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感想・レビュー・書評
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精神疾患はやはり重たい病気です。。
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精神疾患の難しい問題を人権擁護的な立場から見事にえがいているなあ〜
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■書名
書名:ブラックジャックによろしく 10 [Kindle版]
著者:佐藤 秀峰
■概要
「容疑者は都内の精神病院へ入退院を繰り返していました」
斉藤のもとで順調に回復を続ける統合失調症の患者・小沢は、院内
で出会った女性患者に恋をした。
その時、病院の外で凶行が起きてしまう。
児童大量殺人 反抗は小学校の教室で行われた。
小沢、伊勢谷、門脇、そして斉藤・・・
彼らは1つの大きな濁流に巻き込まれていく。
濁流の名は「精神病弾圧報道」日本中をうならせ続ける
リアル医療ドラマが渾身の力で描く、精神障害とマスコミ報道の真実!
「ニュース」は何のためにある?
(From amazon)
■感想
最後(13巻)にまとめて記載。 -
医療系のマンガです。Kindleで読んでみました。一晩でシリーズを読んでしまいました。面白かったです。
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Kindleで一気に読んだので、取り纏めての感想です。
自分自身が直接関わったことのある病が一つも無く、深刻に医療に関わりあった経験も現時点では無いため、物語がどれだけ現実に近い内容を描いているのかは、正直解りません。
ただ、日本の医療を形作っている大きなシステムの中で、切り捨てられているものや穿たれたまま埋められずにある溝、悪習といったものは、実際に存在しているのだろうと感じました。
物語の流れそのものは、そんな巨大な医療システムに潜む、医療に関わる者なら誰もが知っていながら目を瞑ってやりすごしてきた(あるいはやりすごさざるを得なかった)様々な問題点に、若く経験の浅い研修医・斉藤の視点から疑問を提示し、解決の糸口を探す流れとなっています。
斉藤の行動に触発され、志を持ちながらもままならない医療事情の中で多かれ少なかれ摩耗していた医師達や、医療に不信を抱く患者達が、それぞれの生き方を、あるいは死に方を、見つめ直していく展開は、ある一つの「理想的な医療の現場」の青写真を見せてくれていると思います。
問題の根本は医療システムそのものであることが多いので、目の前の患者の問題を解決した所で現実に大きな変化が無いことが、作中でもほとんどです。
ただ、そもそも「それはおかしい」という声があがらなければ、先々での解決すらもあり得ない訳で、「何も根本的な解決になっていないじゃないか」という不満は、この作品に対する感想としては片手落ちになるのだろうと思います。
私自身、そのような印象を持って読んでいたのですが、この作品は問題解決の方法ではなく、問題提起として意味のある作品なのだと、最後まで読んで思いました。
斉藤のやり方は、多くの患者を診なければならない実際の現場では、おそらくほとんど実行不可能なものです。
しかしだからこそ漫画という形態で描く意味があるのだと思うし、そのままの形で実現できなくともできるだけその理想に近づけるべく考えていくことも出来るのだろうと思います。
この作品に描かれている「理想」の形に不満を感じたならば、逆に自分自身の考える「理想」はどのようなものであるのかを考えてみるのは、とても意義のあることだと思います。
斉藤のやり方とは違うどのような解決方法が考えられるか、どんな着地点を望むのか、思考してみるのはとても大事なことだと思うからです。
理想などというものは人それぞれにさまざまな在り方があるはずで、答えが一つと言うものではありません。
この漫画が、ある一つの「理想」を示して見せているのは、ある意味では同調よりも否定を呼び出すことに最大の価値があるのかもしれないと、そんなことを思いました。
人がより良い未来を目指して歩んでいく時、その力となるのはきっと「問い続けること」です。
そしてそれは、斉藤が一貫して(時に道を見失っても最終的に立ち返る)「諦めないこと」という姿勢に現れているのだと思います。 -
精神病はね、たしかに十把一絡げにして語っていいほど浅くない。
宅間守が起こした付属池田小事件のような事件を絡めてきてます。 -
精神科編
「好きな人がいない人は
誰にも好きと言えません
僕は好きですと言える人がいるので
とても幸せです」
「結局、患者を差別しているのは
まずは医者なんですよ
見せるべきじゃないと思っているんです
”こんな狂ったモノ”はね...」
「本当に差別を無くしたいなら
血を流す覚悟が必要なんです」