- Amazon.co.jp ・電子書籍 (226ページ)
感想・レビュー・書評
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今はもうこんな人々はいないんだろうな、と思うようなコーヒーの武勇伝。でも、コーヒーには人の人生を変える、もしくは人生を作っていくだけの魅力があることがよく分かる。
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コーヒーに魅せられ、人生をコーヒーに捧げた人々の物語。お茶を茶道に昇華させた前科のある日本人は、やはりコーヒーにおいてもコーヒー道としか言いようのない独自の文化を築いてしまったようだ。抽出における 1g、1℃ にこだわる人もいれば、30年もののオールドクロップを手に入れるためにエイジング・ルームを作る人もいる。果ては焙煎、抽出に飽き足らず、コーヒー農園で生豆の栽培にまで手を出す始末だ。バッハ田口護のコーヒーが、いつぞやのサミットで各国首脳に振舞われて話題になったときのエピソードも収録。
ちなみに僕自身は、学生時代は粋がってネル・ドリップだったが、敬愛するカフェ・ベルニーニのマスターが「(抽出温度さえ守れば)ご家庭でも同じ味を楽しめるということを判って欲しくて」とペーパー・ドリップで淹れるのを見て以来、ペーパー・ドリップ派。ネルは手入れが面倒臭いんだもん。豆は近所の喫茶店が入荷・焙煎しているマンデリン・プレミアムリントンがお気に入りで、ここ数年はずっとそればかり飲んでいる。 -
自家焙煎珈琲豆を使った喫茶店に興味がある方は、読んだほうがいい本だと思います。大坊・ランブル・もかと3大自家焙煎の巨匠が中心に話は展開され、エピソードなどがふんだんに盛り込まれている。ただし、この著者とわたくしの、おいしい珈琲の定義は、かなり違うようなので、正直わたくしには参考にはならないかった。文化が育つまでの、つなぎである巨匠の物語。