- Amazon.co.jp ・電子書籍 (259ページ)
感想・レビュー・書評
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『神様は勝たせない』以来の白河三兎san。
あの夏、確かに僕は恋をした。夏の終わり、僕は裏山で「セミ」に出逢った。木の上で首にロープを巻き、自殺しようとしていた少女。彼女は、それでもとても美しかった。陽炎のように儚い一週間の中で、僕は彼女に恋をする。あれから十三年―。
「セミ」と「イルカ」の切ないお話し。中盤までは引き込まれたのですが、終章で、セミがいなくなって、アサミが現れて、刑事事件、プール集合、妻との会話、地元に帰る という展開が一気に起こりすぎて、全体が分からなくなってしまいました。指輪に刻まれた名前が全てだったのでしょうか。。
【第42回メフィスト賞】詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
最初はスカした感じで全然ハマらなかったが、読み進めて行くうちに隠された事実が明らかになり、ラストシーンではなんとも言えないどエモい気持ちになっていた。
伏線回収についても、回収されたと分かりやすい構成になっているため驚きが増した。 -
セミの魅力に、一気に読み進まされた。 結末は人によって解釈が違うのかもしれない。 命をかけた思いやりに主人公が長い長い時間をかけて気づく物語、に思えた。
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再読。自分の中で、この物語の解釈はゆらゆら固まってきたけれど、それを細部まで納得できているか、というとそうではない。もし作家さんに本当の意味を質問できるなら、聞いてみたい本No.1。最終章を除き、細かく、読者の予測を外してくる文章が続く。ミステリー風味、なのかな?とにかくふらふら外されながら、気が付いたら物語にどっぷりつかっている。最終章は、美しい表現がちりばめられ、今までとうってかわって、一気に読者を導く。性的なイメージを導く展開をおそらく、意図的に使う人なので、そこを飛ばしてしまう自分が残念だ。