かぞくのくに [DVD]

監督 : ヤン・ヨンヒ 
出演 : 安藤サクラ  井浦新  ヤン・イクチュン 
  • 角川書店 (2013年3月22日発売)
3.82
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レビュー : 64
  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4988111243584

感想・レビュー・書評

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  • 1959年から20数年間にわたり、約9万人が北朝鮮へ
    移住したという…「帰国者」といわれる人たち…
    本作は、25年ぶりに治療のため日本にいる家族のもとへ
    戻った男の数日を描く…そして、当然で理不尽な帰国指令…

    北朝鮮の国家としての異様さ、いびつさを感じさせる…
    しかし、この映画は、そうしたことを伝えようとしたのでは、
    ないように思った…日本に暮らすボクが、どれほど、何を、
    自覚しながら生きているのか…と突きつけられたのだ…

    ―あの国では考えずにただ従うだけだ。
     考えると、頭おかしくなるんだよ。
     考えるとしたら、どう生きぬいてゆくか…それだけだ。
     あとは、思考停止…楽だぞ…思考停止…
     俺は、こう生きるしかないんだよ。いいんだ、それで…
     でも、お前には考えて欲しい…たくさん考えろ。
     どう生きるか考えて、納得しながら生きろ。
     お前の人生だぞ。 お前の人生だろ? な!
     誰の人生でもない、お前の人生なんだ。
     お前の好きなところ行ってさ…毎日感動してさ…
     わがままに生きればいいんだよ…

    この国にあって、ボクはどれほど考えてただろう…
    中途半端に懊悩とする日々のなかで、
    思考停止している自分が多いことに思い及んだ…
    ボクは…今、納得してるんだろうか!?

    好きなところへ行っているだろうか!? 
    毎日感動してるだろうか!? わがままに生きられる国にあって、
    わがままに生きていないことこそ、「くさった資本主義」と
    呼ばれる様だと、自らを省みた。

  • 自分の生き方を選べる人間と、そうでない人間は、いったい何が違うのだろう。それを決める権利を振りかざす人間はいったい何故存在するんだろう。その不条理さに振り回され、受け入れがたいけれど諦めざるを得ない現実を背負って生きる家族の姿が痛ましかった。

    無駄のないシンプルな構成で100分をあっという間に感じたけれど、悲しい余韻は終ったあともなかなか消えてくれない作品だった。

  • 観終わって、

    自分は思考停止せずに自分の頭で考えているだろうか?
    自分は本当に生きたいように生きてるだろうか?

    と自問自答せずにはいられませんでした。

    オッパが妹リエに語った言葉が、自分の胸にも刺さって痛かったです。

    この作品は、私たち日本人こそ観るべき作品じゃないかなと思いました。
    自由に生きられない国に生まれた人の人生を知って、自由に生きられる国に生まれた自分の人生を見つめ直すきっかけになる作品じゃないでしょうか。

    安藤サクラさんって、すごく印象に残る演技をする女優さんですね。
    全然美人じゃないのに、ときどきドキッとするほど綺麗に見える時があります。

    (2012年 日本)

  • 何も言葉がありません。

    ノンフィクションではありませんが、フィクションではないでしょう。

    監督の思いと何かの思し召しによってこの世に送り出されたこの映画。
    この映画が目に留まったなら是非ご覧ください。
    これはそういう映画です。

    ヤン同士が言った言葉。
    「あなたが嫌いなあの国で俺とお兄さんは生きているんです。」
    「死ぬまで生きるんです」

    お兄さんが妹に言った言葉。
    「あの国ではな、考えずにただ従うんだ」
    「考えるとなあたまがおかしくなるんだ」
    「考えるとしたら、どう生き抜くか、ただそれだけだ」
    「あとは思考停止させる」
    「楽だぞ思考停止(笑)」

    あの国で生きていくための方法。
    絶句。


    「あの国」を「会社」と置き換えれば私が毎日つぶやいてる言葉そのもの。
    あぁ、家族を守るために私がしていることはこういうことでもあったのか。と思ったり。
    つまらない余談でした。

  • ★3.5
    あの国の思想を認めている家族であっても、再会するまでに25年もの月日がかかり、その場に監視がついてくることが衝撃。そして、物事を決める権利は個人にはなく、例え要求されることが理不尽極まりないものであっても、反対することはおろか疑問を口にすることさえ許されないなんて、あまりに横暴すぎる。そんなやり切れなさを、リエの怒りの動とソンホの諦観の静で対照的に描く。特に印象に残ったのは、ソンホの「考えなくていいのは楽」との言葉。その境地に辿り着くまでに、どれほどの葛藤と絶望があったのか、想像するだけで何とも言えない気持ちになる。また、少なからず「なぜ自分だけ?」という気持ちがあっただろうに、妹リエに自由を説く姿が本当に切なかった。そんな中、国側の人間であるソンホの監視役ヤン同士も、公には出来なくても国に対して思うところを腹に持っているのが唯一の救い。

  • B。素の(とはいっても取材中だったので井浦新演じ中だったのかもしれないけど)井浦さんを至近距離で見たことがあるのだが、この映画の中のオッパとは全くの別人。俳優だから当たり前なのかもしれないけどそれにまずおどろいた。
    存在感から違う。
    日曜美術館を卒業されて残念だけれど、いろいろな新さんを見られるのかな。

  • 井浦新=ソンホ 安藤サクラ=リエ 地上の楽園 腐った資本主義も悪くないぞ 工作員 スパイ オッパ=兄さん アボジ=父ちゃん オンマ=母ちゃん 白いブランコ 京野ことみ 医者と結婚 玉の輿 同窓会 北千住 平壌の病院 ソウルには行けない 日本語学校の先生 キャリーケース 日本のビールは美味い 自分の子供のように可愛い 脳に腫瘍 非公式の来日であることをお忘れなく 三カ月の期限付きの滞在 よく喋るオカマ マイノリティ 右翼 ヤン・イクチュン コーヒーに砂糖入れすぎ 1997年16+25=41歳 新潟港の赤十字センター 息子にサッカーボールをお土産で買う 豚の貯金箱 3人の子供 急遽全員帰国 何も聞かなかった事にする 命令は絶対 考えて生きるんだと妹に諭す兄 蔦が繁茂する喫茶店 同志 腕は確かだって ずっと笑っていてほしい 私は許さないから

  • ★★★liked it
    『かぞくのくに』 ヤン・ヨンヒ監督

    物語の背景
    1959年から84年まで、在日朝鮮人とその家族が日本から北朝鮮へ集団で移住した帰国事業、9万人以上が新潟から船で渡り。移住者は、国交のない日本への再入国がほとんど許されていない現状

    6歳の時に家族と別れて北朝鮮に渡り、脳腫瘍の治療のため25年ぶりに日本に戻ってきたソンホ(井浦新)
    ソンホを迎える両親や叔父、妹リエ(安藤サクラ)、友人、同行する北朝鮮の監視役のヤン(ヤン・イクチュン)

    ヤン・ヨンヒinterview
    「北朝鮮、帰国事業、在日、朝鮮総連。重い政治的な言葉が多いですけど、全くそんなこと分かんなくても、何か腹たったとか、リエに共感してくやしかったとか、映画だからそれでいいと思うんですよ。そりゃ分かるにこしたことはないけど、理解しなきゃいけないとは思わないです。私たちもいろんな国の映画を観て、歴史なんか知らなくても笑ったり泣いたりしてますからね。あと、3.11のあと、こんなに私たちの生活が政治に翻弄されるんだって、日本の若い人も痛感してると思うのね。東電のおっさんの決め事がこんなに私の生活を左右するのか、みたいなのあるじゃないですか。政治って政治家が決めることだけじゃないからね。その中でも頑張って、自分らしく生きようとするしなやかさは持ってたい。そんなことも感じてもらえたらな」

    シルバーのスーツケース・・・『おまえ、そーゆの持って、いろんな国いけよ』
    シルバーのスーツケースを引いているリエ・・・伝えたいこと、思いが込められてると思いました。

    北朝鮮に関しては報道もされており、実話がベースでシンプルなストーリーは物足りないようにも感じました。

    でも、この映画を観て泣いたんです
    物語ではなく、俳優の演技そのものに泣きました
    魂が込められた演技っていうか、心にガツンとくるというか、上手く言えません。

    安藤サクラがは走り出した車に、後ろドア開いたまま引きずられるように止めるシーン
    車が走り出すなんて決まってなかったのを、ヤン・イクチュンが「出せ」と言ったそうです。
    あわててカメラが追いついてない。安藤サクラも、アドリブですよ
    単に演技とか、芝居というの超えてませんか?

    おもしろかったという映画ではありませんでしたが、
    ぜひ観てほしい映画でした。

  • 制作年:2011年
    監 督:ヤン・ヨンヒ
    主 演:安藤サクラ、井浦新、ヤン・イクチュン、京野ことみ
    時 間:100分
    音 声:日・韓(一部):ドルビーデジタル5.1ch/ドルビーデジタルステレオ


    1970年代に帰国事業により北朝鮮へと渡った兄。
    日本との国交が樹立されていないため、ずっと別れ別れになっていた兄。
    そんな兄・ソンホが病気治療のために、監視役を同行させての3ヶ月間だけの日本帰国が許された。
    25年ぶりに帰ってきた兄と生まれたときから自由に育ったリエ、兄を送った両親との家族だんらんは、微妙な空気に包まれていた。
    兄のかつての級友たちは、奇跡的な再会を喜んでいた。
    その一方、検査結果はあまり芳しいものではなく、医者から3ヶ月という限られた期間では責任を持って治療することはできないと告げられる。
    なんとか手立てはないかと奔走するリエたち。
    そんな中、本国から兄に、明日帰還するよう電話がかかってくる…。

  • わたしは、北朝鮮が地上の楽園といわれていたことを知らなかったんだ。
    とってもいい映画だったのは、安藤サクラの存在だなと思った。理不尽さ、どうしようもなさ、理解できない、納得できない、意味わかんない、をすべて言葉以外で表現していた。すごい女優さんだなと思った。
    お兄ちゃんが空港へ向かう車のなかで歌っていた姿が切なかった。
    そうそう、ちょっと疑問だったのは、ふだん"思考停止"させて生きているお兄ちゃんは、妹に「たくさん考えて、自由に生きろ」というメッセージを伝えるんだけど、そんなアドバイスができるような思想が彼に残っているのかなってことだった。日本に帰ってきてその感覚を取り戻したとしたらもっともっと混乱するだろうし、完全にその感覚をなくしているんだったら、逆に家族を恨めしく思ってしまうだろうし、妹にそんな冷静にアドバイスできるのかな。16歳だったら、もう人格は日本でできていたってことなんだろうか。むこうで、とっても強い気持ちを持って生きてきたんだろうな。

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著者プロフィール

1964年11月11日大阪府大阪市生まれ。ニューヨークのニュースクール大学大学院修士号取得。6年間ニューヨークに滞在後、初の長編ドキュメンタリー映画「ディア・ピョンヤン」を発表しベルリン国際映画祭ほかで受賞。2012年初の劇映画「かぞくのくに」を発表、ブルーリボン賞作品賞、讀賣文学賞ほか映画賞、文学賞多数受賞。

「2015年 『日本の作家よ、世界に羽ばたけ!』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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