東京家族 DVD

監督 : 山田洋次 
出演 : 橋爪功  吉行和子  西村雅彦  夏川結衣  中嶋朋子  林家正蔵  妻夫木聡  蒼井優 
  • 松竹 (2013年7月5日発売)
3.63
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感想 : 133
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4988105066601

感想・レビュー・書評

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  • 「家族はつらいよ」から観たのは正解なのか。でも、こういう静かな映画は好きです。老夫婦の佇まい、子供たちの両親への愛は感じるが不器用な感じもよくわかります。蒼井優さんは、いい感じです。

  • 山田洋次監督、中嶋朋子さん、蒼井優さん、大好きな人達の映画。人は必ず老いる。いい歳の取り方をしたい。
    南相馬のボランティアで知り合った妻夫木くんと蒼井優さんの出会いをお母さんに話す場面がよかった!

  • 山田洋次 監督が 監督50周年で 
    つくりたかった映画が 
    小津安二郎の 東京物語のリメイクとはねぇ。

    父親は 元教師 75歳という設定。
    『どっかで間違てしまったんじゃ、この国は。
    もう、やりなおしはきかんのかのう? 
    しかしのぉ。このままじゃいけん。』
    といって、そのあと おかみの風吹ジュンに 
    怒鳴るところは そのままなのかな。
    教員の屈折が 酒を飲むと爆発する。
    小津安二郎の場合は 父親たちには戦争体験があったので、
    少し,人品が 違うんだよね。
    息子の 評価が 『こまい人間』というのが、
    とても、意味のある表現だったが、
    地元に戻ってくれなかったという願望に変わっているのも
    ちょっと,微妙な味の違いがある。

    友人の服部の妻の母親が津波でさらわれた話が
    戦争で亡くなった父親が海底に沈んでいて 
    そこで出会っているだろうと いう。

    母親 吉行和子は スジがはっきりしていて
    かわいいおばあちゃん。
    次男の昌次 妻夫木聡との 紀子 蒼井優とのなれそめ
    を話すシーンが ほのぼのとしている。
    震災の ボランティアで 知り合ったと言う。
    母親が紀子さんに 昌次の金銭感覚がないことを心配して
    お金を渡す時に、秘密だよって 指切りをするのが うまい。

    子どもたちのほうが どちらかかと言えば すがすがしい。 
    杉村春子が中嶋朋子。
    原節子を蒼井優。
    脇で光ったのは 林家三平の息子でしたね。
    のんびりとした オーラが でている。

  • 2013年塚口サンサンでの2本め「東京家族」

    感想として、自分の中で整理するまで3日かかった。
    なんとなく、ストーリーを知った上での鑑賞だったけど、
    その後、とにかく感動してうまく言葉にできなかった。
    こんなに泣いたのは「エンディングノート」以来かも。

    今回の「東京家族」を語る上で、やっぱり観ておかなければならないと思って、
    「東京物語」も観た。
    なるほど。
    「東京家族」はほんとによくできているし、
    それもひとえに「東京物語」が傑作だからであろう。
    1953年公開の作品を、まさかこのタイミングで観ることになるとは思わなかった。
    モノクロ作品を観るのもこれがはじめて。
    記念すべき1本目がこれで、よかったと思う。

    山田洋次監督作品をスクリーンで観るのも、これがはじめて。
    はっきり、年代が違うからか、「男はつらいよ~」なんて国民的代表作なのに、
    それもテレビで1作だけ観た事があるだけ。
    近年「おとうと」や「母べえ」など、話題作たくさんあったけど、それも全て素通りだった。
    唯一はじめから終いまで観たことがあるのは「幸福の黄色いハンカチ」だけ。
    たまたまテレビで観たんだけど、舞台が北海道だったのと、そのラストが印象的。

    さてこの作品。ほんとに今の私たち、とりわけ私たちの世代が観るべき作品だと痛感。
    劇場はシニアが多かったけど、本当はわたしら世代が観るべき作品だと思った。

    自分も「嫁ぐ」と言う形で地方から都会へ出てきてしまっているから、
    自分を取り巻く環境としてはちょっと違うものの、
    たとえば周吉ととみこが品川駅でまちぼうけしている姿をみるだけで、すでに自分の両親を見ているようで胸が熱くなったし、息子や娘の家の2階で、2人座っている姿や、慣れないシティーホテルでふたり寄り添ってる場面とか、ついつい両親の姿に重ね合わせている自分がいた。それだけで泣けてくるのはなぜだろう。

    幸一だって滋子だって、息子娘としてはむしろしっかり独立していて、世間から見たら立派なものだと確かに思うし、
    それが結局両親の相手も満足にできないのは、やはり仕方のないことだと思うし、このあたりの描写も絶妙だと思った。
    「~物語」では戦死している昌次が、「~家族」では現代を象徴する、とっても大切な役回りで、加えて「~物語」では戦死した昌次の嫁として登場している紀子が、「~家族」ではその彼女という設定、これがこの作品をあくまで現代の作品で、かつ重要な役回りだった。妻夫木くんと蒼井優ちゃんだからこそ、よかったと思う。

    とにかく、どの役も「~物語」を彷彿とさせながらも、それぞれはやっぱり「~家族」に生きていて、
    その演技などはいまさら語るに及ばず。
    しいて言うなら、妻夫木くんと吉行和子、蒼井優ちゃんとの出会い~ラストまでの流れが秀作。
    もっとも「~物語」でも、原節子の紀子がいかに重要かは理解しているつもりだが。

    特に考えされられたのは、
    この作品の中にしばしちりばめられてある「3.11」の扱い。
    折りしも震災直後観た、「ヒミズ」の中で表現していた「震災」は、
    とても直接的なもので、それはそれで後世に残る作品として大切な場面だと思っている。
    一方でこの作品の中で出てくる「3.11」は、決して直接的ではないけど、
    例えば妻夫木くんと蒼井優ちゃんの出会いが、復興ボランティアという設定が、
    最後の最後で蒼井優ちゃんの人柄や、妻夫木くんの人柄や、それを亡きとみこを通じて周吉が理解し、
    結果紀子の涙につながるあたりなどは、よく練られているなと思ったし、こういう描き方もあるんだなって感心した。

    「~物語」では、紀子の将来を慮ったとみこの気持ちを代弁する周吉に、そんなことはない、自分は本当はずるい人間だと吐露する紀子に、正直だ、とみこの時計を形見として手渡す場面が、「~家族」ではあのようなかたちで周吉が紀子に思いを伝え、紀子が号泣するあたりなど、本当によく構成されてできているなと感じた。
    そういう意味では「~家族」のほうが一筋の希望が、わずかながらだけど感じられるのかな、と思った。
    「~物語」のほうが、とみこがいなくなった後の周吉の寂しさが、映像から伝わってくるものが多かった。
    とはいえ、「~物語」では、実家にまだ娘もいて、そう考えたらこちらのほうがまだ幸いなのかもしれない。
    橋爪功のラスト、爪を切る背中に、どことなく父の姿を重ねてしまい、また涙。

    余談だが豊悦て、笠智衆てなんとなく似ていると思った。
    今は豊悦すこし肥えてしまったから、雰囲気遠ざかってしまったけど、
    若い頃のとよえつをそのまま老いさせたら笠智衆になってたかも。

    どの配役にも共感しすぎて、泣けて泣けて仕方なかった。

    両親に勧めたいけど、母親は、父親は、この齢で観るのはリアルすぎてしんどいのだろうか・・・
    いい作品だけに、それだけが少しだけ心配。

    http://onionmovie.jugem.jp/

  • 山田洋次・・・監督業50年を記念した作品。
    日本映画史上屈指の名作、小津安二郎『東京物語』のオマージュだ。
    やはり、両者の違いを意識すると、山田洋次監督が本作に
    こめた思いがより鮮明になるように感じた…

    プロットは、ほぼ『東京物語』を踏襲する…カメラワーク、演出も
    かなり小津監督を意識している。しかし、それゆえに、
    ひとつひとつの違いに山田監督のこだわりが感じられるのだ。
    もっとも大きな違いは、次男を登場させている点だろう。

    小津監督の『東京物語』では、次男は戦争で亡くなっている。
    そこに山田監督は手を入れた…本作では次男が家族の中で
    重要な役割を果たす…『物語』→『家族』としたゆえんだろう。
    『戦後の家族』→『東日本大震災後の家族』と時代の違いも活写している。

    劇中、父役の橋爪功はこう語る…
    ―どっかで間違てしまったんじゃ、この国は…
     もう、やりなおしはきかんのかのう? このままじゃいけん…
    それは山田監督の今の日本に対するジレンマだ。

    それでも、新しい家族に未来を託す…
    ―この先厳しい時代が待っとるじゃろうが、
     あんたがあの子の嫁となってくれれば、私は安心して死ねます。
    原節子→蒼井優であることが、際立つ場面だ。

    『東京物語』を喚起しつつ本作を観ながら、もうひとつ
    思い起こしている映画があった…山田洋次監督
    畢生の名作と思う『家族』だ。この3本の映画を合わせ観ることで
    よりこの映画の奥行が感じられると思う…さすがの山田監督映画だ。

  • 『東京物語』の現代版。
    夜行列車が新幹線になり、熱海の旅館が横浜の高級ホテルになり…。(絶対あのホテル、Yokohama Grand InterContinentalだ)

    人物相関図や話の順番を少々いじりつつも、小津監督作品独特の情景描写や家族の間にゆるりと流れるあの優しい空気がしっかり再現されており、前作に敬意を表しているのがよく分かった。

    個人的に役者さんの中では長女役の中嶋さんが一番良い味を出していたと思う。
    橋爪さんは前作のご主人役とは180度打って変わって劇中ほとんどポーカーフェイス。喜怒哀楽が読み取りにくくて正直「何やねん」やったけど、最終的に現代版のご主人も好きになることができた。
    引っかかったのが紀子役。
    前作の原さんが完璧すぎて蒼井優ちゃんが霞んでしまったのがいたたまれなかった(O_O)

  • 『東京家族』、私はあまり面白いとは思わなかったんですけど、調べてみると公開当時も賛否両論だったみたいですね。
    というかまず元々の『東京物語』からして私はそんなに面白いとは思ってないからしょうがないのかも笑。小津さんの映画だと、『麦秋』の方が好きです。

    あと、これは山田洋次作品をちゃんと観てる方の感想でちらほら見かけて、僕も同意見なんですが、91年の『息子』って映画が『東京物語』にすごく影響された作品なんですよね。あと『秋刀魚の味』とか入ってる。
    つまり『東京物語』→『息子』→『東京家族』。で、『息子』は山田洋次節がめちゃくちゃ出てる作品。
    なので、『東京家族』を観た方には『息子』をお薦めしたいです。見比べてみると色々と気づく点が多いと思う。

    『東京家族』は、小津さんの『東京物語』をトレスしてる部分が多いんですけど、違う部分もかなりあって。んで、違う部分ってのが山田洋次の部分なんですけど。つまり『息子』と合体させてるんですけどね。

    これ、無理に合体させる必要があったのかなあ?って思います。なんかそこがカチ合ってて、上手いこと融合してない気がするんです。私が「合体」って言ってるのは釣りバカのオマージュですけども笑。
    小津パートをトレスして再現せずに、名前と設定だけ流用して、山田洋次の世界にもっと寄せた方が良かったんじゃないかなと。

    『東京物語』といちばん違うのは、兄弟の数。次女と三男がいるんだけど、カットされてる。ここはまあ尺の都合もあるし良いんだけど。
    次男の昌次(リメイク版だと妻夫木聡)は、戦争に行って死んでるんです。だからその妻の紀子、節っちゃんが「すごい良い人」ってのが際立つんですけど。もうね、マリア様とか菩薩レベル。節っちゃんマジ天使ってやつです。

    この設定がないので、リメイク版の紀子、蒼井優が「良い人だねえ」っていうのがなんだかよくわからなくなっている。んで、実際に蒼井優の紀子は現代的になってて、そこまで良い人ではないですね、普通の人です。「感じが良い人」ってのをセリフで言わせちゃってて、行動で表現してないから。

    あと、笠さんの演じてた周吉ってのは、これまた悪いとこ感じないんですね。だって笠智衆ですよ!?御前様ですからね笑。すごくイノセントな感じのね。
    対して、橋爪さん版の周吉って、ちゃんと悪いとこがあるんですよね。だからあんまり同情もできないし、言ってることも「監督のただの愚痴」にしか聞こえない笑。

    つまり、次男の昌次を復活させて、『息子』にしちゃってて、『おとうと』の蒼井優と合体させる、っていう話なんですね。
    小津作品だと次男は欠落してることが多いんだけど、山田監督はどうしても『息子』にしたかったのかな。

    色々と考えるうち、私が思ったのは…昌次を震災で亡くなった設定にしてしまうのもアリだったんじゃないかなあと。
    震災の影響で公開延期、そして脚本を変えて震災の内容を入れてるのは、山田洋次監督が「今」をどうしても焼き付けたかったからだと思うんですが(『家族』の万博と同じ)、やっぱりそこが上手くいってない気がします。

    たとえば、割と公開時期の近い『ヱヴァQ』なんかだと、庵野秀明が『シンゴジラ』で震災を消化できるまでそれから4年ぐらいかかってるんで。
    クリエイターたちだけではなくて、我々も全く同じだと思うんですけど、自分の中で落ち着くのは、やっぱりそのぐらい時間がかかるもんなんだと思う。最近のドラマなんかを観てもそう感じます。

    山田洋次作品のテーマ、キーワードで言うと「家族」「労働」そして「幸せ」だと思ってるんですけど。
    寅さんの新作のキャッチコピーが「いま、幸せかい?」でしょ。それから『幸福の黄色いハンカチ』ね。『学校』の最後の授業は何についてだったか、ね。
    「幸せって何だろう?」ってのが、山田洋次作品の一貫したテーマになってると思うんです。

    この映画で最も感動するシーンも、セリフで「幸せ」って単語が出てくるところでした。

    ところで、山田洋次作品のレギュラー脇役になってる近藤公園くん。今回もどこかで出るんだろうか?と思いながら観てたら、けっこう面白い感じで出てくるので、公園くんファンにはお薦めです。すげーちょい役だけど笑。

  • 山田洋次監督、2013年作。橋爪功、吉行和子、西村雅彦、夏川結衣、中嶋朋子、林家正蔵、妻夫木聡、蒼井優出演。

    <あらすじ(ネタバレ)>
    広島の離島に住む周吉(橋爪)と妻のとみこ(吉行)は、東京に住む息子たち(長男幸一(西村)医師。妻文子(夏川)。長女滋子(中島)美容室経営。夫庫造(林家)。次男昌次(妻夫木)フリーター)に会いに来る。しかし、幸一が立てたお台場〜横浜見物は急患対応で流れ、昌次は東京見物に付き添うもうなぎ屋で周吉に説教される。滋子案のリゾートホテル宿泊プランに周吉らは予定を切り上げて帰宅。滋子はその晩、対応できないと言い出し、周吉は友人宅に、とみこは昌次宅に泊まる。
    周吉はあてにしていた友人沼田(小林稔侍)の息子の嫁が嫌がるとして、沼田宅に宿泊できず飲みつぶれて幸一宅に戻る。とみこは昌次宅でフィアンセの紀子(蒼井)を紹介され、たいそう気に入り意気投合し、上機嫌で幸一宅に戻るも、脳出血で倒れ亡くなる。
    お骨とともに広島で葬式を済ませた周吉は、幸一が引き取って面倒を見る提案を受けるが、ここで1人で暮らす、何とかなると拒否、子らはサッサと帰京。昌次と紀子だけがその後も数日、周吉を世話する。帰京の折、周吉は紀子に、感謝と昌次の将来を託す言葉を示すと紀子は号泣。
    1人で爪を切る周吉、瀬戸内の島嶼で幕。

    <コメント>
    •山田監督のパターン2つ。
    1つは「女性のあるべき像」で、今回は紀子。
    もう1つは、思いを伝えられない息子との諍いから融和への流れ。
    パターンかしているがそこがいい。
    •東京で暮らす息子たちは日々の仕事に追われ、周吉たちに心を失くした対応をとる。トゲのある滋子の行動も忙しさが遠因だろう。うまく育てた子供たちとはリズムが違う。「東京には2度といかない」は、批判的な意味よりは、もう違うリズムで生きれないということ。
    •うまく育てたはずの子らは自分をいたわらない。その原因づけが自分にあることを周吉は知り、受け入れる。対して、ずっと諌めてきたできの悪い昌次が1番、周吉のリズムに合っていた。
    •老いた親にとって子らに欲しいのは、仕事ができたり生活力があることではなく、寄り添ってくれる優しさ。そのことに気付く映画。

  • みんな、いい人。普通に、いい人。

  • 離れて暮らす両親のこと、自分自身の将来のことを考えながら観てしまう作品でした。作品の後半、涙もろいわたしは折りたたんだティッシュを眼鏡の鼻のところに挟んで、涙止めをしながらの鑑賞しました(笑)エンドロールの空の色がとてもいい色でしたね。また観よう。今度は大切な人と観たいです。

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著者プロフィール

1931年大阪府生まれ。54年、東京大学法学部卒。同年、助監督として松竹入社。61年『二階の他人』で監督デビュー。69年『男はつらいよ』シリーズ開始。他に代表作として『家族』(70)、『幸福の黄色いハンカチ』(77)、『たそがれ清兵衛』(02)、『家族はつらいよ』(16)など。2012年に文化勲章を受章。

「2019年 『男はつらいよ お帰り 寅さん』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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