失敗の本質 [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • 大企業病の本質が示されている。
    第一章は読みづらい。しかし第二章、第三章は大企業で新規事業開発に携わってる方は納得感が高い内容ばかりではないか?
    読み返す価値がある内容である。
    ただし失敗しない観点は理解できても、失敗しない組織をどのように構築していくのかは具体的な示唆は少ない。
    自ら考え試行錯誤実践していかなくてはいけない。

  • これはやられた。
    60年前に起こった日本軍の失敗と、
    現代の日本企業に置いて起こっている諸所の失敗の本質が同じだとは思わなかった。

    この本が出て30年、第二次世界大戦から約70年。
    日本は本質的に変化していなかった。

    そりゃあ、世界に置いて行かれるわこの国は。

  • 読むのにかなりの時間を要したが読んでよかったと思う本。戦時の反省を現在につなげる内容と言いつつ、すでに初版から35年経っていても通じることに驚きを隠せない。本の出来がいいのか、日本社会が失敗しつづけているのか。向こう30年以上働かないとローンが返せないのに、そこまで働く会社があるのか?という恐ろしい世界で、この本を握りしめて生きていこうと思う。

  • 日本軍の失敗から学ぶべきことが、アメリカ軍と比較して解説されている。やはり変化に対応できない、対応する能力がない組織は弱いということかな。変化に強くするには、人の評価を可能な限り可視化し公平で論理的であることが求められると強く感じた。あと、敵のことをどれだけ正確に知り、恐れず、侮らず戦略を練ることができるか、これもすごく大事だと感じた。

  • 大東亜戦争(本書の表記に準ずる)におけるターニングポイントとなったいくつかの戦闘から、日本軍の敗因を抽出し、その原因となった組織としての性質を明らかにした本。とにかく現代の組織(とくに企業)にとって学ぶべきことが多い。

    直接的には情報の不足・軽視や物量不足、戦術の甘さがよく指摘されるが、その原因としては過去の成功(日本海海戦など)にとらわれ過度に最適化したあとそれを修正できなかったことがあり、それは組織の構造、そしてそこから来る個人のマインドによるところも大きい、といった話。

  • 出張の帰りの新幹線で読み終えたけど、読んでて悲しくなる程日本人の組織は戦後を続けているのだと実感。組織の問題の中で埋没する上司や同僚をどうその呪縛から引きずり出せば良いのか、組織の外から野次るのは簡単だが、中から創造的破壊をするためには、まずは情報の正しい流通が必要。

  •  副題にある通り、日本軍の敗北を組織論から考察したもの。歴史家ではなく主に防衛大学の研究者らによって書かれた本であるため、政治的・道義的な主義主張には一切触れず、あくまでも軍隊や組織が勝つために必要だったものを冷徹に分析している。

     第一章では、大東亜戦争において日本軍が大敗を喫した六つの代表的な戦場─ノモンハン、ミッドウェー、ガダルカナル、インパール、レイテ、沖縄─の各々について、どのように推移しなぜ負けたのかを個別に分析。第二章では包括的に、これらの敗北の背景にある日本軍の本質的な欠点(あるいは弱点)を探る。そして第三章では明治時代の官僚機構から現代の民間企業まで、日本的組織全体に通じる課題に言及していく。

     採り上げられた六つの戦闘のうちノモンハン以外はいずれも米軍を相手とするものだ。日本がアメリカに負けた理由としては、圧倒的な物量の差がまず挙げられることが多い。しかし個々の戦場について語る場合、その時その場に投入されていた戦力は必ずしも米軍の方が多かったわけではない。日本軍の方が多くの戦力を投入してもなお負けていることが指摘される。

     本書が分析する日本軍の失敗の本質は、物量的に劣勢だったことではない。もちろん物量は必要だが、それ以前に戦略の立て方や作戦目的の曖昧さ、合理性より情緒が優先される組織体質、コミュニケーションや情報収集の軽視、学歴主義から能力主義に転換できなかった人事制度など、もっとソフト面の問題だ。

     そしてこれは多かれ少なかれ現代の日本組織にも残っている問題点だと言える。下手なビジネス書よりビジネスに役立つのではなかろうか。

     なお、初版発行は今から30年近く前の1984年で、文体に若干の古臭さを感じなくもないが、それは時代より内容の特殊性によるものと思われる。軍事関係の独特な用語が頻出するため、Kindleの内蔵辞書が大活躍した。

  • 全ビジネスパーソン必読の書。毎度人に貸して無くすので、遂にKindleで。セールだけど。今更日本軍かよ、と侮ることなかれ。ここに映されるのは明治以降不変の、一本道の教育・就活・大組織体系で磨かれる日本人のパラダイム。良し悪しではなくこれが現実。戦時の教訓本は数多あるも、ここまで「ビジネス書」として今の自分(それが20代であっても40代であっても)の心に響くものは無し。
    以下少しだけ引用。

    ・目的のあいまいな作戦は、必ず失敗する
    ・日本軍の失敗の過程は、主観と独善から希望的観測に依存する戦略目的が戦争の現実と合理的論理によって漸次破壊されてきたプロセス
    ・技術体系に大きな革新があったために、もはや単純な戦法レベルでの対応では十分機能しえなかったと言える
    ・海戦要務令がある種の経典のような形で硬直化してくるにつれ、バリエーションの発生を殺すような逆機能現象が現れてくる
    ・日本軍の中で組織成員が日々見たり接したりできたリーダーの多くは、白兵戦と艦隊決戦という戦略原型をなんらかの形で具現化した人々であった
    ・軍事組織は、平時から戦時への転換を瞬時にして行えるシステムを有していなければならない
    ・日本軍の現地軍は、責任多く権限なしとも言われた。責任権限のあいまいな組織にあっては、中央が軍事合理性を欠いた場合のツケはすべて現地軍が負わなければならなかった

  • 読んでいると、ありありとイメージがわく。少し思考停止になってしまうとこんなことよくあるだろうというものばかり。

    グランドデザインとなる大方針から演繹的に小組織に方針を落としていかないとまとめきれないということがよく分かる。
    そして、最後のまとめにあったが、適応しすぎると適応しようとしなくなるという点がとても学びになった。

  • 不明確な目標、意思疎通の取れない組織、信賞必罰でなく温情的人事、合理的でない声の大きい人の意見が通る意思決定、失敗から学ばない組織、空気・忖度・情緒で行われる意思決定、組織を跨いで全体を俯瞰した判断が出来ない、成功体験への固執、いずれも現在の官僚組織でもそのままあてはまる。そして、自分の会社にも・・・ヤバイ!

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著者プロフィール

戸部良一
一九四八年宮城県生まれ。京都大学法学部卒業、同大学大学院法学研究科政治学専攻博士課程単位取得満期退学。博士(法学)。防衛大学校教授、国際日本文化研究センター教授等を経て、現在、帝京大学教授。著書に『失敗の本質』(共著)、『逆説の軍隊』『日本陸軍と中国』『外務省革新派』『自壊の病理』ほか。

「2019年 『昭和の指導者』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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