ナ・バ・テア None But Air スカイ・クロラ (C★NOVELS BIBLIOTHEQUE) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • 3回目の読了です。

    スカイ・クロラシリーズの2作目。
    でも、時系列では一番最初です。
    前作、「スカイ・クロラ」より…10年くらい前?

    スカイ・クロラでカンナミの上司だったクサナギが主人公です。
    クサナギスイト(草薙水素)。女性なんだけど、彼女の一人称は「僕」。
    彼女もカンナミと同じく、戦闘機のパイロット。
    女性のパイロットはあまり登場しないので、珍しいんでしょうね。

    永遠の時を生きるキルドレである彼女は、これまで自分と空しか見えないような生き方をしてきました。Not But Airですね。
    でも、そこに変化が。
    自分以外のヒトに執着してしまうような、そんな感情が生まれました。
    そしてその結果は、クサナギの身体も人生も変えてしまいました。

    クサナギのこんな言葉が出てきます。


    どうして、普通のものを決めるのだろう。普通を決めるから、普通じゃないものができてしまう。理不尽な話ではないか。何をもって普通なのか。意味はないのに。そういう確固とした理由もないところで境界を無理に作ろうとする姿勢が、普通という馬鹿なやつの正体だ。

    ホント、「普通」ってなんでしょうね。
    普通であることに安心したがること自体、クサナギたちからしてみれば「汚れたオトナ」ってことになるのでしょうか。

    ただ飛ぶことが好きで、戦う相手を尊敬していて、自分たちの命を懸けた空での戦いを汚されることが大嫌いなクサナギ。
    でも、クサナギが所属するカイシャは彼女を広告塔にしたがっているようです。
    「スカイ・クロラ」では、出世してしまって、ほとんど飛ぶこともない様子でした。

    かたくななまでに自分の世界を守ろうとするクサナギが、これからどんな風に変わって行くのでしょう。楽しみです(数年ぶりに読み返したので、細かなところは忘れちゃってます)。

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著者プロフィール

工学博士。1996年『すべてがFになる』で第1回メフィスト賞を受賞しデビュー。怜悧で知的な作風で人気を博する。「S&Mシリーズ」「Vシリーズ」(ともに講談社文庫)などのミステリィのほか「Wシリーズ」(講談社タイガ)や『スカイ・クロラ』(中公文庫)などのSF作品、エッセィ、新書も多数刊行。

「2023年 『馬鹿と嘘の弓 Fool Lie Bow』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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