2021年5月10日記述
新ブラックジャックによろしく第7巻。
佐藤秀峰氏による著作。
ビックコミックスピリッツ2007年8号 - 2010年33号の間、連載された。
近藤夫妻より、過去の美和ちゃんの話を聞いたことで斉藤英二郎は過去のそれぞれの近藤夫妻の立場を体現していると。
誰もが幸せになれるものでは無いと・・・・
赤城の母が病院を訪ねてくる。
赤城が父から腎臓移植を受けた。
ただ家族の中で母や姉も
腎臓移植候補となっていた。
妹の為に移植を名乗り出た姉に対して生涯で一度だけ父は叩いたのだという。
ここは非常に大きな親の愛が描写されていると思う。
斉藤英二郎は皆川由紀子を連れ自身の実家に戻る。
ただ赤城に腎臓を提供する予定であると伝え事実上の勘当状態になってしまう。
親から貰った身体、臓器提供というものの難しさの描写でもある。
*無論結婚予定相手に腎臓提供したいとかなら話は違ったのかもしれないが。
つくづく不器用な生き方しか出来ないのか斉藤英二郎は・・と思った。
またそれがこの作品の魅力でもあるのだけれど。
そして開かれた倫理小委員会。
医者として患者を救いたいのだというのはもっともである。
ではなぜ赤城カオリでなければならないのか?
公平性の壁に激突する。
それに対し斎藤は誰かを大切にするということは誰かを大切にしない事でもあると。
もうちょっとした哲学的な問題だなと。
ここまでの厳密な議論、論争は人生においてもなかなかあるまい。
会社の会議では生産性を高める為に30分以内でやるとか、誰が何をいつまでにするかを具体的に決めていく場だ。
このような議論の場は大切な事ではあるが、実は大半の人間は直面することも無く日々生活している。
もちろんなし崩しに物事が進むのを止めることも大事な事だ。
自分自身の経験だと大学祭実行委員会などでおそらく旧学生闘争の組織の残滓がこのような長時間に及ぶ議論、議論の為の議論をしていた記憶がある。
正直かなり面倒ではある。
なんたって実際は何も物事は進んでいないから。
STAND BY ME描くえもん第7話
描いた漫画が大ヒットし、映画化などの話まで進む。
編集部から近い所に住めと言われ都心の広いマンションに移り住む。
ただ原作者とのトラブルの予感が・・・
繰り返しになるが、契約をはっきりと結んでおく事の重要性だ。