- Amazon.co.jp ・電子書籍 (219ページ)
感想・レビュー・書評
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最終的なテーマ(?)的なところは同作者の「南極点のピアピア動画」と一緒だけど、こちらの方がさらに軽くて読みやすい。
女子高生が偶然発明した「ふわふわ」という画期的な素材を巡る物語。
ご都合主義と言ってしまえばそれまでだけど、ライトなハードSFですよ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
フラーレンを作ろうと実験中に、アクシデントが起こり、炭素骨格を持った軽くて硬い物質を作ってしまった浅倉泉。その粒子で軽くて丈夫なものを作る会社を立ち上げる。丈夫で高速航行できる飛行船に始まり、空中の家、宇宙エレベーター…。
ほんわかしたイラスト(かなり懐かしいタッチ)に、学園物のスタートから、ゆるいライトノベルかと思いきや、初っ端から化学や物理を武器にザクザクと書き散らしていくスタイルで、のっけから度肝を抜かれてしまった。中途半端なSFよりも、ちゃんとSFしている。
都合良く書かれすぎている部分も多いため、子供だましと思われがちな部分もあるだろうが、新しい素材が発見されたとしたら、こんな事もできるかもという部分が、明るい未来として描かれているのは、今風ではないのかもしれないが、楽しい。
一方で、中高生あたりに照準を合わせているせいもあるが、登場人物の話し方がなんとも蓮っ葉で投げっぱなし、人によっての言葉の書き分けをされていないため、泉たちが乱暴な人物に見えてしまうのは残念だ。
途中の、全く違う話になってしまうのかと思われた部分が、結局生かされているとは言えない感じの終わり方で、もうちょっと工夫が欲しかった。
ライトノベルだろうけど、SFを馬鹿にしている大人にも読んでもらいたい一作だ。 -
女子高生が主人公で序盤は親しみやすかったがその後、物語スケールが一気に膨らみ天文物理系描写が凄くイメージし辛くラストもブツ切りに感じた。
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読了。空気よりも軽くてダイヤモンドよりも強い新素材を女子高生が開発したら…という話。冒頭はゆるいラノベみたいにはじまるけど、かなり早い展開で著者の持ち味である(と思っている)テクノロジーをフックにした壮大な構想がどんどん実現していくのは勢いがあってよかった。そして、主人公の邪魔をする頭の悪い人物が出てこないのもよい(ここ大事)。全体として、タイトル通りふわふわと、さらさらと読めてしまうが、書いてあることは完全に荒唐無稽というわけでもなくて地に足のついた理論ではあるのだろうなと思った。
どうでもいいけど、あとがきを読んでからやっとこの本のタイトルや主人公の名前がクラークの「楽園の泉」を下敷きにしてるのかと気がついた。軌道エレベーターの話になったあたりで気付きそうなものだが…。異星人のくだりは「宇宙のランデブー」もイメージとしてはあるのかしら。 -
全体を通してゆるーーーく、ふわーーーーっとした話。軽く楽しく読めます。この一貫性、ちょっとくせになります。それこそ、ふわふわの綿菓子の様なかわいいお話です。
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著者の作品に出てくる異星人にはいつも勇気付けられる。考え方が合理的で、これって所謂、悟りの境地なのかも知れない。
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展開は大雑把だし、そのくせ詰め込みすぎな感はあるけれど、こういう行動力のあるSFは好きだ。雰囲気は全然違う(ふわふわ)けど、その点で確かに『楽園の泉』に通ずるところがある。
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(131021)
かなりしっかり作りこまれたSF。
なので、評価されるのも理解できるのですが、
物語として面白かったかというと、個人的に疑問符が。 -
安かったから勢いで買った本だったけど、予想以上に面白かった。科学考証的にどこまでが本当でどこまでがファンタジーなのか判断つけられるほどの知識はないのだけど、「ふわふわ」と呼ばれる物質を中心に様々なビジネス展開をする流れが興味深い。