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- / ISBN・EAN: 4988003819545
感想・レビュー・書評
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ボードレールに心酔する少年、春日高男。抗いきれぬ衝動のままに、密かに想いを寄せる佐伯奈々子の体操着に手を掛けたその時から、彼の運命は大きく揺れ動くことになる。その行為の一部始終を目撃した、仲村佐和の手によって春日は奴隷にされ、支配隷属の関係を強いられる。
押見修造のコミックをTVアニメ化!!
「ハンター×ハンター」でキルアを演じた伊瀬茉莉也が仲村佐和を、佐伯奈々子を演じた日笠陽子など声優陣の熱演、神聖かまってちゃんのの子がゲストボーカルをした主題歌や観る者の心に不協和音を奏でるエンディング曲などの音楽は良かったけど、実写に近いロトスコープでアニメをやったことでキャラクターに表情が乏しく物足りないし、第1部で終わってしまったのは残念な青春ダークアニメ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
原作も大好きなんですが、このアニメも当時リアルタイムで追いかけてて大好きなアニメでした。
久々にレンタルで借りて観ましたが、本当によく出来た、手間のかかっているアニメだと思います。
一番最初に観た時、私も衝撃を受けた人の一人ですが、何に衝撃を受けたって、リアルな春日とか中村さんもそうですが、背景のリアルさですよね。
私は初っ端からオーディオコメンタリーONで観ましたが、初見なら1回通して観てからオーディオコメンタリー入れて二周することもオススメします。どう作られているかが見えてくるし、それが分かるほどどんだけ手間がかかってるかとか細部の芝居のこだわりだとかが見えてきて面白いです。
ロトスコープという手法も含め、賛否両論、クソアニメという評価まである作品ですが、私は神アニメと思います。
「原作の◯◯化」で劣化したり腐敗したり失敗したりする作品って結構あると思うんですけど、この作品に関して言えばむしろ輝きを増してます。成功というか、ものすごく革命的なことをしているし、いい意味で「原作とは別物」かついい意味で「原作を超えていて」かついい意味で「原作に忠実」。ここまでバランス良く綺麗に併存させているアニメは『惡の華』をおいて他には滅多にないんじゃないでしょうか。もっとも、商業的にはウケが悪い作品だとは思いますが。 -
思春期特有の精神的彷徨と自我の行方を「絶望」というテーマにそって描かれたもの。週刊少年マガジンにて原作漫画が連載された作品をアニメ化した。テレビアニメは史上初の全編ロトスコープを用いているため、原作とは違う実写タッチの絵である。
クラスの美少女・佐伯奈々子に密かに思いを寄せる少年・春日高男。
ある日の放課後に出来心で彼女の体操着を盗んだが、その様子はクラスの嫌われ者の少女・仲村佐和に目撃されてしまっていた。
そのことから、契約関係を結ばされ、仲村からの無茶な要求に翻弄されていく。
しかし、意外なきっかけで佐伯と春日は付き合うようになるが、恋心と背徳感の間で罪の意識と矛盾に苛まれる。やがて、佐伯自身も内に秘めた意思を表し始める。
最初は独特な実写作品のような絵とエンディングに不気味さを感じ、正直『なんなんだ、これは!』と戸惑いを隠せなかった。しかし!話数を増すごとに引き込まれていくアニメだと思う。
正直エンディング曲だけじゃなくて、オープニング曲も異彩を放ってたというか聴けば聴くほどクセになる。内容も同様に見れば見るほどその世界観にハマっていきそうなクセのある作品だと思う。
何より、アニメ史上初の全編ロトスコープ!!
原作と絵は違うし、本当にリアルな実写作品のような特殊な絵柄に不気味さがありつつも味があって良かったのだろう。とにかく印象深い作品で一度見たら記憶に植え付けられるようなそんな作品。
ぜひ原作の高校編も同じように見てみたい。 -
こんな凄いアニメ・・・よく放送できたなぁ~って思います。
これ、まじトラウマアニメになりますよ(笑)
「惡の華」といえば、ボードレールの詩集です。私も経験ありますよ。よくわかっていないのに、「退廃的」とか「耽美的」なものに憧れた時期が。
それにしても、このアニメは不条理青春アニメといいますか、主人公の女の子・仲村さんが凄まじすぎるんです。
「惡の華」の詩集が好きな男子・春日くんには好きなクラスメイト・佐伯さんがいて、放課後、誰もいない教室で偶然見てしまった佐伯さんの体操着を盗んでしまいます。
そう!惡の華が咲いた瞬間でした。
それを仲村さんに目撃され、仲村さんの酷い仕打ちが始まるという・・・。
1話を観た時、ただ茫然となってしまいましたよ、私(笑)
気持ち悪いんだけど・・・観たい!と、不思議な感情に捕われました。
しばらくの間、「クソムシ」っていう言葉も流行りましたよね。
この作品は初めてのロトスコープ(モデルの動きをカメラで撮影し、それをトレースしてアニメーションにする手法)で製作され、画像もなんか不思議な感じがしました。
絵も独特で、佐伯さん以外はおブスでしたね(笑)。
あと、エンディングテーマの「花 -a last flower-」という曲にも、なんかハマっちゃいましたねぇ。これまた奇妙な感じなんですけど。
この作品では中学編まででした。漫画では高校編まであるそうなぁ。
秘かに、続きが観たいなぁ~と思います。
きっと・・・仲村さんみたいな人がいつか、「人を殺してみたかった。」とか言って殺人をするんじゃないかなぁ~なんて漠然と思っちゃいましたね~。<br>
うぅ・・☆付けが難しい(笑)。毎週ドキドキしながら楽しみにもしていたしなぁ~。きっと好きだったんだと思うので、☆4つしちゃいます!あはは -
アニメ観終わった後じゃ原作が読めないくらい良かった
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『惡の華』、おもしれえなぁ・・・。
最近の漫画やアニメはあまり詳しくないけど、
後輩に薦められて観始めた。
原作の方は未読。
これもリンクレイター監督作と同じくロトスコープで、
原作ファンには不評、賛否両論。
原作の絵も見たので、その気持ちはすごくよくわかる。
けど、もしあの絵をそのまま最近のアニメの絵にトランスレートしたとして
「変態性」をあれほど的確に表現できただろうか。
たぶん、普通に「気持ちの良い作品」に仕上がってしまったのではないか。
アニメファンの枠の中だけに収まってしまったのではないか。
その枠からはみ出せる作品になっただろうか。
ASA-CHANGの曲とあわせて、最近はそう思うようになってきた。
ASA-CHANGの「花」、懐かしかった。
原曲を聴いたのはもう10年以上も前。
どうも違うような違和感があったのだけど、
バージョン違いで作品にあわせてUpToDateされているのかな。
あの時期のあの曲を持ってくるとは・・・と感心して、
実はそのセレクトにも意味があるはず。
ASA-CHANGそして、の子、後藤まりこ・・・
劇中で引用される文学。
『悪の華』は置いとくとして、
萩原朔太郎、金子光晴、ブルトン、ロートレアモン。
名前は全員知っていたけど、「おっとせい」の内容ぐらいしか知らない。
しかもロートレアモンは昨日『パーマネント・バケーション』で知ったばかり。
だけど、彼らが引用される理由は「なんとなくわかる」。
そこには絶対に意味があると思うのです。
最後に、他の作品から引用してレビューを終わります。
「おまえはなにだ!?」
「はーっ、糞にございます」
「糞とはなにだ!?」
「はーっ、この世でいちばんきたなきものにございます」
「おまえは正義か!?」
「いいえ」
「悪か!?」
「いいえ」
「なみだは出るか!?」
「いいえ」
「おまえに心はあるか!?」
「ございません」