採用基準 [Kindle]

  • ダイヤモンド社 (2012年11月8日発売)
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本 ・電子書籍 (229ページ)

感想・レビュー・書評

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  • マッキンゼーで人材の採用担当を12年間務めた著者が、長年の経験から考える求められるべき人材像や今の日本に欠けている視点などについて述べている。
    著者は、「リーダーが必要」と一貫して主張している。このリーダーは管理職や経営者になってから求められるものではなく、新人の時からリーダーシップを発揮していくことの必要性を説いている。角が立たずに丸く収める人、つまり調整役は日本人ではよく見られるが、「成果を最大化するという目標を尊重していない」という著者の言葉は耳が痛かった。日本がリーダーシップをとる人の総量が不足していると思うのも頷ける。
    著者が述べるリーダーとは、①目標を掲げる、②先頭を走る、③決める、④伝える、の4つのタスクは胸に刻んでおきたい。そして、「時間がないから決められない」、「自分の役職ではできない」と言うことは、単なる言い訳であるということも。
    「会議で発言しない人は出席していないことと同じ」、「リーダーシップ体験の積み重ねで解決できる問題の範囲や規模が広がる」など、一歩控えめな日本人に対して的確に警鐘を鳴らしているように思った。すぐに実践しても今の日本の組織風土では叩かれて終わる可能性もあるので、少しずつ積極的に前に出ていき、信頼を勝ち取っていってこそ、求められているリーダーとなるのかも知れない。

  • 学生時代に読み、社会人を経た今再読するとそんなに良いものと思えなかった。僕自身コンサル会社で勤めてきたため、本書に書かれてるマッキンゼーのようなコンサル会社が求めるリーダーシップはよくわかる。

    ただ、そうしたバリューを出してリーダーシップを発揮することが良いみたいな価値観も、別にそんなに良いわけでもないし、全てでもない。

    むしろコンサル会社にいる人なんて外れ値だし、時代が違えば本物の社会不適合者であるため、大多数の参考にできるかというと甚だ疑問。

    また、日本企業の人はリーダーシップを発揮しない傾向にあり、コンサル会社やアメリカ人たちはリーダーシップを発揮するといった比較は、いかがなものかなと思う。

    そういう環境やインセンティブがあればそうするし、そうじゃなければしない、それだけだと思う。

    コンサル会社に入りたい人は、実際にこういう文化があることを知れるので読むと参考になると思う。ただ普通の会社員が参考にするようなものではない。

  • うーん、いまいち腹落ちしなかった。リーダーシップの本。リーダーの役目は、目標をかかげ、先頭に立って、判断して、説明する。みんながリーダーシップを持った方がいいとのこと。
    自分はリーダーシップある方だが、みんなにリーダーシップを勧めるかと言うと、万人に勧めはしない。確かに著者の言う通り個々としても全体としてもリーダーシップがみんなあった方がプラスにはなるだろう。やりがいや想いも強くなるだろう。でもそれだけ責任とストレスを感じる。そんな生き急がなくても、そんなプラスに持っていく必要ないのでは?会社が潰れたり、被害を被るかもしれないけど。それを避けようと、みんながみんなリーダーシップで突き進んで、飽くなき向上をして。そんなに煽らなくても、やりたい人がやればいいのでは?と感じてしまった。

    言ってることは、リーダーでなくても主体性を持って行動しようと言うこと。ここは共感するし、主体性を持ちたい人にとっては参考になる部分も多かった。組織を上下で捉えるのではなく、自分中心に平面で捉えるなど。

  • 2012年に書かれた本ですが、リーダーシップの必要性などは今でも、むしろ今だからこそもっと真剣に議論されるべきことだと思います。
    今の世の中はどうすれば良いか分かっているが、誰もやらないので解決できないで放置されている問題に溢れている。とありますが、まさにその通りです。
    この国も私たち自身も10年前とほとんど状況が変わっていないようです。
    まずは自分の周りに積極的に働きかけて、少しづつでも変えていきたいと思います。

  • 人事向けの本かと思ったら、良い意味で裏切られた。リーダーシップは、チーム内の1人ではなく皆が持つ必要がある。「全員が会長の自覚で」との言葉に通じる。

  • 貴重な体験は、極めて速いスピードで人を育てるのだということが、よくわかります。

    一般的に日本の企業は、深い専門知識をもつ人を高く評価します。それなのになぜ博士号取得者を積極的に雇わないのでしょう?私はその理由を、彼らが「専門知識しか持っていないから」だと考えています。もし彼らが「専門知識をもって問題解決にあたることのできるリーダーシップポテンシャルのある人」であれば、民間企業への就職状況はまったく違ったものになったはずです。

    大学や大学院はもちろん、中学校や高校でも、子供たちに日常的にリーダーシップを発揮する習慣を身につけさせるべきえしょう。「誰かが決めてくれるのを待つ。誰かが決めてくれたらそれに従う」のではなく、「自分たちで話し合って決めていく、そのリードを自分がとろう」という姿勢に変わるだけで、社会のあり方は大きく変わっていくはずなのです。

  • ちきりんさんのVoicyで珍しく自著を紹介していたので。さすが分かりやすい本で、オーディブルであっという間に聞き終えた。
    人事部向けの本だと思って今まで食指が動かなかったけど、思ってたより一般的なことを語っていた。元マッキンゼーの採用担当として、リーダーシップの重要性を語った本。タイトルでだいぶ損してそう。

    リーダーシップという言葉で語るのは目新しい気がするけど、主体性とか自律型チームビルディングとかで語られることと同じじゃないのかな、という気がしてなんとなく消化不良感。
    そしてマッキンゼーがリーダーシップの素質がある人を採用するのはわかるけど、今の職場の自分のチームが、一人一人がリーダーシップを持ったチームにしていくのはどうすればいいのかな、という課題感が残った。

    所々に差し込まれる、日本的な具体例がわかりやすくて良かった。ジェネリック医薬品の普及が進まないこととか、遠慮の塊に誰も手を出さないところとか、乳幼児が発熱するたびに救急車を呼ぶのかとか。
    それで何かあったらどうするんだ、とつい思ってしまうけど、このゼロ100思考が良くないんだろうな。

  • タイトルからはピンとこないですが、リーダーシップについての本です。
    ビジネスの場でのリーダーシップについて学びたい方の必読書では。

  • 散々書かれてるけど、採用基準の話じゃなくてリーダーシップの話。最近リーダーシップについて思うとこあって読んでるかもしれない。

    ちょくちょくくどいけど、全員リーダーシップ必要、って話はその通りだし、課題解決型のリーダーシップって話はとても、わかりやすい。
    そう、わかりやすいのでとてもよい。

  • 本書のタイトルは採用基準だけど、真のタイトルは「リーダーシップ」だと思う。本書は、採用基準≒重視するのはリーダーシップ、という分かりやすい構図になっている。日本人が捉えるリーダーシップの考え方とは異なる。面白かったのが、日本人は、リーダーシップがある人が、トップになるのではなく、トップになる人がリーダーシップを求められる体制になっていること。なるほどと思った。重要なのは、個人一人一人のリーダーシップ、リーダーシップの総量で、組織の考え方の基本が変わる。リーダーシップに成果主義が伴うのも納得した。私自身の職場は、上司への忖度もあるし、組織への貢献度が仕事の評価にも繋がっている環境。まずは、個人のリーダーシップを重視する考え方にシフトしていきたい。

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著者プロフィール

キャリア形成コンサルタント。兵庫県出身。一橋大学法学部を卒業後、日興證券引受本部(当時)を経て、カリフォルニア大学バークレー校でMBAを取得。1993年から2010年末までマッキンゼー・アンド・カンパニー、ジャパンにて、前半はコンサルタント、後半は人材育成や採用マネージャーを務める。2011年に独立し、文筆・発信活動を続けるほか、リーダーシップ教育や生産性向上のための啓蒙活動にも従事。著書に『採用基準』のほか『生産性』(ダイヤモンド社、2016年)などがある。

「2012年 『採用基準』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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