ビブリア古書堂の事件手帖3 ~栞子さんと消えない絆~ (メディアワークス文庫) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • 祖父から遺産が本。本により親子や孫と繋がるのがすごいと思った。栞子さんのタラタラ日記がついに見つかった?次巻が気になる終わりでした。

  • AmazonUnlimitedで読了。

    シリーズ3作目のお話。栞子さんの母の存在が作品に大きな影を落とします。凄腕の本の目利きで、栞子さんと似た容姿。様々な事件の解決や、中には人に言えない汚い仕事もしていたというお母さん。彼女は篠川姉妹と、亡き栞子さんの父を捨てて出奔したというのですが…。

    この女性の影が見え隠れする中、かつてお母さんが関わった本と、親子関係にまつわる問題を持つ客たちの謎が解かれていきます。断片的な情報からすれば、栞子さんのお母さんも育ちは悪くなく、怜悧で魅力のある人物だったようにも見受けられます。しかし、単なる離別劇というには、どうもこの人物と周囲の関係が、普通ではないのです。それは、篠川姉妹の母に対する嫌悪や、動揺の度合いであったり、古書店仲間の、お母さんに対するうす怖いもののような評価や距離感にも表れていて、彼女が登場した時、作品にも激震が走ることが予測されて、ちょっとサイコスリラーのような風味も…。地味に怖いです。

    それと五浦くんが、だんだん男っぽく、年相応にしっかりした男であろうと、ちょっと背伸び気味にでも栞子さんをかばおうとするところは、やはり口と女性への興味だけがませている高校生の男の子が主人公よりは、説得力があるなと思いました。彼が社会人としての自分・男としての自分を過大評価していい気になっていないところも、リアルで私は好きな描き方かな。

    ところで今回も『たんぽぽ娘』であったり宮沢賢治の『手入れ本』だったり、知ってる方なら、あ、と嬉しくなるような作品が散りばめてあり、古書店の内側の仕事や雰囲気が事細かに書かれていて、相当しっかりお調べになったリ取材なさったことが伺え、非常に面白かったです。このシリーズの何が好きって、知ってる作品が出てくるとか栞子さんの本の知識を読むこともですけど、古書の独特の匂いや、古書店のひんやりした空気、書店のご主人のエプロンの、いい感じの汚れ具合なんかまで思い出されることです。作品の取り上げ方も、『チェブラーシカ』なんて、最近の方はご本よりもアニメをすぐ思い出されるかも知れませんが、長く子どもたちに読みつがれた本なので、良い切り口だなあと唸ってしまいました。次はどんな本が出てくるかしら…。おいしそうです。(くすくす…。

  • ビブリア古書堂の事件手帖の3巻目。少しずつ、古書店店主の栞子さんの周りの謎が見えてきますね。少しずつ明かしていくのがうまいですね〜。




    取り上げられた書籍メモ。
    「王さまのみみはロバのみみ」
    「たんぽぽ娘」
    「タヌキとワニと犬が出てくる、絵本みたいなの」
    「春と修羅」

  •  鎌倉の古書店・ビブリア古書堂を舞台にした、古書にまつわるミステリの第3弾。前巻で登場した、家族を捨てた栞子の母の影がちらつきます。栞子と母の確執は通奏低音のようにこの作品のテーマになっていくんでしょうか(『HUNTER×HUNTER』のジンみたく、あんまりあっさり会って欲しくないところ)。

     姿も生き写しで、古書が好きという嗜好も似ている母子なだけに、母と価値観の合わない部分に対する違和感も強いのだろう。
     突然自分たちを置いて家を出て行った母。その行方と理由を探る手がかりとなる古書を探す栞子。これ、オカンのやり口が汚いです。栞子は母に対し、武道で言う所の「居着き」が発生しちゃっていて、「気にしたら負け」勝負を仕掛けられてずーっと負け続けているわけですから。

     「第一話 ロバート・F・ヤング『たんぽぽ娘』(集英社文庫)」は、古書交換会を舞台にした話。栞子に絶版文庫の盗難容疑がかけられるのだが、そこでも母親の影が…。
     本筋とは関係ないですが、私は本作をkindle paperwhiteで読みました。電子書籍は売り手にとって在庫を抱えなくていいというメリットがあり、一度大手電子書籍レーベルで発売してしまえば今のところ絶版のリスクはない(はずです)。
     携帯電話の普及で恋愛ドラマの大きな核の一つだった「すれ違い」がほぼ絶滅寸前にまで追い込まれました。同様に、電子書籍の普及により、読むことを主目的として絶版文庫を求める層は激減するんじゃないでしょうか。(ただし、それが絶版古書価格の下落を直ちに招くとは言いにくい所もあります。電子書籍が普及することで、マテリアルとしての本を求める人が少なくなると処分もされやすくなり、その分マニアの間で高額化することも考えられます)

     「第二話 『タヌキとワニと犬が出てくる、絵本みたいなの』」は、親子の確執(栞子母子ではない)を背景に、本の正体を探る話。知ってる人は知ってる話なんだろうし、読んだことのある人であれば犬の名前を聞いただけでピンとくるのだろう。もちろん、知ってても楽しめるし、知らなければ「へぇ~」と出版事情の蘊蓄を楽しめます。

     「第三話 宮澤賢治『春と修羅』(關根書店)」も、宮澤賢治の古書に関する蘊蓄をベースにしたミステリ。宮澤賢治については個人的に食指が全く動かず、『注文の多い料理店』くらいしかまともに読んだことがないのですが(あと、教科書で死にかけの妹が「あめゆじゅとてちてけんじゃ」という詩を見かけたくらい)、話自体は問題なく楽しめました。

     今回も謎を追いかけつつ、「へぇ~、そんなのがあるんだ」と楽しませてもらいました。

  • 「たんぽぽ娘」(ロバート・F・ヤング)を読みたくなること間違いなし、と言われて読んだら、正にそのとおり。
    次巻を読む前に寄り道しよう。

  • シリーズものは一気に読む方が楽しいかもしれない。最近は電子書籍ばかりだから、このようなできごとは減っていくんだろうな。

  • 篠川家の謎が少し進展?した今回。
    続きが気になる。

    古書はなんとなく敬遠してしまう自分ですが、作中に登場する作品はどれも魅力的で、機会があったら是非読んでみたい。

  • ヒロインの身内について色濃く入ってくる。
    主人公とヒロインの関係性もかなり進んできているのでドキドキワクワク。

  • んんん・・・。

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著者プロフィール

『ビブリア古書堂の事件手帖』シリーズが累計700万部を超えるベストセラーとなる。同シリーズで、文庫作品初の『本屋大賞』候補、『本の雑誌』が選ぶ「この40年の書籍 第1位」に選ばれるなど、幅広い層からの支持を集める。

「2022年 『ビブリア古書堂の事件手帖III ~扉子と虚ろな夢~』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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