本当の仏教を学ぶ一日講座 ゴータマは、いかにしてブッダとなったのか (NHK出版新書) [Kindle]
- NHK出版 (2013年2月9日発売)
- Amazon.co.jp ・電子書籍 (177ページ)
感想・レビュー・書評
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お釈迦様の始めた仏教と、そこから派生した大乗仏教の違いとどのような経緯で派生してきたかを判り易く説明してくれている。大変勉強になりました。
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原始仏教とはどういうものか、仏教が起こる以前のインドの様子、なぜ仏教は分かれたのか、等々、初心者にもわかりやすく説かれている。
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なぜ、そもそものブッダの教えと日本に伝わった仏教が違うのか、歴史的根拠を解明しようとしている本。実際にこれがビンゴかどうかは、他の人の見解も読んで見ないとわからないが、丁寧に文献にあたり、わかりやすく解説してあり、納得感があった。別の本でも著者の本を読んで見たいと思った
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NHK文化センター京都教室で行われた講義に加筆・修正して出版されたもので、教室で先生が優しく語りかけるような文体になっている。口述筆記的な文章はともすれば冗長になりがちだが、うまく編集されており読みやすい。
著者は浄土真宗の寺の長男として生まれた方で現在も住職であるそうだが、本書は浄土真宗ではなく主に原始仏教や上座部仏教と呼ばれる釈迦に直結する仏教の解説と、そこから大乗仏教が派生した時代の話が中心となっている。
後半、仏教集団の変化については著者自身の研究に基づく見解の説明にページを割いている。もしかすると他の学者は違う説なのかもしれないが、十分な説得力を感じる内容であり、面白かった。
重要な史跡として何度も言及されるアショーカ王碑文は興味深いので、そちらを中心に解説した本があれば読んでみたいと思う。 -
お釈迦様がおられた頃の仏教の様子や教えについて簡明な文章で説明しています。仏教のベースはサンガと呼ばれる弟子の集団であり、お釈迦様はルール作り、組織運用にも長けた方だったとわかりました。当時の仏教の教えは超自然的なものではなくとても理にかなった実践的なもののように感じました。今風に言えば、ライフハックなのかな。ちょっと軽い?
仏教的な考え方は結構、自分の肌感に合っていて好きです。諸行無常。一切皆苦。 -
仏教について、特に初期の仏教のあり方を解説した書物。
かなり読みやすく書かれているのは、著者の講義がベースになっているから。
仏教の成り立ちについて、その時代背景や価値観の中で語られていたので、丁寧だなと思った。
二千五百年も続いている仏教の教えが、現代の価値観にどう影響しているかについても、優しく説かれていて、最終章では、釈迦の言葉を挙げて釈迦の思想が解説されてある。ここを読むだけでもこの本の良い振り返りとなる。
仏教といっても多様な解釈があると思うのだけども、著者の思想は拡散・拡大しすぎず、優しく読むことができた。
ただ、実践となると、まだまだ深い修行が必要だとも感じる。そういった面では、ギビシさもある。
『仏教は常に自分を省み、至らぬところを直すことによって老病死の苦しみに立ち向かっていく宗教です。いつも自分を改良していく心構えが必要です。自分にはまだまだ足らぬところがある、もっともっと変えなくてはいけないと自覚していなければなりません。謙虚な自己反省が仏教の基本です。』
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【内容(「BOOK」データベースより)
自分の救済者は、自分自身である!
いま、心の拠り所を仏教に求める人が増えている。なかでも注目されているのが、“信仰”ではなく、“自己鍛錬”の重要性を説く原始仏教=「釈迦の仏教」だ。ブッダの生涯はもちろん、仏教成立以前のインドの社会構造、僧団の生活規則など6つのテーマ(講座)からブッダ自身の本来の教えを知る。
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【著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)】
佐々木/閑
1956年、福井県生まれ。京都大学工学部工業化学科および文学部哲学科仏教学専攻卒業。同大学院文学研究科博士課程満期退学。米国カリフォルニア大学バークレー校留学を経て、花園大学文学部国際禅学科教授。文学博士。専門は仏教哲学、古代インド仏教学、仏教史
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【目次】
はじめに いま原始仏教が見直されている 1時限目 インドに仏教が生まれるまで
2時限目 釈迦の生涯
3時限目 サンガとは何か
4時限目 釈迦の弟子たち
5時限目 部派仏教から大乗仏教へ
6時限目 いまに生きる釈迦の言葉
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2500年前にこれだけのことが言われていたというのに、現代で薄っぺらい自己啓発本が売れるのだからどうかしている。しかも買っている人間は宗教を否定していることが多いというね。
もともと如来であるのは一人だけであるのに大乗仏教が如来を量産することで人気になったというのはウルトラマンや仮面ライダー、そしてガンダムなどでヒーローが増えたほうが売れるというのに似ていて面白い。