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感想・レビュー・書評
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うーーーん、これは期待外れだったなぁ。
いつもの不気味さや怖さが全く感じられず。
言耶の推測ばっかりで、talk,talk,talk,talk.....
はぁ~~、いつまで喋るんだよー。って感じで、話の展開はそんなになく、つまらなかったです。
それでも星3つとつけたのは、
鳥人の儀っていう題材が面白かったからかな。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
朱音の巫女の消失トリック。
ひょっとしてこうやったのかな、しかし、確実性に欠けるし、時間的にも難しいだろうし、まさか、作者がこんなトリックを使わないだろうなあと思っていたとおりのトリックだった。
相変わらず、作品世界の重厚な作り込み、構成力はお見事としか言いようがない。 -
三津田さんのこのシリーズ。
戦後まもなく(昭和30年代)の日本各地を渡り歩き、民俗採訪(というよりも怪異譚蒐集)に明け暮れる放浪の怪奇幻想作家、刀城言耶(とうじょうげんや)。
比較的若く(20代後半)、生活に困っておらず(実家がまあまあの名家、父親が高名な私立探偵)、ジーンズをはいている他は、イメージ的には金田一耕助じゃないかと思います。
さて、この『凶鳥』。文庫になった順番でいうと五冊目なんですよね。
シリーズ前作は古いほうから、『厭魅(まじもの)の如き憑くもの』、『首無(くびなし)の如き祟るもの』、『山魔(やまんま)の如き嗤うもの』、『密室(ひめむろ)の如き籠るもの』と続く。本作品よりも新しいのが『水魑(みづち)の如き沈むもの』で、あとはまだ文庫化されてない。
でもこの『凶鳥』、刀城言耶シリーズの長編としては、実際には『厭魅』のすぐ後に書かれているんだそうです。シリーズ2作目、ってことですね。ややこしい。なんで古い順に文庫化してくれないのか・・・(笑)。
この作品の特徴>>
刀城言耶シリーズ作品はいずれも、タイトルどおり、おどろおどろしい伝奇ホラーテイストたっぷり。
秘境の村に昔から伝わる恐ろしい化け物だとか、決して足を踏み入れてはいけない忌み山だとか。奇怪な因習や、謎めいた言い伝え。
つまり、コワイ。横溝正史の世界的なこわさですね。
・・・ですが、『凶鳥』はシリーズ中では最もあっさりしてる、と思いました。
それが第一印象。
おそらくそれは、作品中の被害者たちが謎の消失を遂げるからであろうと思います。影も形もなく、忽然といなくなってしまう。要するに、凄惨な死体の描写などが少ない。それがあるかないかで、「おどろおどろ度」はずいぶん違います。
そして第二印象が、「え、本当にこれでおわり?」・・・っていう、微妙な消化不良感。
密室で人間が次々と消えていった理由は、むろん最終的には説明されるわけですが、それらはすべて刀城言耶の推理。明晰な論理による推理なんだけど、でもなあ。死体がない以上、それは絶対に証明されることがない。犯人(と目される人物)も消えてしまった後のことなので、自白も望めない。警察が捜査を始めて、主人公の推理が正しいことを裏づける客観的な物証を見つける・・・でもない。
それ以上ホント、どうしようもないのですね。
ここが、非常に気になりました。
「証明は以上。ほかに脱出方法はない。だからこれが正しいのだ」
という小説の流れに、納得が行くかどうか。そこが、本作品を評価するかしないかに繋がると思います。
あらすじ>>
瀬戸内海に浮かぶ鳥坏島(とりつきじま)。そこには、兜離の浦(とりのうら)=その周辺の漁場一帯の地名=の民の信仰を集める鵺敷(ぬえじき)神社の拝殿が設けられていた。
その拝殿の中の「大鳥様の間」に立つのは、巫女である朱音。彼女は、鵺敷神社に伝わる特別な神事、「鳥人の儀」を18年ぶりに執り行うことにしていた。
刀城言耶は伝手を頼りに特別に許可を取りつけ、その秘儀に立ち会うことになった。兜離の浦の青年団の代表者など、他に立会人は6名。
言耶は秘儀自体への興味もさりながら、別の目的があった。それは、18年前の「鳥人の儀」で起きた、不可解な人間消失事件の謎を解き明かすことだった。
荒天の中、日没とともに始まった「鳥人の儀」。
そこで言耶ら一行は、想像を絶する奇怪な体験をすることになる―――。
さらに感想>>
「この世界はどこか物足りない」とね、まず思ってしまいました。
面白い話だし、本格ミステリとしての要件も揃っている。最後にはあっと驚かされた箇所もある。でも、なんだろう?
『厭魅』や『首無』は、これでもか!という謎と、伝説と、怪奇現象のてんこ盛り状態。いい加減お腹いっぱいだったのに(笑)、それでも一気に最後まで読ませる勢いがあった。
「こんなコテコテの妖しげな世界がどこにあるんだよ!」
と思いながらも、丁寧に描写された濃厚な世界に引き込まれ、その中で恐怖もカタルシスも味わえた。
だけど『凶鳥』には、そこまでのパワーが感じられない。
文章中の細かいミス(編集者が手を入れて直すべき表現のダブり、もたつき、タイポなど)が目について冷めた気持ちになる・・・なんてのも、これまでは体験したことがなかった。
ミステリなんて、いったん話に夢中になってしまえば、続きを知るのが最優先。多少のムチャ展開も誤植も、類型的な人物描写も、まあ許せちゃうものなのにね・・・?
それが今回なかった。
途中、思いがけない?冒険譚があります。あるんだけど、そこにもイマイチ盛り上がれなかった。言耶の発見が、どこか取ってつけたみたいで。
どうしてこんな風に感じるのか。
『厭魅』や『首無』クラスの小説に慣れて、さらに大きな驚きを求めてしまったから?
それとも本当に、この作品はイマイチどまりなのか。
そのあたり自分でも判断がつきません。 -
刀城言耶シリーズ 2作目
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