デルス・ウザーラ (完全期間限定生産) [DVD]

監督 : 黒澤明 
出演 : ユーリー・サローミン  マキシム・ムンズク 
  • オデッサ・エンタテインメント
4.03
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本棚登録 : 58
レビュー : 14
  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4982509320840

感想・レビュー・書評

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  • 世界の黒澤明が、アカデミー賞外国語作品賞を獲得したヒューマンドラマ。文明人と森に住む狩人との交流を描いた秀逸な作品でした。

  • のどかな森に始まり吹雪の雪山、強風吹きすさぶ平野、暑い密林、山中の川、かと思うとロシア建築のきれいな家の中、と舞台が色々変わることもあり、退屈に感じるようなところはなかった。強風の平野で夜を越す蔵をつくるために、藁みたいな草を延々と狩り続ける数分のシーンとか、川の急流からデルスを救うために木を切ったり紐を作ったりするシーンとか、ドキュメントっぽく見えるところもあり、とてもおもしろかった。

    観終わって思ったのは、これはのちの『乱』や『まあだだよ』でもそう見えたのと同様、監督自身の身の上や心境を反映した作品だったのではないかなと。
    デルスの台詞にこんなのがあった。
    「わしの銃は撃てば必ず当たった。でももう当たらない。
     猟ができずにどうやって森で生きていけばいい?」
    黒澤明にとってこの作品が『どですかでん』の興行的失敗の後の作品であることや、その前後にも幾つかの企画が軌道に乗らなかったことなどを考えると、この台詞には切実なものがあるように思えてならない。
    アルセーニエフの宅の暖炉の前で、じっとしているデルスの丸まった寂しそうな背中がそのままジーっと映されただけの数秒の沈黙のシーンにも、なんとも言えない監督の思いが窺えたような。そしてその延長でラストシーンのことを考えると、あの最後は監督の自戒なのか、理想なのか、などと考えてしまう。
    アルセーニエフとデルスの関係を、三船敏郎と監督に置き換えてみるとまた様々に興味深い。最後に渡した「最新式の銃」はなんなのか。デルスはなぜそれを使わなかったか。

    本来、アルセーニエフの役を三船、デルスを志村喬、とするつもりでいたという。黒澤復活を謳うならそれがベストキャストだったろう。構想通りの日本版が観てみたかったな。これはこれで良かったけれど。

著者プロフィール

(くろさわ あきら 1910−1998年)
日本を代表する映画監督。1943年『姿三四郎』で監督デビュー。生涯30本におよぶ名作を監督した。『七人の侍』(1954年ヴェネツィア国際映画祭銀獅子賞)など海外の映画祭での受賞が多く、映画監督として初めて文化勲章、国民栄誉賞を受賞し、1990年には米アカデミー名誉賞が贈られた。

「2012年 『黒澤明脚本集『七人の侍』』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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