闇金ウシジマくん(22) (ビッグコミックス) [Kindle]

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  • 小学館
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感想・レビュー・書評

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  • 闇金ウシジマくん22 2011

    『闇金ウシジマくん』(やみきんウシジマくん)は日本の漫画家である真鍋昌平による漫画。2004年から2019年まで『ビッグコミックスピリッツ』(小学館)で不定期連載された。
    2010年10月より、山田孝之主演で毎日放送(MBS)の制作によりテレビドラマ化され、その映画版が2012年8月25日より公開された。また2014年1月にはドラマの新シリーズが放送された他、5月16日には新作映画が公開された。詳細はテレビドラマの記事ならびに映画の記事参照。

    概要
    10日5割(トゴ)の超暴利闇金融『カウカウファイナンス』の経営者である丑嶋馨とその従業員の日常と、カウカウファイナンスに訪れる客、およびその関係者の様々な人間模様と社会の闇を描いたストーリー。物語は各エピソードの中心となる人物の視点で進み、丑嶋はそれらの人物に接触する狂言回し的存在である。そのため丑嶋が全く登場しない回も多い。なお「○○くん」というタイトルは、当時流行した「むじんくん」(アコム)、「お自動さん」(アイフル)などのサラ金の自動契約機のネーミングから着想を得ている。
    2022年3月時点で累計発行部数は2100万部を記録している。
    第56回(平成22年度)小学館漫画賞一般向け部門受賞作品。
    連載を終了した理由として、作者は「闇金業者という犯罪者の視点で描く話に限界を感じていた。『突き詰めて描けば描くほど読者が離れる』」と述べている。その後、弁護士を主人公とした『九条の大罪』を連載開始した

    「ホストくん」「元ホストくん」編

    隼人(はやと)/夢咲隼人(ゆめさき はやと)
    本エピソードのキーパーソン。高田のホスト時代の同僚。現在は営業許可を取っていない違法ホストクラブの店長。オーナーの慶次を裏切り「爆弾(禁止行為)」である裏引き(店を介さず、客から直接金を要求すること)をしたため罰金として700万円を要求された上、もし逃げれば鼓舞羅の手によりコブラピンクの刑という全身蛇柄模様のタトゥーを入れられると脅される。その後、高田を頼りカウカウファイナンスに入社しようとするものの、大金を手にしたまま酒を口にしたことが原因で入社試験は不合格となり、直後に鼓舞羅に捕らえられてタトゥー刑を執行された。これで従順になったと見せかけて再び鼓舞羅を裏切り、投資詐欺によって得た三億円の強奪に成功。しかし、最後は丑嶋たちに捕まって金を奪われた。

    鈴木愛華(すずき あいか)
    高田がホストのころ、初めての客となった少女。15才。
    厳格な父親と、それに盲従する母と優等生の姉、そして引きこもり続ける兄弟のいる家に居場所を求められず、家の金を盗んで家出をしていたところを高田と出会う。高田に好意を持ち、未成年でありながら高田が勤めるホストクラブに通い、高田を売り上げNo.1にするため数百万円以上も借金をして貢ぎ、その返済のために売春に手を染める。しかし、どれだけ貢いでも高田に無下に扱われたため、それが元でストレスが溜まってリストカットをするようになり、最期は投身自殺を遂げ、高田にとって深いトラウマを残した。
    父親は厳格ではあったものの、愛華に対しては愛情を持っていたようであり、現在でも欠かさず愛華の墓参りに行っている。

    慶次(よしつぐ)
    高田がかつて勤めていた「ニューロマンサー」元No.1ホスト。現在は隼人の店のオーナー。
    冷酷な性格であるが、かつては新人時代の隼人と高田に対してホストとしての振る舞いを熱心に指導するなどホストとしては一流であり、隼人はその姿に惚れ込み慶次の独立についてきたという。
    筋金入りの女好きで、家庭が3つあり、合計5人の子持ち。エミカという愛人もおり、第6子を妊娠中。
    鼓舞羅と共に投資詐欺を行うが、鼓舞羅の謀略で単独犯に仕立て上げられ、犯人への制裁という体で歯を全て折るなどの拷問を受ける。最終話では傷がある程度癒えた姿で現れ、高田にホスト業界から足を洗う旨の発言をした。

    秀輝(ひでき)
    隼人の店の主任。色黒の肌に金髪とヤンキー然とした風体。見た目通りの凶暴性の持ち主で裏引きをした隼人に対して暴行を働くが、実は自身も裏引きと横領を行っており、鼓舞羅の手によってコブラーブラックにされた。鼓舞羅の横暴さに耐えかねて、隼人の裏切りに加担する。最後は隼人から報酬を受け取り、他の鼓舞羅の部下たちと歌舞伎町から去った。

    霧人(きりと)
    隼人の店の新人。強制指名日に連れて来た客に掛け飛びされ自身もそのまま逃亡するが、鼓舞羅に捕まり、コブラーレッドにされた。その様子は裏引きをした隼人に対する脅しとして使われる。
    コブラーレッドにされて以降は完全に鼓舞羅の奴隷になっており、隼人の裏切りのために鼓舞羅に指を折られるなど悲惨な扱いが続くが、最終的には分け前を得て去る。

    鼓舞羅(こぶら)
    「ニューロマンサー」のケツ持ちをしている愚連隊の総長。丑嶋の車がひき殺そうと至近距離で直進してきても、ジャンプして飛び越えるほどの高い身体能力を持つ。非常に自己中心的でサディストな性格であり、逃げた新人ホストや裏引きしたホストに対して、戦隊ヒーローに見立てた「珍獣戦隊コブレンジャー」という全身蛇柄模様のタトゥーの刑にするなど極めて凶悪。
    隼人や慶次と共に投資詐欺を行い、カウカウファイナンスの社員から多額の金を騙しとるものの、柄崎の策略に引っかかって熊倉を殴打してしまい、滑皮とその配下たちに銃を向けられる。自身も銃で応戦しようとするも、秀輝が事前に銃に細工をしていたために弾が出ず、そのまま滑皮に銃殺された。
    上述の出来事は、後の猪背組における内部抗争の遠因となる。

    晴子(はるこ)
    本エピソードの債務者。カウカウファイナンスに借金してまで「ニューロマンサー」のホスト・成瀬一聖に貢いでいる。保育士で2児の母。
    姑との関係が上手くいっておらず、夫からはDVを受けていて、そのストレスを一聖に貢ぐことで発散させており、密かにホテヘルで働いている。
    最終的には借金がかさんでソープに堕ちた上に薬物中毒となり、高田が子供二人を彼女の両親の元に送って彼女の両親から借金を取り立てた。

    ピース尖閣(せんかく)
    元お笑い芸人。
    かつては「毒づく♪毒づく♪ピース尖閣!!」というリズムネタでブレイクしていた時期もあったが、ブームを過ぎた現在では落ちぶれた生活をしている。
    以前に不動産投資に失敗しており、再起を図ろうとしていたところを隼人に「海老澤グループ」なる無名の投資信託会社を紹介され、疑いも無く出資するが、名刺に書かれている住所の建物を訪れた際に誰も居らず、詐欺に遭ったことを理解する。挙句にその場に居合わせていた同じ詐欺被害者の長谷川(実は長谷川本人では無く、「長谷川拓三」なる人物の名刺を持ち歩いて身分を擬装している鼓舞羅の舎弟だった)に、海老澤なる人物と間違われ殴打される羽目になった。


    以上のようにWikipediaで紹介される作品。
    真鍋昌平氏による著作。
    週刊ビッグコミックスピリッツ2011年第15号〜第17号、第19号〜第23号、第25号~第28号、第30号~第32号掲載作品。
    2011年9月4日初版第1刷発行
    電子書籍制作会社 株式会社昭和ブライト

    ホストくん編7~20

    ホスト、キャバクラとは突き詰めると推し活に通じるものがある。
    No1になることを煽って。
    ただそんなNo1はその店の中だけの話で現実世界においては全くの幻想だし無意味だ。
    楽園くんに出てきた中田も特定の世界の中だけのランキングにこだわって身を滅ぼしたようなものだ。
    楽園くんの時のレビューでも書いたのだけど、人生は日々の積み上げを薄く積み上げていく感じだ。こんな幻想の世界で1位だの最下位だの本質的に意味はない。
    もっとそれぞれの個人が自分のスキル、資質に合う業界、職種で働くべきであろう。
    ランキング思考は軽く参考にする程度にしないといけない。
    それは大学受験などの世界でもそうだと思う。
    過ぎたるは及ばざるが如し。

    話を戻す。
    鈴木愛華も数万円をホストで使うまでにしなくてはならなかった。
    いや、お金の使い方が分かっていなかったのだから、やはりホスト自体に行くべきではなかった。
    ゲームセンターでテトリスにもっと夢中になっていればと悔やまれる。
    そもそも幻想No1を目指して馬鹿高い酒を注文する。
    なんと狂った世界なのか。
    酒の飲み方としても間違っている。
    こんな狂った構造の世界にいてはいけない。
    以前あったテレクラくん編ではパチンコ依存症の女性が描かれていた。
    依存先が違うだけで人生を壊すという意味では同じものだと思う。
    自分の家族や友人がこのような狂った構造に依存しないようにしないといけない。
    気を配るべきはそこだと思う。


    印象に残った点

    裏表なく気を配るのがおもてなしだ。

    食事はキレイに食べろ!!
    普段の仕草が接客に出るんだ。

    ホストなら寝てる時も気を配れ!!
    寝相も格好つけろ!!
    常に一流の自分を頭に思い描け!!

    安くてイイもの選ぶのがセンスある奴の証拠だぜ。

    ホストは客を騙すだけじゃ足りない。
    自分自身も騙さないとな。

    お前とはダチだけど、俺達はホストなんだぜ。
    売り上げで勝負してるの忘れんなよ。

    こんな仕事(売春)しててピル飲まないお前も悪いよ。

    瑠偉斗は客との距離が近すぎる。
    このまま行けば、いつか繋がれた重い鎖に押し潰されて、
    身動きが取れなくなるでしょうね。

    女は後ろ向きな真実より前向きな嘘が大好きなんだよ、

    だからホストは女のために嘘をつく。

    ホストは嘘。
    嘘に耐えるのが俺らの仕事だ。

    女に刺されるホストは二流だ。
    一流は刃物を溶かす。
    刺す前に女をなだめる。
    俺のように超一流は女に刃物を持たせねえ。
    瑠偉斗のNo1は一発屋で終わりだ。

    ホストに来る女は金を使う場所を探してる。
    節約させても他のホストに金が流れるだけだ。

    ホストは綺麗事じゃ務まらねえ。
    女がハマり過ぎて売り上げが怖くなっても自分に使わせなきゃホスト失格だ。

    ホストの寿命が儚くて短いのは、
    光り輝くホストより女の闇が深く暗いからだ。

    一生かけて償って欲しい。
    だが娘を騙して死に追いやった罪は許しません。

    誰もが救われなければいけません。
    だが君だけは救われて欲しくない。

    愛華を殺したのはお前だ!自殺ではない!

    2023/11/04(土)記述

  • 「ホストくん」編。高田のホスト時代の物語。No.1を目指すためになりふり構わぬ高田と、高田の夢を叶えるために身体と精神を壊していく愛華。やがてリストカットを繰り返すようになり、愛華は自殺し、高田はこれがトラウマになってホストをやめ、丑嶋の元に辿り着く。

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著者プロフィール

漫画家。神奈川県出身。1998年、『憂鬱滑り台』で「アフタヌーン」(講談社)四季賞夏のコンテスト四季大賞を受賞、同誌同年9月号に掲載され商業誌デビュー。2011年、『闇金ウシジマくん』(小学館)で第56回小学館漫画賞一般向け部門を受賞。その他著書に『スマグラー』『THE END』(講談社)などがある。

「2017年 『THE END クライマックス編』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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