョウン先生とユーヤンが最後まで心の支えになっていたというのが良くて。ちょいちょい挟む思い出がエリンの人柄、らしさを醸しているのかな。茹でガニ脱皮事件が良いスパイスになっている。
    そしてユーヤンの「エリンちゃんなぁ、あんた、頭が八つ、手が八本あるわけじゃないんやでぇ。頭も身体もひとつっきりしか持っとらんのやから、できんことがあって、あたりまえやぁ」の言葉、いろんなことに絡め取られているじぶんにも突き刺さるなあ。
    「すべては留めようもなく過ぎ去って行く」まさに流れを描いた作品だった。

  • そして王獣と闘蛇の悲劇は少しだけ繰り返されるも、エリンの死を賭した行為により被害は最小限、で終了。3,4は後付け感のある設定だったけれど、エリンの最期やラスト、ジェシの教導師スピーチあたりはさすがにうまい。

    でもやっぱり2の終わりで終わっておくのが余韻もあって一番綺麗だっただろうなあ。筆者もしきりとそう書いていたし。

  • 完結です。もうこれ以上は続かない。
    「秘すことにより守る」というのは良くない、という方向性。私は同意だが、実際はどうなのだろう??

  • バッドエンドだったか。内容が重いので、ハッピーに持っていくのは難しかったのだな。

  • 文庫版が図書館に入るまで待つつもりだったのが、Kindleのお試しサンプルをダウンロードしてちょっと読んだら待てなくなって重いのにハードカバー借りてしまった^^;

    リランたちを野生にあるがまま生きさせたいというエリンの願いもむなしく、時勢は王獣たちに穏やかに生きることを許してくれなかった。一度は戦いに利用しないと誓った真王だったが、ついにエリンに王獣部隊をつくることを命令する。
    そしてとうとうエリンのお母さんたち「霧の民」が二度とおこしてはならないと命をかけて戒律を守り通してきた過去の出来事が明らかになり、まさにその再来となろうという時にエリンがとった行動とは・・・

    まあ予想通りではあったかな。
    ラストがあまりにも駆け足でちょっと「え?」な感じはしたけど、まあこうするしかなかったよね、みたいな。
    個人的には最後にもう少し王獣のその後に触れてほしかった気がする。

  • 泣きました。物語の奥底にあるものは、施政者が、過去の悲劇を繰り返さないために真実を隠したことが間違いで、エリンがいなくても、遅かれ早かれこういうことになったという点で、何となく後味は良くない。でも、そういった大きな歴史の流れは見極めた上で、エリンが、自分の子供に自由な未来を選ばせるために努力するところや、普段落ち着いていて理性的のに、非合理でもできることをやろうとして後で我に返るところなどが、母とは、家族とはと考えさせられる点でもあって、そうするとやはりこの終わり方になるんだろうな、これで良かったんだよね、と思わされました。

  •  一言で言うと、わくわくする面白い本です。4巻は間違いなくおすすめです。そのために、前の巻をがっつり読みましょう。

     知り合いに勧められて読みました。でも、1巻目「闘蛇編」は独特の世界観と言語センスになれるのに時間がかかり辛かった。しかし、3巻目からは、謎解きが始まり俄然面白くなってきます。

     この物語を貫くものは「タブー」の存在意義です。そしてタブーを破る価値です。それが、謎解きになっていて、4巻の最後の10%(Kindleで読んだのでページ数が言えませんね)に奔流となって流れ込みます。そして、タブーにより封じ込められてた知恵を解放することで、タブーを作り込んだ文化との対峙があり、作者は開かれた世界のより良い可能性を説くのです。しかしこの話には、運命のいたずらがあります。主人公は序盤は慎重にタブーを破っていくのですが、最後の最も難関のタブーを準備不十分で破ることになります。破らざる終えない状況に追い込まれるのです。そしてそれは、悲劇を招きます。
     主人公のエゴや探究心により、悲劇を招かなかったのは作者の心優しさを表しています。タブーの存在意義もっと厳しく問うのなら、私は別な結末も見てみたかった。

     最後に一言、余計なお世話の苦言。表情描写が多すぎます。

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著者プロフィール

上橋 菜穂子(うえはし なほこ)
1962年、東京都生まれの児童文学作家、SF作家。
1992年『月の森に、カミよ眠れ』で日本児童文学者協会新人賞、2000年『闇の守り人』で第40回日本児童文学者協会賞、2003年『神の守人 来訪編、帰還編』で 第52回小学館児童出版文化賞、2004年『狐笛のかなた』で 第42回野間児童文芸賞受賞他、2015年『鹿の王』で第12回本屋大賞など、多数の受賞歴がある。
2014年には「小さなノーベル賞」とも呼ばれる世界的な賞、国際アンデルセン賞作家賞を受賞している。

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