思い出のとき修理します (集英社文庫) [Kindle]

著者 :
  • 集英社
3.54
  • (2)
  • (5)
  • (4)
  • (2)
  • (0)
本棚登録 : 66
感想 : 4
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・電子書籍 (289ページ)

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • ある商店街に住み始めた女性が出会った時計屋さんは‥?
    ほのぼの優しい雰囲気の読みやすい作品です。

    明里は恋人にふられて仕事の自信までなくし、思い出のある町に引っ越してきました。
    子供の頃、少しだけ過ごしたことのある懐かしい津雲神社通り商店街。
    閉店して数年たつ理容店に、ただ住むことにしたのだが、そこの孫があとを継ぐというふうに知れ渡ってしまう。

    のどかな商店街には古い時計屋があり、「おもいでの時 修理します」という看板がかかっていました。
    「おもいでの時計修理します」というものの字が一個欠けたのだろうと思いつつも、壊れた思い出のある明里は気になってしまう。
    そう思って訪ねてくる人もいた‥

    時計屋の主の秀司はまだ若い青年で、明里が子供の頃に会ったことがあるらしい。
    津雲神社あたりをふらふらしている大学生の太一と一緒に、明里は朝ごはんを呼ばれるようになる。

    小さな出来事を一緒に解決するうちに、親切な時計屋さんにだんだん惹かれて行く明里。
    時計屋さんにも、切ない思い出が‥
    後半は、過去が解き明かされます。

    「ビブリア古書堂」をちょっと連想しましたが「ビブリア」ほどミステリではなく、「コンビニたそがれ堂」に近いかもだけどあれほどファンタジックではない、という感じ。
    ふんわりした書き方で、癒されました。
    ちょっと疲れたとき、優しい気持ちにひたれます。

  • 本を整理していたら、シリーズの途中までしか読んでいなかった作品がいくつか出て来たので、これを機に最初から最後まで読み倒そうキャンペーンが私の中で始まりました。
    こちらは5年ほど前に読んで以来の再読。

    思い出の修理とはよく言ったもので、
    過去の事実そのものは変わらないのに、
    ちょっとした誤解が解けたり
    相手の事情を知ったことで
    全く違う意味を持つ出来事に変わることがある。
    そんな物語です。

    時計屋さんの秀司の人柄が良くて、
    恋愛ものとしても読んでてほっこり。

著者プロフィール

三重県出身。『パラダイスルネッサンス楽園再生』で一九九七年度ロマン大賞佳作に入選しデビュー。「伯爵と妖精」シリーズ、ベストセラーとなった「思い出のとき修理します」シリーズ、「異人館画廊」シリーズ、『がらくた屋と月の夜話』『まよなかの青空』『あかずの扉の鍵貸します』『ふれあいサンドイッチ』など著書多数。

「2023年 『神さまのいうとおり』 で使われていた紹介文から引用しています。」

谷瑞恵の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×