白雪姫には死んでもらう 刑事オリヴァー&ピア・シリーズ (創元推理文庫) [Kindle]
- 東京創元社 (2013年5月30日発売)
- Amazon.co.jp ・電子書籍 (562ページ)
感想・レビュー・書評
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オリヴァー&ピアシリーズ第2作。冤罪で服役し、出所したことから事件は再燃する。狭い村の濃密な人間関係から巻き起こる、悍ましい連続殺人事件であるが、最後まで飽きさせずに読み切れる。
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白雪姫と呼ばれた少女たちを殺した罪に問われたトビアスは、無実を訴えた。けれども有罪となり、罪を償い、生まれた小さな村に戻った。
両親は殺人者の親として嫌がらせを受け、大切にしていたレストランも閉店していた。
出所した元少年の身の回りに不穏な嫌がらせが起こる。母も何者かに襲われ意識不明の重体になる。
トビアスは過去の事件において無罪であろうことは読者にはすぐにわかる。
では誰が殺したのか?
小さな村の中のしがらみのある人間関係は陰鬱で、外から引っ越してきたメアリー(殺された白雪姫に似ている)が、風通しのいいキャラクターで魅力的だ。
過去を知らぬアメリーがトビアスに惹かれるのも当然だし、トビアスも彼女が居るから救われるところがあっただろう。
物語が進むにつれ、気が重くなるのだが……でも、やはりこの2人が主軸であってよかったなぁと思うエンディング。
ただ、小さな村でこの先どう生きていくんだろうとは考えさせられる。 -
2020/02/17
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うわーーーー。
このオリヴァー&ピア シリーズも面白かったぁ!!
長編なのに飽きないで、一気に読ませてもらったぁ。
冤罪を軸にした小説ほど、ムカムカする話ってない。
もういつトビーの罪が晴れるのか、早く真相を掴んで欲しいと思うと、ページをめくるのが早くなる。
本当に、やってもいない罪をきせられ、家族をボロボロにされた姿がかわいそうで。。。
しかも、小さな町全体でグルになって隠し、そして出所しても彼の家族にあたるとは。。。
なんつー悪魔な町なの。
そして、一つ一つ真相が芋づる式に明らかになっていくと、読んでて驚きと嬉しさでもう胸がいっぱい。
ほんと面白くって、フルコースのご馳走を食べたみたいに大満足です。 -
刑事オリヴァー&ピアシリーズ。前作にも増して複雑なプロットとスピード感は読み応え十分。最後のどんでん返しも鮮やかだ。
それにしても、人間のおぞましさというか、悪意というか、これほどまでに醜く描かれているのも珍しく、ちょっと読後感は良くない。主人公達も弱さが見え隠れして、感情移入しにくいのがマイナスだろうか。