「エコノミック・アニマル」は褒め言葉だった―誤解と誤訳の近現代史―(新潮新書) [Kindle]
- 新潮社 (2004年9月20日発売)
- Amazon.co.jp ・電子書籍 (126ページ)
感想・レビュー・書評
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夏目漱石の留学時代についての記述を大変興味深く拝見しました。
著者もイギリス留学を経験されているということで異国の地での孤独と心理状態について詳しく書かれています。
言葉が伝わらないことで相手から幼児のように思われているのでは?と思い悩んだり私も同様の経験があり今になって明治の文豪に深く共感しています。
高校時代の国語の担任が、話してくれたエピソードを思い出しました。
”鴎外はドイツに赴いたら「現地の人の話していることが面白いようにわかる!これは愉快だ!」と大喜び、おまけに日本に追いかけてくるくらいの恋人まで作ったのに対して、漱石は英語が通じず対照的に暗い日々を送ったんだよ”
今、その詳細を知ることができて思いもひとしおです。言葉を知らないと人を知らずとありますが、その事例に富んだ好著だと思いました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
仕事に疲れた時に「へーそうなんだ!」と、コーヒー飲みながら読むのに最適。現実社会のことは忘れて、言葉が生まれた時のことを想像しながら本の世界を楽しめる本。…いみわからないか。知識欲を満たしてくれる本、ということです。
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うさぎ小屋は、フランス語→英語→日本語という多重翻訳からくるもので、12歳というのは文脈からは悪意は見られないとある。
日本語でも苦労しているのにましてや英語なぞ、という人間にとっては国民の命を背負って翻訳するという行為の重さは分からないが、そこまでの英語を学ぶのにはどのような環境が必要なのだろうかに思いを馳せた。