ユービック [Kindle]

  • 早川書房
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レビュー : 13
  • Amazon.co.jp ・電子書籍 (324ページ)

感想・レビュー・書評

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  • 面白い!!!何ていうか、「面白い!」という貧弱なボキャブラリーでしか本書を説明できないことが残念である…。超能力?電脳世界?的なバトルものかと思ったらなんとまぁ!ハードボイルドな香りのするミステリへ変貌を遂げ…そうこうしているうちにどんどん捻じれていく世界…!そして結末は…「???」ってなりましたが。。。境界が溶け始めたのか、それとももう彼もそうなのか…?うーーーーん面白いよディック!電気羊も好きだったけど軽くそれを上回りました。次は何を読もうか。表紙もカッコいいよね。好き(*´з`)

  • 傑作!

    高校時代に同じくSF好きの同級生が「ヴァリス」に挑戦しており感想を聞いてみたところ、「さっぱりわからん」と言っていた。やっぱり、薬物中毒の妄想オヤジかと思ってずっと敬遠していたのでした。

    でも・・・なんでしょう、この面白さは!オカルト的でもあり、ミステリー的でもあり。

    69年の作品なので冒頭なんとなくレトロ感あふれていますが、”ランシターは言った。「死んだ家内に相談してみよう」”で、もう捕まれてしまいました。死に行く者との会話ができるサービスを売りにする企業、超能力者集団によるセキュリティー・サービス、過去に干渉することによりい現在を変えてしまう超能力者、など科学的背景などまったくない妄想の産物なのですが、「現代」を形作るものを別のガジェットで実装している感覚にちかいのでしょうか。

    今の状態って生きているといえるのか?できごとの偶然性には何か意味があるのか?など、不安な世界に生きるということは、まさにディック的な妄想世界にほぼ等しいのではと思えてくるのです。ショック。

  • 面白かったけれども終盤、設定や話の辻褄に納得いかないところが増えてきて、読後はモヤモヤが残った。訳のわからない気分に読者を投げ込むのが狙いだったのか、破綻したプロットにエイヤと始末をつけたのか。
    いろいろツッコミどころがあって楽しく読める本ではあった。

  • 1969年、発表。
    作中、1992年設定。読心術や未来予知の超能力者を芸能プロダクションのように統括して貸し出すビジネスがある(超能力を無力化する反超能力者も流通する)。また死者を完全に死ぬ前に冷凍して《半生》状態に置き、会話する技術もある。主人公ジョー・チップは「超能力に対し企業を防衛する」ランシター社に勤務する《超能力力場》測定技師。ランシター社に予知能力者をつかって採用面接などで入り込む隙を発見し産業スパイを働くホリス社に対抗する大仕事が舞い込んで、チームで現場の月に行くが罠だったらしく、同行の経営者ランシターは爆弾で殺され

    設定は発表の’69年とあまりに近い、普通は遠未来となる死後生存技術確立後の社会。ランシターの死で為すすべもなくなり地球に戻るが(ディックの読者にはおなじみの)《現実崩壊》が進行していき、あたりは米国が第二次世界大戦参戦直前の1939年となる‥主人公の笑えるぐらいの経済的困窮がディックの執筆当時の反映みたいだし、結末の数ページにだけ現れる《救い》=ユービックは、彼が再婚と自作高評価を予見(期待)していたことを示すかもしれない。

    ランシターの妻、エラも《半生》状態。冒頭部分でランシターが「埋葬は野蛮だ」と言う。遺体を冷凍保存するのは戦場では無理、という反戦の表明と見ることもできる。’69年発表当時はベトナム戦争たけなわで、自信満々のアメリカは当初報道を自由にしていたが「どうやら勝てない」のが判明しつつあった。作品の想定’92年は奇しくも“兵役を(留学により)忌避した、ベトナム反戦運動に加担した”クリントンの当選し年、北朝鮮の金正日が瀬戸際外交をくりひろげ、たまりかねた金日成が修復に乗り出し(不思議にも翌94年急死」)、た年。

    不思議な少女パットの「過去の選択をなかったことにする超能力」は何を意味するのだろうか?1960年のケネディVSニクソンの大統領選で投票に「ルーサー・キング」と書いたとされるPDKにとって、そのニクソンが’68年の大統領選で当選するとは過去が蘇ったような悪夢的出来事でなかったか?“JFKが暗殺されなかったら”という小説は私の知るだけでも3冊ある。私はJFKがいてもベトナム戦争を止められたとは思えないが、ランシターの《死》はJFK暗殺の暗喩かもしれない

    ランシターの肖像の硬貨が現れるのが最初の方の異変だったが、JFKも没後すぐ(’65)半ドル硬貨となっている。アポロ計画を発表したJFKにとって月は憧れの地だったから、ランシターはそこへ行って死んだのかもしれない(ビッグプロジェクトではあっても同行する必要があったか?)。月にも行ってない出版の’69年から二十数年で月面民間人恒久設備や死者との対話ができるとは思えないが、全面戦争にならないのみで戦乱の絶えない世界情勢に、’68から「二期の大統領3人」ぐらい先には「死者の声に耳傾ける」政治を期待したのではないか

    1939年は、第二次世界大戦勃発とはいえ、主要国間では本格的戦闘の行われない奇妙な時期。「米国は参戦するだろうか」、翌年の大統領選にFDルーズベルトは前例のない三選をかけて「あなたがたの子供を戦場に送らない」と公約する。作品中でうっかり「ロシアと連合するよ」と言ってしまうと目を剥くので、つぎには話題を振られても「政治のことは話したくない」と突っぱねる。権力者は恣意的に民意を操作し、一昔前のこと、一世代も未来のことは途方もなく別世界に見えるという示唆だろうか。

  • 20180103読了。

    読んだきっかけは、ブレードランナーの新作映画がでていたため。

    小説としての流れは、当初思っていた話から世界軸・時間軸など大きく変わって動きが激しい小説。
    「常識」の前提になるものをずらしにかかってくることで、読んでて驚きも大きく楽しい。

  • フィリップ・K・ディックの名作、「ユービック」
    正直、かなり難しい、と感じました。現実とパラレルワールドのような世界、どちらが真実でどこまでがつながるのか。
    いま主人公がいるのは現実なのか非現実なのか、時間軸はどうなっているのか。
    そしてユービックとはなんであるのか。

    これらに完全な答えの出ないまま進むストーリーは最後までもやがかかっているような世界観です。
    善も悪もわからない。ディックらしいと言えばらしいのかも?いろんな人のいろんな立場が見えて、そこでわけもわからないまま犠牲になる人たちが描かれる、というのはある意味でリアルだなあ。
    物事に「表」と「裏」があるとき、そのどちらの面が「表」でもう片方が「裏」になるのかは誰が決めるんでしょうね。

  • 煙草が急に朽ちるところから物質の衰退、世界が退行していると解ってから一気に面白くなってくる。でも何よりも、小銭もろくすっぽ払えない生活力の乏しい男がラストで硬貨の顔になるというのが最大の皮肉だと思った。しかも姓がチップという念の入れ様。

  • 現実がグラグラと崩れるような感覚になる小説。すごく読みにくい文章が、かえってそれを助長している感じがして頭がおかしくなりそうでした。本当に先が読めないスリリングな展開のユービックは、取扱い上の注意を守って使用していただければ安全です。

  • いったいいつ映像化されるのか!

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著者プロフィール

Philip K. Dick

「2009年 『髑髏』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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