ペンギン・ハイウェイ (角川文庫) [Kindle]

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  • KADOKAWA / 角川書店
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感想・レビュー・書評

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  • 久しぶりに森見登美彦さんの小説を読みました。

    主人公の「ぼく」こと「アオヤマ君」は、毎日様々な事をノートに取るし、沢山本も読んで勉強もしている、どこか大人びた考え方をする小学4年生。ある日、アオヤマ君の住んでいる郊外の街に突然たくさんのペンギンが現れた。この事件を発端に様々な謎が浮上するのだけど、どうやら歯科医院のお姉さんと関係しているらしい。アオヤマ君はこの謎を研究していくが。。。という内容。

    森見さんの小説は何冊か読みましたが、いずれもどこか不思議な雰囲気があって、作品世界の根底が「森見登美彦の世界」という土台にしっかりと根付いている感じがします。この作品は「ぼく」という少年の目線で書かれているので、一見するとどこか児童文学のようですが、それでもしっかり森見さんの作品の空気が流れているのを感じました。

    多くの少年小説のように、この小説でもアオヤマ君は一夏の冒険を通して成長していくし、大人の女性に対するほのかな憧れや恋心といった描写もあって微笑ましいのですが、時間や空間・生と死・問題解決のための思考方法と言った、大人でも「ふむ」と考えさせられるような事柄が登場人物の間でやりとりされ、そういった点がこの小説をより骨太にしています。少年と大人の間をゆらゆらと彷徨っている感じにも好感を持ちました。

    後半、いくつもの謎や不思議な出来事が一つの大きな現象となって、その解決へと向かうのですが、全部の謎が解明しないのはちょっと残念な気も。けれども、謎がまだ残っている事で、アオヤマ君とお姉さんがどこかでまだ繋がっているかも知れないという、切ないエピローグの中でのある意味希望なのでしょうね。

    最後に、私はKindle版で「ペンギン・ハイウェイ」を読んだのですが、残念ながらKindle版には解説がついていませんでした。文庫版も買っていたので改めて解説を見てみたのですが、なんと萩尾望都さんの解説が!。電子書籍化するのに当たって著作権etcあるのかも知れませんが、電子書籍にもやっぱり解説をつけて欲しいです。

  • 萩尾望都先生の帯の文、"最後のページを読んだとき、アオヤマ君とこの本を抱きしめたくなる" まさにこれ。理屈っぽい言動でしゃちほこばっているのに、どこか抜けていてコミカルな小学四年生のアオヤマ君が愛おしい。「鼻がつんとなって胸がきゅぅっとする」感覚を思い出しました。

    森見作品恒例のモチーフ、京都もヘタレ男子大学生も乙女も出てこないけれど、これはまさしく森見センセの本でした。

    ほのぼのグラフィックでアニメ化してくれないかなぁ。

  • □問題を分けて小さくする
    □問題を視る角度を変える
    □似ている問題を探す

  • あ、有頂天家族と同じ著者だったということを、著者紹介を読むまで気付かなかった。このテンポの話はいいな。

  • 生意気な小学生を書くのがホントにうまい。
    クラスに1人はいそう。実際はいないけど。
    ノスタルジック。
    なんとなく懐かしい気分になる。
    非現実と思い出がうまくリンクしてて違和感を感じない。いいわー。

  • 登場人物があたたかく魅力的。希望がもらえる。

  • だいぶ前に読んだ本。映画化やらアニメ化やらで,最近話題の多い森見登美彦氏の作品で,偶然,初めて読んだもの。京都ものもいいけど,この本がなんとも言えず好き。

  • 主人公のアオヤマくんは小学生。
    研究や探検が好きで賢くて子供らしくないけど、とにかくおっぱいが好きな可愛い子供!笑
    お友達のウチダくんやハマモトさんも凄くいいキャラクター。
    森見さんの文章が心地よく、ふわふわした不思議なお話。

  • 読みはじめて最初のうちは
    「あれ?いつもの森見登美彦の感じじゃないな」
    と僕は思ったものである。
    ただしいつものといってもこれで4冊目なのでたいして読んでいないのだが。
    しかし読んでしばらく経つといつもの森見登美彦だったので僕は不思議に思うものである。
    結構グイグイ引き込まれ謎が謎を呼び、どこで区切りをつけたら良いのかわからないくらい面白かったのだが、結局のところ何も解決せずに終わってしまった。
    森見登美彦らしいといえばらしいと、僕は納得するものである。
    映画化してもいいかもしれない。

  • 小学4年生の主人公アオヤマ君は研究が大好きな子。
    自分の研究ノートを持って、何でも書き込んでいく。
    考え方が卓越しているというか、我慢強いというか。

    自分が子供の頃、こんな風に熱心に何かをやっただろうか。
    毎日どんな風に過ごしていただろうか。
    友達とクラスメートとどのように関わっていただろうか。
    などと比べてしまうと、とてもこのアオヤマ君がうらやましくなる。

    ペンギンから始まり、町に異変が起こり、それを研究していくうちにある結論に辿り着くのですが。

    最後ちょっと切なくなる。
    そんなお話です。

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プロフィール

森見登美彦(もりみ・とみひこ)。1979年奈良県生まれ。京都大学農学部卒、同大学院農学研究科修士課程修了。
2003年、『太陽の塔』で日本ファンタジーノベル大賞を受賞しデビュー。
2006年に『夜は短し歩けよ乙女』で本屋大賞2位、山本周五郎賞などを受賞し注目を集める。
2010年には『四畳半神話大系』がTVアニメ化された。
『きつねのはなし』『新釈 走れメロス 他四篇』など、京都を舞台にした作品が多い。

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