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- / ISBN・EAN: 4988111244246
感想・レビュー・書評
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TVにて
チャールズブロンソン,若い頃を演じるのは少々苦しいようで,,詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
撮影の危険が大きすぎて中断された実話のマフィア映画。人を利用せず、裏切らないを信条にマフィア要人の運転手になったバラキ、しかし組織の権力争いに巻き込まれてしまう。監督のテレンス・ヤングは、007シリーズで成功した後は、大物俳優をキャスティングした作品を連発。
007 ドクター・ノオ - Dr.No (1962)
007 ロシアより愛をこめて - From Russia with Love (1963)
007 サンダーボール作戦 - Thunderball (1965)
暗くなるまで待って - Wait Untile Dark (1967)
夜の訪問者 - Cold Sweat (1970)
レッド・サン - Red Sun (1971)
バラキ - Valachi (1972)
アマゾネス - The Amazones (1973)
『バラキ』(原題: The Valachi Papers)は、1972年制作のイタリア・フランス・アメリカ合作映画。テレンス・ヤング監督。チャールズ・ブロンソン主演。
オメルタ(血の掟)を破り、現役のマフィア構成員で初めてマフィアおよびコーサ・ノストラの実態をアメリカ議会(バラキ公聴会)で証言したジョゼフ・ヴァラキの証言を基にした、ピーター・マーズ(彼は『セルピコ』の著者でもある)のベストセラー『マフィア/恐怖の犯罪シンジケート』(The Valachi Papers, 日本リーダースダイジェスト社)の映画化。
ヴァラキの証言を通して、オメルタから始まるコーサ・ノストラ入会から出世、逃亡、そして当局に保護されるまでを描くことで、ラッキー・ルチアーノ等、実名で登場する本物のマフィア、コーサ・ノストラの歴史・実態が解り易く忠実に再現された。
制作の経緯:
1968年に『マフィア/恐怖の犯罪シンジケート』がアメリカで出版されると、たちまち全米でベストセラーとなった。この映画化権を買い取ったテレンス・ヤングは様々な映画会社・プロデューサーに話を持ちかけたが、内容が内容なだけに皆及び腰だった。そんな中、マフィアのルーツであるイタリア出身のディノ・デ・ラウレンティスがこの話に乗ったものの、当時はまだヴァラキ、ヴィト・ジェノヴェーゼとも存命(2人とも獄中にいた)で、しかもジェノヴェーゼは獄中からでも殺人を指示出来る程の強大な権力を持っていたため、制作開始のタイミングを慎重に見極めざるを得なかった。
その後、1969年にジェノヴェーゼ、1971年にヴァラキが相次いで獄中で死去した事からハリウッドのコロンビア映画からゴーサインが出され、1972年3月14日、ニューヨークでクランクインしたが、ニューヨーク・マフィアのアンソニー・E・コロンボから脅迫を受け、わずか18日で撤収、その後はローマにあるラウレンティスのスタジオで撮影が行われ、完成にこぎつけた。(Wikipedia) -
「午後のロードショー」にて。なるほど、マフィアの内幕を司法取引で暴露したという、この話があって、「ゴッドファーザー」や「グッドフェローズ」が生まれたのだな。結局釈放されず、自ら命を絶ったのが無残。
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チャールズブロンソンの映画をなるべくコンプしようとしてるんですけど、『バラキ』はコーザノストラ、イタリアンマフィアの映画です。マフィア映画といえば『ゴッドファーザー』が有名ですが、『バラキ』の方は実録もの。このふたつの映画には因縁があって、バラキの原作が発表された翌年にゴッドファーザーの原作が出てます。言い方は悪いですがこれたぶんバラキをパクって、いや参考にしたんでしょうね。
バラキの方は実名なんでマフィアからの圧力がヤバくて、製作が難航し結局イタリアで撮ったそうなんです。そんなこんなモタモタしてるうちに、ゴッドファーザーの公開は1972年3月、バラキの公開が同年11月と結局先を越されてしまった、可哀想な作品。ちなみにプロデューサーはディノデラウレンティス、さすがです。
さらに悲しいのは、ゴッドファーザーの方が映画として面白い点。カッコいいんですよね。で、これはさらにスコセッシがそんなことない、ってグッドフェローズを作ったんだったような。
だからといって、バラキが面白くないわけではない。ちゃんと面白いです。特に、最初の大ボス・マランツァーノは元々神父を目指していたインテリなところとか、事実なだけに驚きも大きいです。バイオレンス要素も、言うとネタバレだけど『戦争のはらわた』や『レザボアドッグズ』に匹敵するようなシーンもあります。
ちょっと面白かったミスとして、WTCビルが映っちゃってるシーン。当時、丁度建設中だったみたいですね。 -
★.:*† 美しいテーマ曲 †.:*★
テレンス・スタンプ監督のタッチ、当時とても斬新に感じられたのを覚えています。
同監督は、あらゆる映画会社やプロデューサーに本作の製作を打診したご様子。しかし周辺の方々は作品の内容を鑑み、みな一様に慎重だったとかで…
そうした中、伊出身のラウレンティス氏が製作話に加担。 しかし、当時はまだヴァラキ、ジェノヴェーゼのふたりは共に獄中に在り、更にジェノヴェーゼは、獄中から殺人指示を出せる権力を保持していたということから、本作の制作開始のタイミングを極めて慎重に見計らっていたそです。
1969年にジェノヴェーゼ、そして1971年にバラキが、共に獄中で死去したことを受け漸く製作にGoサインが出されたとのこと。
が、バラキ死後の翌年にニューヨークでクランクインするも、ニューヨーク・マフィア(A・E・コロンボ)から脅迫を受け、僅か2週間少々で撮影現場を撤収!
その後、ローマのラウレンティス氏のスタジオに移行のうえ撮影が再開され、完成に至ったとの記述を目にいたしました。
そうまでして完成に辿り着いただけのことはある「重み」を感じる作品に仕上がっています。
また、個人的にひじょうに印象に残ったのは残酷な映像とは裏腹に、リズ・オルトラーニ氏の”バラキのテーマ”が秀麗で美旋律であるという点。
公開当時、この曲をFM放送にリクエストしていたことを思いだしました。
(*オルトラーニ氏と云えば『世界残酷物語』のテーマで広くその名を知られましたね。)
(視聴可能URL→http://www.youtube.com/watch?v=C7h9Tbx0d-w)
ヴァイオレンス作品にはこういった流麗な旋律が用いられているものが多いように思えます。
この、一見ミスマッチが過酷な世界での男の生きざまをスタイリッシュ、且つ、短絡的で哀れな心情を表現するに功を奏していると感じ、私はいつも高く評価しています。 -
何か『ゴッドファーザー』に似ているな、と思ったらあっちは実話を元にしたフィクションで、こっちは実話をほぼ忠実に再現している、とのこと。納得しました。でもやはり、『ゴッドファーザー』の重厚な感じの方が好きです。
あと、駆出しの頃のバラキが、車で川に飛び込むシーンで、対岸に貿易センターのツインビルの影が描かれていたのには、ちょっとがっかりりました。1930年の話です。