一九八四年 [Kindle]

  • グーテンベルク21
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感想・レビュー・書評

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  • ディストピア小説の金字塔である1984。
    個人的にはコンパクトかつユーモアが添加された動物農場のほうが好みだが、
    拷問シークエンスにおける形而上学的煩悶は訴えかけるものがある。
    こんなの小説の中だけの話だよ、といいきれないところがなんともぞっとさせる。

  • 歴史が都合よく書き換えられてしまうことがとても恐ろしかった。けれど現実にも起きていることなのだ。止められるうちに止めなければ、正常化するのに遥かな犠牲と時間がかかってしまうということを、この物語の中で感じた。
    徹底的に管理と監視される生活は、正気でいると狂ってしまいそうだ。
    何より恐ろしいのは子どもたちが事実を知る機会もなく教育を受けていること。育ってきた環境が判断基準に影響して、二度と異端者は現れないんじゃないかと思った。
    拷問シーンは読むのもつらいが、ついにジュリアを裏切るところは特に物悲しかった。すべてを売り渡してしまった瞬間、何を思っただろうか。
    でもそれより激しい衝撃があったのはラストの凄まじい勢いだった。1人の男の書き換えられた人生がずっしりとのしかかってきた。

  • 拷問のシーンが壮絶。描写がキツイのではない。魂の叫びと、それを叩き潰そうと理屈を振りかざす側の、爆ぜ燃え盛るようなやりとりのために全ての描写が存在しているのではと感じた。だのに、結末はアレ。なるほど、歴史に残る名作だと思った。

  • 怖い本です。全体主義の恐怖。過去に予言したことが今起こっている。

  • 頑張って読み進めたけど2割ほどでギブアップ。読み続けるモチベーションゲージがゼロになりました(笑)
    難しくはないけど、面白くない。ただただ暗い。
    さらに現代においては現実世界の方がよっぽどこの世界を地でいってるし、エグイので、わざわざ文学作品にこんな世界観を求めなくてもいいかなと。

  • 全体主義の世の中を写したもの。
    権力への批判であったり、コントロールされる人、そしてその手段ということを考えさせられた。
    私がその中で一番考えさせられたのが、言語を奪われていくということだった。言語がどんどん簡略化されていくこと、そして規制させていくことによって、民衆の思考ができなくなっていく。でも、それは現代でも簡略化していく中で私たちも思考がどんどんと簡略化していってしまわないかということは、思ってしまった。
    考えないこと、そして権力構造を考えないことによって、いかに権力を保持するものがより優位な状態になるのだろう。。
    小説だったけれども、小説とは思えないほど、思想が溢れているものだった。

  • ディストピア金字塔。
    あの本、は正直読み解くのがきついところがあったが、後半のたたみかけは目を見張るものがあった。

  • 監視社会の怖さを書いたフィクション。怖いのはいつも党(支配者)に見られているということだけではなく、言葉を減らすことで思想を減らすという考え方もです。わざわざ文末にニュースピークスの説明まで書かれています。たしかに言葉を減らして、必要な単語と変化のルールだけを決めれば覚えやすく便利にも見えますが、表現の幅というのは減ってしまいます。今まではアナログ的に段階的な表現が出来ていたのが、1か0のようにデジタル的な表現しかできなくなるような。日本人が小さいころから頑張って子供に英語を覚えさせようとするのもまた、表現の幅を減らすことにならないかを心配してしまいます。
    たまたまTEDを見ていたら、少しだけ本作品に言及しているものがありました。話者は元某独裁国家の方で、本作品はあくまでもフィクションと思っていたのですが、同じような世界はすでに存在しているのかもしれません。

  • 拷問と洗脳で人格を変えるってのは、「沈黙」と同じ構成だ。
    ウィンストンの心が切り替わったところが、こちらの世界の理屈では納得できないけれど、同じ状況にあれば私もやはり党を愛するようになる確信はある。

  • SFの金字塔を読めてよかった。

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著者プロフィール

1903-50 インド・ベンガル生まれ。インド高等文官である父は、アヘンの栽培と販売に従事していた。1歳のときにイギリスに帰国。18歳で今度はビルマに渡る。37年、スペイン内戦に義勇兵として参加。その体験を基に『カタロニア讃歌』を記す。45年『動物農場』を発表。その後、全体主義的ディストピアの世界を描いた『1984年』の執筆に取り掛かる。50年、ロンドンにて死去。

「2018年 『アニマル・ファーム』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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