幕末入門 (中公文庫) [Kindle]

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  • 中央公論新社
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  • 【作品紹介】
    尊王・佐幕、攘夷・開国、攻守所を変え、二転三転する複雑怪奇な動乱の時代。混迷をきわめた幕末の政情をわかりやすく読み解いた恰好の入門書。間口は広く敷居は低く、しかし、幕末諸藩、新選組さらに孝明天皇毒殺説まで、奥深い歴史の醍醐味が堪能できる一冊。

  • 江戸から明治への変遷が分かりやすく語られていたが、何箇所かテロを引き合いに出す部分がちょっと気になった。そう例えると分かりやすいのかもしれないが…

  • 幕府・朝廷との関係を軸に、
    尊皇佐幕派の会津藩、
    攘夷佐幕派の新撰組、
    尊王攘夷派の長州藩、
    尊王攘夷派の薩摩藩、
    尊皇攘夷と佐幕派が対立する土佐藩、
    それぞれの立場と取った行動、その行く末を、時には関ヶ原以降の徳川家との関係を踏まえて説明されている。
    歴史上の出来事について、今の自分達が論じることはいくらでもできるけど、彼らの取った行動は、全て、彼らが真剣に選択した結果だったのだということに気づかされた。

  • 幕末はとにかく、歴史に興味を持つには面白いが、わかりにくい。10年間で激動のように動いたからである。

    本書は主役になった、会津藩、新撰組、長州藩、薩摩藩、土佐藩について、それぞれのなりたちから、幕末における動き、立場を書いている。

    尊皇攘夷、佐幕という言葉の意味についてもわかりきった言葉のようだが、その意味をあらためて解説してあり、わかりやすかった。

    Kindle版電子書籍での読書であったが、脚注へのジャンプが一方通行であったこと、図や写真(特に家系図)が拡大できるとはいえ元の大きさが小さすぎてテンポ良く読めなかったので減点対象としました。内容だけであれば評価はもう一段上かもしれません。

  • -

  • なかなかわかり易かった。    歴史は切り口によって、様々な解釈ができてしまうため、今現在を表現するのは難しいと感じた。後になって、バタフライ・エフェクトを繋ぎ合わせて、解釈するしかないのだろう。

  • 各章ごとに違った立場から幕末の歴史を語る、という内容で、一章あたりが手頃な長さなので読みやすい。薩長など、一方からだけの歴史観ではなく、その他の藩からの視点で語られるあたりも、幕末という複雑な世相をよりよく理解する一助になっている気がする。語り口はカジュアルで言葉も平易なので理解はしやすいです。

  • 分かりやすい入門で、面白かった。
    家茂の死因を今まで知らなかったのだけど、虫歯……。

  • 幕末動乱期は、興味はあったものの、これまではあまり首を突っ込まずに過ごしてきた。坂本竜馬や新撰組など、時代小説を読む上でも知っておきたい基礎知識がまとめられている。幕末のわかりにくさは、さまざまな藩がくっついたり離れたり、ときに佐幕に傾き、ときに尊王攘夷に傾く複雑さにある。
    会津藩、新撰組(本書では新選組と表記)、長州藩、薩摩藩、土佐藩。それぞれの立場が幕末という時代でいかに変化していったかを描く。視点を変えることで幕末史観が立体的になる。

  • 語りかけてくるような文章が堅苦しくなく、リラックスして読めました。会津・薩摩・長州・土佐、これらの藩が藩祖からダイジェストで解説されていますが、このおかげで幕末期に採ったそれぞれの思想や路線の根底が見えてくるのでとても良いです。初心者向けを謳っておいて姉小路公知暗殺事件や孝明天皇毒殺説などに踏み込むのはちょっとマニアックかな。とは思いますが、世間一般の持つイメージを大きく壊す事なく、かといって固定観念を押し付けない姿勢に「入門」の看板に偽りなしと感じ、幕末に興味を持つ動機付けには向いた本だと言えます。

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著者プロフィール

中村彰彦

1949年、栃木県栃木市生まれ。東北大学文学部卒業後、文藝春秋に勤務。87年に『明治新選組』で第10回エンタテインメント小説大賞を受賞。91年より執筆活動に専念し、93年に『五左衛門坂の敵討』で第1回中山義秀文学賞、94年に『二つの山河』で第111回直木賞、2005年に『落花は枝に還らずとも』で第24回新田次郎文学賞を受賞。また2015年には第4回歴史時代作家クラブ賞実績功労賞を受賞。小説に『鬼官兵衛烈風録』『名君の碑』『戦国はるかなれど』『疾風に折れぬ花あり』、評伝・歴史エッセイに『保科正之』『なぜ会津は希代の雄藩になったか』など多数。

「2020年 『その日なぜ信長は本能寺に泊まっていたのか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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