- Amazon.co.jp ・電子書籍 (32ページ)
感想・レビュー・書評
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近年のノマドを礼賛する風潮に「待った」をかける一冊。
ノマドと社畜、どちらか一方を持ち上げるわけではなく、社会背景を鑑みた上で、「働き方」がシビアに語られている。
と言っても、目新しい事が書かれているわけでもなく、
至極当然なことが、とてもストレートに表現されている。
ただ、働き方を考える上で、その「当然」を再確認しなければならないくらいに、何となくの「雰囲気」や見た目の「格好の良さ」で職業を選んでしまう人たちが増えているということなのでしょう。
その他、参考にすべき書籍も数冊、紹介されているので、考えを深めて実践に移す際の入口としても、良い本だと思います。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
谷本真由美『ノマドと社畜』読了。極めてまともな内容で、ノマドに限らず今後の競争を生き抜くには、スキルや実績に加えて、自分を管理しプロとしての責任が取れる心性が要ると。その極致がノマド。尚、電子版先行発売で値段も安くすぐに読める。書籍ビジネスの試みとしてもこういうのが増えるはず。
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著者の@May_RomaさんのTwitterやコラムはよく読ませてもらっているので、個人的にはこの著作(Kindleのみでの発刊)によって新たな知見を得られたことはあまりなかったというのが正直なところ。
が、主張されていることはよく理解できるし、改めて自分自身の生き方について考えさせられるというか危機感を憶えてしまう。
現在が本当に「ノマド・ブーム」なのかどうかはよく判りませんが、世に流布されている「ノマド」と「社畜」を対立概念として捉え、前者にポジティブな、後者にネガティブなイメージと結びつける風潮に著者は一石を投じます。
英国での実例を基に本当の「ノマド」が如何にプロフェッショナリティを要求される厳しい働き方であるか、また「社畜」で居られることが現代のグローバル経済社会において如何に恵まれた甘やかされた立ち位置にあるかが示されます。
いずれにしても問われるのは、所属や肩書から離れて、自分自身が「何を成果物として提供できる」能力があるかを説明できるかどうか。
それができる人は食いっぱぐれることが無く、世界中のどこでも職を得ることができる。
それができない人は居場所が無くなっていく。
この本は基本的にはこれからキャリアを形成していく若い世代に向けた書かれたものだと思いますが、自分のように「社畜」生活を続ける中でいつの間にか中年に差し掛かってしまった人間にとっても、まさに切実さをもって直面している課題であります。
自分はいったい「何ができる」のか、自分の強みが何であるのか、具体的な自分の言葉ですらすらと語ること出来ないことに危機感を感じています。 -
ビジネス
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甘い世界ではないと感じていたが、この本を読んで理解が深まった。
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私のブログです。
http://tatsuya1970.com/?p=819 -
ノマドといってもやはり相応の努力やスキルが必要。それ以上に重要なのが責任感。日本ほど安定した通信インフラがあるのだから利用しないのももったいないと思った。
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東日本大震災以降、従来の価値観を疑い閉塞感漂う社会へ出ていく若者は迷いを持っているだろう。一方で自己啓発的な美辞麗句でノマドを絶賛する人達。逃げ道のように一過性のブームに乗るのは危険。
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kindleにて読了。昨今のノマドブームを「貧困ビジネスのカモになるな」と切り捨て、英国での実体験などを踏まえ、組織への所属の有無を問わず個人が仕事に責任を持ちエッジを立てること、そして英語学習の重要性を熱く語る。
Twitterでは過激なツイートで知られるMay_Roma氏ではあるが、内容は至極全う、英国社会の変遷などとても興味深かった。また、日本の若い世代にとても温かい眼差しをもって期待しているのが良くわかる。やはりメタル好きの人は良い人ですねlml -
日本でノマドというと、パソコンひとつでブログやSNSを駆使して生計を立てている人、というイメージである。しかし著者は、海外では全く異なる職業であると述べている。高度な専門性をもっており、結果のみをシビアに評価されるのがノマドである。そこは厳しい格差社会であり、専門性があって仕事のクオリティの高い人は高給を得られる一方、誰でもできる仕事ですら、英語しか話せず、イヤイヤながら働く若者よりは、数ヶ国語をあやつり熱心に働く移民に移行するのである。
ノマドセミナーも日本と異なり、主に専門家を招いた会計講座などである。
確かに、会社に縛られずに自由に働けるという意味では、ノマド的な働き方は魅力的である。少子高齢化社会で潜在的な労働力を生かすためには、むしろ、そういう働き方が広く認められるようになって欲しいと本書では述べられている。
働き方の多様性が認められるほど、労働者一人一人に高度な専門知識や分野を持つことが求められる。ノマドという、甘い響きの裏にある厳しい現実をしっかり理解した上で独立を考えるべきである。また、会社に属することを選んだとしても、他の人に簡単にとって換わられないように、自己研さんは必要だ。 -
胡散臭い「ノマド」にあこがれる若者をバッサリと一刀両断に切り捨てた快作!
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面白かった。
もう一回読もう。 -
タイトルに興味を持ちました。社畜からノマドへの転身を推奨する本かと思ったのですが、違いました。安易なノマドブームに乗ろうとする風潮に警鐘をうならしています。
「ノマドワーカーになるということは、スキルや専門性の高い人はどんどん稼げるようになり、そうでない人は低賃金で働かざるを得ない、という『激烈な格差社会』を意味するのです(本文より引用)」。
全体を通して、著者の指摘する「ノマド論」は、正論だと思いました。
ただ、わたしとしては、ノマドの反対語として、タイトルにある「社畜」にも触れて欲しかったです。これは明らかにネガティブな言葉ですが、では「社畜」とはどういう状態を意味しているのか?「社畜」にならない働き方をするには、どのような心構え、学習が必要なのか?そのあたりの言及がないのが残念でした。 -
ノマドを目標として能力を付ける生き方が現実的だと感じた。ノマドをスタート地点にするのはあまりに夢物語過ぎる。
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ノマドというかフリーランスで稼げるのは営業も会計も高度な実務も全部一人でできるようなオールマイティさと専門スキルを兼ね備えた人物。平社員の時の倍は稼がないと同じ生活はできない。というようなことが書いてあったが、そんなのは当たり前のことなんじゃないだろうか。
若手のサラリーマンや学生がノマドを目指すということはスキルもコネもない状態で独立しようということなのだろうか。よくそんな無謀なことを思いつくものだと思うし、著者のそんなのは非現実的、ノマドブームは貧困ビジネスのようなものという指摘に納得する。
いつだって上手い話には裏があるということに変わりない。現実が見えている人は読んでも詰まらないだろうが、そんなに簡単にフリーで稼げると思っている人は読んだ方がいいかもしれない。 -
ノマドって野窓?っていうのはずいぶんアイロニカルだと思う。こういう働き方は増えるんだろう。なかなかぞっとする。
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とても厳しい現実を教えてくれる。ノマドとかを抜きにしても、日本人の甘さを教えてくれる一冊。
日本という国は、特殊な日本語という言語のおかけで、他国の人が入ってくるのが難しくなっているため、助かっているのが現状だ。
そんな日本でノマドという言葉だけが先走り、どこでもパソコンやスマートフォンやタブレットを広げ、中身のないノマドごっこをしている日本人。世界基準の社会は、僕らの想像以上に厳しいということを早く認識する必要がある。
ライバルは近くにいる日本人じゃない。目の前にいない、遠くの国の誰か分からない人がライバル。ノマドになるということは、国境がなくなり、自由競争になるということ。その厳しい世界でやっていく覚悟がなければ、ノマドという言葉を使うのはやめたほうがいいということを教えてくれた。
この本を読んで、働くということを今一度考えるきっかけにして欲しい。 -
この本で言われていることは、対価としてお金を貰うには、需要のある付加価値を付けるか比類無い特徴を提示するしかないということ。
これは商品を売るにしても仕事を得るにしても同じ。勿論ノマドにしても社畜にしても同じ。そういう点では本ではノマドを「個人商店」と表現していたけど、仕事を得るということは自分という商品を売ることに他ならない。
ノマドが良い悪いという価値判断は独断的に与えられるものではなく、社会の趨勢と自分の特性を自分で分析して、ノマドになるか社畜になるか自分の責任で選択すれば良い。その上でノマドを選択するのなら応援するしアドバイスしますよ、という展開です。分かりやすく親しみやすい文章で自分の将来に付いてあれこれ考えるきっかけになる啓蒙書です。