あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。 コミック 全3巻完結セット (ジャンプコミックス)

著者 :
  • 集英社
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感想・レビュー・書評

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  • いやぁ~泣いたわ~!
    漫画読んでこんなに泣いたんは
    ホンマどれくらいぶりやろ~( >_<)

    最近では珍しく原作のない
    完全オリジナルアニメーションでスタートしたこの企画。
    深夜枠にも関わらずアニメ好きの間で話題になり
    映画版も大ヒットし
    ずっと気になっていたんやけど、
    とにかく岡田麿里の脚本が素晴らしい。
    アニメをほぼ忠実に再現した泉光のイラストも◎。


    物語は高校入試に失敗し、引きこもりとなった少年じんたんのもとに生前出来なかった、
    ある「願い」を叶えて欲しいと突如現れた、
    小学校時代に死んだハズの少女、めんま。

    最初は幻覚だと思っていたじんたんだったが
    久しぶりに再会したぽっぽという少年に後押しされ、めんまのお願いを探るうちに
    めんまのために本気で 
    その「願い」を叶えてあげたいと思うようになり、
    小学生時代に結成したいつも一緒だったグループ
    「超平和バスターズ」のメンバー5人を再び集結させるのだが…。


    主人公は超平和バスターズのリーダーであったが
    自分が言った心無い言葉でめんまを傷つけてしまった直後に彼女が事故で亡くなったため
    心に傷を負ってしまう少年のじんたん(宿海仁太)。

    見た目はイケイケギャル風ファッションの今どきの女子高生だが
    自分の不用意な発言が
    結果的にめんまを死なせてしまったと今も後悔している、あなる(安城鳴子)。

    めんまへの想いを抑えきれず
    リーダーであるじんたんに対抗心を燃やし
    めんまの死後、精神に異常をきたしていく少年、ゆきあつ(松雪集)。

    いつもグループの関係が上手くいくように陰からフォローしていた

    ゆきあつと同じ進学校に通う
    物静かでクールな女子高生、つるこ(鶴見知利子)。

    小学生時代はチビでビビリでみそっかすだったが、
    今では誰よりもデカくなり
    世界中を旅する逞しい少年に成長した、ぽっぽ(久川鉄道)。

    記憶の片隅に封印したハズの
    ある少女の死が
    めんまの出現によって蘇り、
    事件と向き合わざるをえなくなる少年少女たちの苦悩が
    リアルに描かれていく。


    わずか三巻の漫画なのに
    心を揺り動かす名シーンの多いこと。

    泣き虫だっためんまが生前、
    最後に見せた無理やりの笑顔。

    霊となっためんまが自分の存在を知らせるため
    花火で作った無限大∞。

    目には見えなくても
    めんまがそばにいることを感じ、
    甘くてあったかいコーヒーをめんまのために
    入れてあげるバスターズのメンバー。

    生きる気力を取り戻し
    めんまの願いを叶えるために工事現場で働くじんたんを
    ピカピカの光りで照らすめんま。


    霊となった自分を誰にも信じてもらえなかったり、 
    (霊となっためんまの姿はじんたんにしか見えないのです)

    自分が死んだことで誰かがいまだに傷を抱えていたり、
    事故のことを忘れたがっている家族がいる自分の家に
    帰ることが出来なかったり、
    めんまが霊になっても
    誰も喜んでくれないツラい現実。

    そんな状況下でも
    いつもじんたんを気遣いおちゃらけてみせる
    めんまという少女の健気さが
    ほんま泣ける。

    そしてゆきあつが好きなつるこ、
    じんたんを好きなあなる、
    残された少女たちは
    それぞれの好きになった少年が
    めんまを忘れられないというジレンマを抱えながらも
    仲間だっためんまのため、
    好きになった少年たちのために
    二人を支えていく展開がまた
    どうにも切ないのです。

    めんまが亡くなったことで
    それぞれ罪の意識を感じていたメンバーが
    めんまの「お願い」を叶えてあげるために奔走し、
    いよいよそれを叶える時、
    それは本当のお別れの時なんですよね。
    (叶えてあげたいのにそれをすると
    もう会えなくなるというジレンマよ)

    めんまからのメンバーへの最後の手紙と
    最後のかくれんぼ。
    かすかに甘い別れの匂い。


    今まで僕自身、数え切れないほどの別れを経験してきたけど、
    人は別れを幾度となく経験し、
    いつも同じところでつまづいて泣く。

    けれども別れは決して終わりじゃない。

    例えば極端に振り切れてしまわないと絶対に見えてこないし得られないものが人生には沢山あるし、

    もう二度と戻れなくなってからじゃないとその中で守られていたことにすら気がつかなかったり、

    一度そこから飛び出してしまわないとその温もりには絶対に気付かなかったり。

    別れが本当は始まりであることが,
    彼らにもいつか分かる時がくる。

    たとえツラい別れをしても、
    もう二度と会えなくなっても、
    別れという経験は決して無駄になんてならないと僕は学びました。

    誰かと心通わせた記憶は人の一生を支え、
    どんなに不幸なことがあったとしても、
    その記憶が自分を救ってくれる。

    ホンマいい漫画だし、いいアニメなので
    是非とも!

    https://www.youtube.com/watch?v=yk1mv55g9YY&feature=youtube_gdata_player
    ↑TVアニメ版の主題歌と名場面が見れます。ハンカチをお忘れなく!

  • ■書名

    書名:あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。 コミック 全3巻完結セット
    著者:泉 光 (著)

    ■概要

    あの日、ここで止まった時間が、動きだす。
    小学生の時に友達と“超平和バスターズ”というグループを作り、
    “じんたん”と呼ばれていた少年・宿海仁太。“めんま”の死をきっかけに
    グループはバラバラになってしまっていたが、彼の前に突然めんまが現われて――!?
    (amazon.co.jpより引用)

    ■感想

    以前から興味あったけど、アニメも小説にも手を出していませんでした。
    で、とりあえず漫画版が一番時間がかからず読めるかな?と思い手を出して
    みました。

    登場人物達の過去の後悔を軸にしながら、それを解決し人間関係を修復していく
    物語です。

    読んでいて、いまいち主人公が死んだ理由がよく分かりませんでしたし、
    後悔の内容も一部は「うん?それ違くない?」と思うものはありました。

    子供の頃の後悔を抱えたが故、そのままこじらせて高校生になった主人公達
    が少しガキ過ぎるのが気になりましたが、まあ、それも後悔ゆえという事で
    しょうね。
    誰しも後悔は抱えていても、それを忘れたり、自分なりに決着をつけながら
    生きていくものですが、それが出来なかった人間たちの物語です。
    ということで、個人的には、「実は共感できる人が少ないのでは?」と思う物語でした。

  • なかなか入り込めなかったけれど、これが年齢なのかしら。いつか会えるのかなー。

  • これは残された者たちへの鎮魂歌だと思った。大事な誰かを失い、残された者たちの魂が、ずっと宙ぶらりんなさまがとても品よく重くなりすぎず描かれている。いい大人がほろりとさせられる、なかなかの良書。ラストのかくれんぼの場面がたまらなくせつない。あざとい泣かせかたでないのがまた好感。

    特にめんまの弟のセリフが現実的でぐっときた。それにめんまのお母さんも生々しい。昔、友を亡くした私も、じんたんたちと同じように友の家に行こうと考え、家族の感情を想像した結果あきらめた、あのときの答えを見せつけられたようだった。この場面では、私のなかの「残された者の浮遊する魂」がやっと現在の自分に戻ってきた感覚を味わった。

    アニメを少しだけ観たことがあった。じんたんの家の賞状をはじめとする、細かい情景が丁寧に表現されていたのを覚えている。情景によるキャラや設定の補足なんかは、やっぱりアニメの方が得意分野かもと思う。時間を惜しんで漫画を選んで読んだけれど、漫画ではそういった情景やら空気感なんかはわりとあっさりで足早な感じだったので、できればアニメも観てみたいと思った。

  • アニメでやっていた時はただ何となく見過ごしてしまっていたが、さんまが漫画原作が良かったと言っていたので読んでみた。確かにいい話だとは思うが、子供の頃に起こったことをそんなにこだわるやつはまずいないだろうが、それでは物語は成立しないか、まためんまが消えるだけで終わるのもくふうがないのではないか。少女漫画の分類に入るのだろうか、萩尾望都や竹宮恵子、大島弓子の少女漫画の黄金期のことを思い出した。

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