男の首 メグレ [Kindle]

  • グーテンベルク21
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感想・レビュー・書評

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  • 警察の階級はよくわからないけど、警部って本来捜査本部に陣取って、部下が集めて来た情報を元に指令を出すんじゃないのかな?

    メグレ警部は自ら容疑者の近辺をうろつき、しかも単独行動を取っている。誰しもスマホを携帯している現代とは異なり、通信手段が手紙と電話しかなかった時代にそういった行動は周囲は大変だったんじゃないかと案ずる。しかも刑事さん達の働かせ方はブラック企業なみ(笑)

    メグレ警部の小説はこれで2冊目ですが、普通の警察小説とは何処か違っている。どこがどう違うのか私にもイマイチわからない。一つ言えるのは、悲壮感が漂っている。メグレ自身も警察の人達も被害者も犯人も。

    この作品を通して「犯罪を犯す人間」のパターンを再確認した。それは裕福とか貧乏とか言う事でもなく、頭がいいとか悪いとかでもなく、犯罪を犯す人間は周りの評価がどうであろうと、自惚れが強く自分本意。現代にも通じる概念がこの時代から変わっていないって事なんだ。つまり時代が変わっても人間の本質は変わらない…って事かな。

  • 電話をいちいち交換手に繋げてもらわないといけないとか、その辺り非常時に面倒くさく、そんなにしょっちゅう電話受けたりかけたりしていたら、尾行してても周囲が怪しむよな。
    でもその辺りは目をつぶることにして。
    本作品も「身を焼き滅ぼすほどの自尊心」を持つ男が登場するが
    この男に対する作者の観察は非常に詳細で
    文学のようであった。
    物語としては面白かったし、心理分析と観察は文学並みだが、いかんせんまだメグレ自身に魅力が感じられなかった。
    多分やたらに電話かけてたのが、鬱陶しかったからだろう。

  • 複雑なトリックも意外な犯人も出てこないミステリーだが、1930年代パリの情景が映画のシーンのように頭に浮かぶ傑作古典。特にホテルのバーの情景と客達の人間描写が素晴らしい。

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著者プロフィール

1903年、ベルギー、リエージュ生まれ。中学中退後、転職を繰り返し、『リエージュ新聞』の記者となる。1921年に処女作“Au Pont des Arches” を発表。パリへ移住後、幾つものペンネームを使い分けながら数多くの小説を執筆。メグレ警視シリーズは絶大な人気を
誇り、長編だけでも70作以上書かれている。66年、アメリカ探偵作家クラブ巨匠賞を受賞。1989年死去。

「2024年 『ロニョン刑事とネズミ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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