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- / ISBN・EAN: 4988104075734
感想・レビュー・書評
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終末医療の現場で起きる生死を巡る問題、ヒロインの行動を追及する検察官とのやりとり、数奇な運命に翻弄されるヒロインの姿などが描かれる。
草刈民代&役所広司主演、周防正行監督という、『Shall we ダンス?』のコンビによるラブストーリー。
原作は、現役弁護士・朔立木の同名小説で、監督自ら大胆に脚本化した力作だ。
不倫関係だった同僚に捨てられ、呼吸器内科のエリート医師・綾乃は、失意のあまり、自殺未遂騒動を起こしてしまう。そんな彼女を救ったのは、重度の喘息で入退院を繰り返す患者の江木だった。やがて、2人は深い絆で結ばれていくが、江木の病状は悪化していく。そして、「最期の時は早く楽にしてほしい」と願っていた江木は心肺停止状態に陥る。 江木の意志を尊重し安楽死させるが、3年後綾乃は遺族から訴えられてしまう。末期の喘息患者と医師のプラトニックな関係、法律と医師の終末期医療に対する考え方の違い、医療の現状との法律のギャップを問いかける衝撃作です。
特に、ラストの約1時間の草刈民代と大沢たかおの取り調べのシーンは、一言も聞き逃せない緊迫感のある重要なシーンで、見どころです。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
草刈民代さんの声が聞こえないのでボリュームを上げると、大沢たかおの怒声が大きくて、大沢たかおが嫌いになりました。
もっと嫌いなのは役所広司さんの遺族。酷い。
亡くなってほっとしているくせに、草刈民代さんのせいにして。
ただ、大沢たかおの言うことも一理あるなと。
健康である今は「管をたくさんつけて生かされるのは嫌だ」と思いますが、実際にそのときにどう思うかはわからないかも。
だから自分は意識のはっきりしているうちに、まわりの人間にはっきり「延命治療拒否」を言わなければいけないと思いました。 -
同じ喘息持ちとして心に迫りくるものがありました。
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周坊正行監督、2012年作。役所広司、草刈民代、大沢たかお出演。
<あらすじ(ネタバレ)>
女医(草刈)は浮気相手に振られて半狂乱になるが、重病患者(役所)の問診を通じて信頼関係が生まれ、終末医療に生きがいを見つける。ところが致死量に達する投薬のためか患者は死亡、検察官(大沢)に事情を聞かれてその場で逮捕、執行猶予付きの懲役刑に処せられる話。
<コメント>
終末医療をテーマにした映画は、伊丹十三監督の「大病人」があり、テーマがテーマだけにコミカル、エロティシズム、ファンタジーなどの手法が駆使されていたが、この映画ではそういう工夫がなく、ひたすら重い。
必ずしも高い評価ではないようだが、テーマがしっかりあるのは評価していいと思う。
それと、草刈さんはもう若くはないが、女性としての魅力は十分に感じた。
致死量の投薬は、リビングウィルの書面もとっていないのだから、医師としての常識的な判断とは言えず、神の領域への侵犯であろう。患者の意思と医師の判断とでは、できることに雲泥の差があるのだなと改めて思った。 -
命や愛を規定することは、
誰しも神ではないので許されないはずだが、
然れども、
静かな絶望の淵で巡りあった魂が、
互いを求め、肯定し、
一定の距離で互いを見つめた時に、
それは己であったという驚きの発見をしたうえで、
訪れた功罪。
肯定も否定もできない実存的問題に対し、
方や超主観的に、
方や、法律という超理性的に、
互いをぶつけあう後半も、
これまた深い対峙であった。 -
終末医療、尊厳死・安楽死というテーマで見るべきかそれともラブストーリーとして見るべきかによって、この作品の価値・評価が違うものになってしまう。周防監督は果たしてどちらのテーマを描きたかったのだろう。前作の「それでもボクはやっていない」では痴漢に間違えられた青年を通して日本の裁判制度の問題点に絞って描かれていた。ただ今回はテーマを感じ取る前に終盤に差し掛かる。ラスト45分間の検察官(大沢たかお)と今回の主役である医師(草刈民代)との攻防には息をのんだ。「空と水が一緒になるところ、そこに溶け込んで無になっていく」という患者役の役所広司さんのセリフも印象的だったが、私の中では検察官として医師を翻弄していく大沢たかおさんの存在感のほうが際立った。
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終末医療について考えさせられる映画でした。多分自分も延命治療拒否するだろうな〜