社会をよくしてお金も稼げるしくみのつくりかた [Kindle]

著者 :
  • ダイヤモンド社
3.38
  • (1)
  • (3)
  • (2)
  • (2)
  • (0)
本棚登録 : 24
感想 : 3
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・電子書籍 (256ページ)

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • ▶学んだこと

    ・事業はwin-winではなく、winをもっと広い範囲で作ることができる。5Cの観点からwinを生み出していく。Winの累乗がグローバルにうねりを作る。

    <5C>
    ・一緒に働く仲間(Company)
    ・商品・サービスを購入してくれるお客さん(Consumer)
    ・事業を展開する地域(Community)
    ・資金を提供する株主
    ・競合ではなく同業者(Cooperation)


    ・マルチタスクで仕事に取り組む環境が組織によって用意されているため、従業員は全体感を持つことができ、その結果、自分の仕事が誰かの役に立っていることを実感し、モチベーションを高めている。全体感が見えない中で、目の前の仕事をこなすのは難しい。

    ・事業の社会的インパクトを広げていくには、水平のインパクトと垂直のインパクトがある。水平のインパクトはいろはすの事例のように、関わるカスタマーを増やしていくイメージ。垂直のインパクトはTFTの教育事業のように、サービス提供後のカスタマーの動きを分析して影響の範囲を広げていくイメージ。

    ・コミュニティにWinを作ることが、ビジネスにおけるWinとして跳ね返ってくる。(例)ファーストリテイリングの全製品リサイクル活動、医師の教育までを地域に根づいて実施するジェネリック医薬品の企業

    ・カゴメは健康増進セミナーを株主向けに行い、金銭的な関係を超えてエモーショナルな関係を気付くことで企業経営を安定させている。株主が社会的価値に投資をすることに意義を感じ始めている。

    ・アキュメン・ファンドが投資先に選ぶビジネスは、「100万人に届く可能性がある、または10倍規模でのビジネスの拡大が望めること」

  • 何で買ったのか忘れたけど、気になって買ったんだと思う。1年以上読んでなかったが、目についたので読んでみた。

    winの累乗を重ねていく、という考えは、先日読んだ岡田斗司夫氏の本にもある「評価経済」って考えと通じるものがあると思う。つまり、「Give and Take」だけを考える、あるいは自分にとって利益のあることだけを考えるのではなく、まずはこちらから提供する。相手のために何かを提供する。それが積み重なることで自分にも帰ってくる、という考えだと思うのね。

    今後の社会においては、この考え方が中心になる、かどうかは分からん。これが主流になるよ、とノー天気に言うほど、僕は社会と人間を信頼していないので。

    でも、これを目指すことは無駄ではないし、個人で考えてもプラスに働くことが多いんじゃないだろうか、と思う。

    この本は、そういう綺麗な所を中心に、というか、ほぼ『綺麗な部分』だけで構成されている。そこがズルいと感じるし、著者のある意味での不誠実な部分だと思う。

    だって、この考えだけでやっていけるとは思えないのよ。絶対に裏切る人は出てくるだろうし、利己心だけの人間に痛い目に合わされた経験もあると思う。そういう事も本書では書いていくべきだと思っているのだが、そういうところは全くない。だからズルいと思うのだ。

    だったら本書に価値がないか、と言われると、そんなことはない。こういう考え方もある、こういうやり方もある、そんな視点を持つことができるだろうし。

    今後、NPOに求められることは、NPOに勤める人間が金銭的にも報われること、だと思う。精神的には報われているだろう。自己満足、という観点でも十分にプラスが得られているのではないか。問題は金銭面だ。NPOは利益を求めるわけではないので、どうしても金銭は後回しになるし、NPOの代表が金銭的に恵まれていると、周囲から叩かれることになるだろう。

    だけどそれは間違ってると思うのよね。NPOは常に清貧であることを求められるのだとしたら、誰がやりたいのよ、って話で。清貧で尽くし続けられる人は極少数のはず。著者は「若者の重要視する基準がそこになってきている」なんてノー天気に書いてるけど、それは極一部だと思ってるの。そんな極一部に頼り続けるのは、絶対にスケールしない。そして思考も硬直すると思う。

    なので、清貧では耐えられない人をどれだけ取り込んでいけるか、そうなってこそ、大きなうねりになると思う。

    そこが、NPOを始めとする社会貢献活動における最大の課題なんじゃないだろうか。

  • 企業が生み出す製品やサービスは誰かのためであるということを知らず知らずのうちに忘れてしまうことを思い出させてくれる。
    本書では「Winの累乗」と言っている、お互いの利益があってこそ、そしてお互いの利益があるからこその更なる累乗について語っている。
    いいものさえつくれば売れるという、高度経済成長期のままの精神であぐらをかいている人びとに一石を投じ、想い、つまりはビジョンの大切さを説いている。

全3件中 1 - 3件を表示

小暮真久の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×