芸術新潮 2023年1月号

制作 : 芸術新潮編集部 
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  • Amazon.co.jp ・雑誌 (136ページ)
  • / ISBN・EAN: 4910033050131

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  • 達磨画で知られる禅僧・白隠慧鶴に迫る

    鋭い眼光。太く大胆な衣の描線。
    印象的な数々の達磨画を残した白隠。生涯に1万を超えるとも言われる夥しい禅画を描いた白隠は、画家ではなく、禅僧である。
    「駿河には過ぎたるものが二つあり、富士のお山に原の白隠」とまで謳われた五百年に一人とも言われる名僧だという。

    この冬、渋谷で大規模な展覧会が開かれている。渋谷じゃちょっと遠いなぁ、巡回展もないみたいで残念、と思っていたら、こちらの雑誌が今月特集だったので買ってみた。

    作品数の多さもさることながら、一点一点の絵や書のエネルギーの大きさが尋常でない。
    白隠の描く絵は芸術作品としてというよりは、禅の教えを説くことを目的としているという。だから「ほら」とばかりに描いては与え、描いては与え、している。
    人を見て、その人にわかるような絵を描く。子どもに「親」という一字を書き、親を大切にしろと説いたり、庄屋や役人には「魚は瀬に、鳥は木に住む」ことを示す絵を渡し、年貢の取り立てにも情けを、と説く。
    メビウスの絵を思わせるような布を裏返して輪にした絵や、軸の中に軸がある絵など、しかけ絵のような絵も楽しい。
    晩年になってくると下書きの線と上の絵が大幅にずれたりしているが、まぁそれもありかと有無を言わせぬ勢いがある。

    白隠のコレクターとしては細川護立・山本発次郎が知られている。細川家伝来の品を収める永青文庫には白隠の書画が多くあり、本書にも何点か収録されている。

    その他、白隠を理解するための禅の豆知識や、禅の系譜などが掲載され、親しみやすく読み応えのある特集となっている。

    いや、それにしても禅の書画って裏のさらに裏の意味、のように奥へ奥へと考えさせるものがあって、つくづく難しいです・・・。


    *そういえば、「帰ってきた江戸絵画 ニューオーリンズ ギッター・コレクション展」を見に行ったとき、これはおもしろいと思っ「篆書百寿」http://www.gitter-yelen.org/collection/works/detail/501/628/が白隠のものだった。

    *健康法についての著作(『夜船閑話』)もあるそうで、白隠の呼吸法を元にした呼吸法も多くあるそうだ。

  • 何となく面白い。

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