- Amazon.co.jp ・電子書籍 (289ページ)
感想・レビュー・書評
-
ある商店街に住み始めた女性が出会った時計屋さんは‥?
ほのぼの優しい雰囲気の読みやすい作品です。
明里は恋人にふられて仕事の自信までなくし、思い出のある町に引っ越してきました。
子供の頃、少しだけ過ごしたことのある懐かしい津雲神社通り商店街。
閉店して数年たつ理容店に、ただ住むことにしたのだが、そこの孫があとを継ぐというふうに知れ渡ってしまう。
のどかな商店街には古い時計屋があり、「おもいでの時 修理します」という看板がかかっていました。
「おもいでの時計修理します」というものの字が一個欠けたのだろうと思いつつも、壊れた思い出のある明里は気になってしまう。
そう思って訪ねてくる人もいた‥
時計屋の主の秀司はまだ若い青年で、明里が子供の頃に会ったことがあるらしい。
津雲神社あたりをふらふらしている大学生の太一と一緒に、明里は朝ごはんを呼ばれるようになる。
小さな出来事を一緒に解決するうちに、親切な時計屋さんにだんだん惹かれて行く明里。
時計屋さんにも、切ない思い出が‥
後半は、過去が解き明かされます。
「ビブリア古書堂」をちょっと連想しましたが「ビブリア」ほどミステリではなく、「コンビニたそがれ堂」に近いかもだけどあれほどファンタジックではない、という感じ。
ふんわりした書き方で、癒されました。
ちょっと疲れたとき、優しい気持ちにひたれます。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
本を整理していたら、シリーズの途中までしか読んでいなかった作品がいくつか出て来たので、これを機に最初から最後まで読み倒そうキャンペーンが私の中で始まりました。
こちらは5年ほど前に読んで以来の再読。
思い出の修理とはよく言ったもので、
過去の事実そのものは変わらないのに、
ちょっとした誤解が解けたり
相手の事情を知ったことで
全く違う意味を持つ出来事に変わることがある。
そんな物語です。
時計屋さんの秀司の人柄が良くて、
恋愛ものとしても読んでてほっこり。