仮説思考―BCG流 問題発見・解決の発想法 内田和成の思考 [Kindle]

著者 :
  • 東洋経済新報社
3.81
  • (29)
  • (66)
  • (42)
  • (6)
  • (1)
本棚登録 : 801
感想 : 46
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・電子書籍 (196ページ)

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 「1分で話せ2」で紹介されていたのを機に読みました。
    前半は仮説思考のメリットを説明しています。
    後半は仮説思考のための検証の方法を説明しています。
    結論→理由→具体例と文章の構成もされていますので、とても読みやすかったです。

  • 少ない情報で仮説を立て、それを検証していく形で進めれば、素早く質の高い意思決定ができる、という話。
    論理的にわかりやすく書かれているため、すぐに納得し、今日から実践しようと思った。

    ーー以下要約ーー
    少ない情報で仮説を立て、それを検証するための情報収集をする、という流れで仕事をしよう。枝葉ではなく幹、つまり全体観を最初に捉えよう。
    仮説検証サイクルを回せば、先見力と決断力が鍛えられる。仮説が間違っていても、検証の初期段階でわかるから恐れるな。失敗から学べ。
    たくさんの情報を収集してから意思決定するのは時間がかかる上に難しいからやめよう。
    今起きている問題は何か?→原因はなにが考えられるか?→解決策は何が考えられるか?

  • Kindleで再読。特に最初、気付きをやはりくれる。

  • 思考3冊の中では最も使えそう
    完璧主義は意思決定を遅らせる 今の日本の弊害
    リスクゼロを目指すと何も出来ず、リスク最大化となる
    「仮説思考」ありき
    「失敗」は可 そこから学ぶ
    何もしない→失敗はない→成長もない「停滞」の悪循環
    1.秀才はミクロの世界に精力を傾けがち 著者も最初はそうだった「優秀」
    ⇒「大きな枠組み」の中で「問題」を位置づける そして方向性をイメージする
     「構想力」=仮説 答えから逆算する
    「仮説の検証」Data 現場 有識者 感覚的・現実的におかしい点を確認する
    2.情報過多は意思決定を遅らせる
     「情報エントロピー」
    新たな追加情報は、①選択を絞り込む ②検討を白紙に戻す(エントロピー大)
    検討プロセスの段階で、必要な情報が変わる 

  • 「ボストンコンサルティンググループ(BCG)のコンサルタントは、仕事が速い」。
    BCG流問題発見・解決のカギである「仮説思考」の要諦を、同社の日本代表を務めた著者が、解説する書籍。

    仮説思考とは、物事を「答え」から考えることである。すなわち、課題を分析して答えを出すのではなく、先に答えを出し、それを分析して証明する。
    ビジネスにおいても、問題の原因と解決策についてあらゆる可能性を考えるよりも、経験に裏打ちされた直感力、勘によって、最初に仮説を立てることが大事である。

    仮説思考は、ビジネスパーソンにとって最も大切な能力の1つであり、これを使いこなせるようになると、
    「情報洪水に溺れなくなる」
    「大局観を持って仕事ができる」
    仮説思考を使えば、手元にある情報だけで、最初にストーリーの全体構成を作ることができる。
    例えば、「現状分析をすると、こういう分析結果が得られるだろう。その中でもこの問題の真の原因はこれで、その結果としていくつかの戦略が考えられるが、最も効果的なのはこの戦略だ」ということを、十分な証拠のない段階で作り上げる。
    そうすると、大半は証拠がない状態になり、そこから証拠集めを始めることになるが、その場合には、そのストーリーを検証するために必要な証拠だけを集めればよい。無駄な分析や情報収集が不要になり、非常に効率が良くなる。
    こういうと、「大胆に1つのストーリーを作り上げたら、重大なことを見逃し、間違ったストーリーを作ってしまうのではないか」と心配する人がいる。だが、それは杞憂だ。
    そのような場合には、ストーリーの正しさを証明するために証拠集めを始めた段階で、仮説を肯定するような証拠がなかなか集まらない。そのため、ストーリーが間違いであることに気がつく。
    従って、最初からある程度まで踏み込んだストーリーを組み立て、それが正しいかどうか調べ、間違いに気がついたら軌道修正し、改めて他のストーリーを考える。この方法が最も効率的だ。
    「問題解決に役立つ」
    という3つのメリットがある。

    仮説は、あくまでも「確からしい答え」であり、検証が必要である。
    「仮説→実験→検証」を繰り返すことで、より良い仮説に進化していき、個人や組織の能力が向上する。

    実験による検証は、現場で行うのが一番わかりやすい。実験による検証はわかりやすい反面、向き不向きがある。
    実験に向かない仮説は、「ディスカッション」や「分析」によって検証する。

    良い仮説は、経験に裏打ちされた直感から生まれる。
    従って、少ない情報で良い仮説を立てられるようになるには、経験を重ねるしかない。
    仮説思考をトレーニングする方法には、次の2つがある。
    ・日頃から「So What?(だから何?)」を考え続ける
    ・日常的に「なぜ」を繰り返す

    企業に意思決定のスピードが強く求められている今、仮説思考は時代の要請でもある。仮説思考のできる組織だけが、激変する経営環境に素早く対応し、成功し続けることができる。

  • ◾︎感想、個人的解釈
    解決しなければならない課題と向き合う時は、情報量が少なくても最初にゴールを定義する事でそこに向かうアプローチを策定するべきである。(これを仮説を立てると呼ぶ。)
    導き出した仮説を元に作業を設計し、途中でアプローチ変更が必要となればそこで影響を加味した上で舵を切れば良い。
    
    大概の仕事は時間的制約があるので網羅的思考よりも仮説思考でスピーディに打ち手を検討してPDCAを回す方が効率が良いのである。
    

  • 最近はかなり一般的になった「仮説」という言葉・概念につき、そもそも仮説とは何なのか、どんな効用があるのか、どうすれば鍛えることができるのか、といったことを解説した一冊。自分自身は比較的仮説思考に慣れた方であると思うが、全体的に納得感を持って読み進めることができた。
    なお、この手の本はある意味「仮説思考は万能である」というスタンスで書いてあるようにも見えるものが多く、この本もご多分に漏れないのだが、個人的には仮説思考の弱点があるのであれば聞いてみたいと思っている。「実は98点の解がある時に、仮説思考だとさっさと80点に到着してしまってそれを結論としてしまうので、その存在に気付けない」みたいなことはあるのではないかと想像しているが、いかがだろうか。

  •  内容を一言でまとめると、何事にも仮説を持った上でさっさと動けに尽きるのですが、具体的な仮説の立て方について事例を踏まえて説明していただけるので、個人的にはどこぞの自己啓発本よりはなるほどと思う本です。ただ、趣旨としては前述の通り一言にまとめられるので、人によっては内容が薄いと評するかもしれません。
     特に私は色んなことに対して悩んで前に進まないことが多々あるので、普段から悶々と悩みがちな人に対しては、仕事だけでなくプライベートでも使える考え方が記載されていると思うので、お勧めかと思います。

     例えば、三ヶ月のプロジェクトに対して2週間で答えを出す、と言う話や、実験する前に論文を書く、と言う話が本著では挙げられています。前者は実際に著者がプロジェクトリーダーに言い渡している指示であり、後者はとある学者がアメリカの大学で教授に教えられた研究の進め方だそうですが、このような考え方を大学にいた頃に聞いていれば、研究生活の過ごし方も大きく変わったのかなと少し後悔してしまいます。
     また、良い仮説の条件として、「掘り下げられていること」と「アクションに結びつくこと」の2点が挙げられています。今私が働いている会社でも、仕事改善活動と称して定期的に問題と改善策を議論する場が設けられていますが、具体的かつ現実的に実行可能な改善策が提示されるパターンは、提示された問題が決まって前述の2点を満たされているときでした。私が後輩を指導する時も、最近はできる限りこの2点を意識して発言するようにしています。

     著者は大手外資系コンサルティング業界出身の方であり、述べられている内容もおおよそ出典のある情報を元に組み立てたものばかりなので、説得力もあるのかなと思います。
     もちろん、今までの大学での研究生活や普段の仕事で既にPDCAを毎日回してます、即断即決即実行ですと言う人からすると、得られる考え方は少ないかもしれません。ただ、私を含めた頭の回転が少し遅い方にとって、頭の回転速度を少しでも早める方法として読む価値はあるかと思います。

  • 「仮説思考」の逆の「網羅思考」、ついついやりがちです。
    これをやろうとすると、しんどいし、結局できないことが多いので、これからは仮説思考を意識していこうと、この本を読んで思いました。

    早速、練習で初対面の人に会う前に、どんな人だろうか仮説思考をしてみました。今回は当たりました(笑)

    社内読書会でも取り上げて、平易な文章で書かれているので、分かりやすかったです。

  • 概念としては全てのコンサルタントが押さえておくべき必須のスキル。コンサルタントになって、初めて仮説思考の重要性を肌で感じた。コンサルタントの力量の差も、いかに過去の経験等から筋の良い仮説を生めるか、これに尽きる。

著者プロフィール

早稲田大学名誉教授。東京大学工学部卒業後、日本航空入社。在職中に慶應義塾大学大学院経営管理研究科修了(MBA)。その後、ボストン・コンサルティング・グループ(BCG)入社。同社のパートナー、シニア・ヴァイス・プレジデントを経て、2000 年から2004年までBCG日本代表を務める。
この間ハイテク、情報通信サービス、自動車業界を中心にマーケティング戦略、新規事業戦略、グローバル戦略の策定、実行支援を数多く経験。2006年度には「世界の有力コンサルタント、トップ25人」に選出。
2006年、早稲田大学教授に就任。早稲田大学ビジネススクールでは競争戦略やリーダーシップを教えるかたわら、エグゼクティブプログラムに力を入れる。早稲田会議創設。早稲田大学ビジネススクールと日本経済新聞のコラボレーション企画『MBAエッセンシャルズ』創設。
著書に『仮説思考』『論点思考』『右脳思考』『イノベーションの競争戦略』(以上、東洋経済新報社)、『異業種競争戦略』『ゲームチェンジャーの競争戦略』『リーダーの戦い方』(日本経済新聞出版)、『意思決定入門』(日経BP)など多数。

「2023年 『アウトプット思考』 で使われていた紹介文から引用しています。」

内田和成の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×