騎手の一分 競馬界の真実 (講談社現代新書) [Kindle]

著者 :
  • 講談社
3.63
  • (4)
  • (3)
  • (8)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 40
感想 : 8
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・電子書籍 (155ページ)

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 普段から見ているブログで書かれたレビューで気になって購入。で、購入したその日のうちに一気読みしてしまった。藤田伸二が好きだってのもあるけどね。

    トップジョッキー(と言ってもここ数年は去年はかなり成績が落ち込んだが)の藤田伸二が、騎手の立場から見た競馬会の問題点を指摘した内容。

    あくまで騎手の目線で書かれている内容なので、これが全てとは言わないし、思わない。調教師には調教師の、調教助手には調教助手の、馬主には馬主の、JRAにはJRAの目線があるだろうし、それぞれの立場ごとに正義と正しさがあるはずで、外野としてはそれを全て踏まえた上での判断をするべきだと思うし。

    でも騎手が自分の立場で問題点を実名を上げて指摘しまくったというのは、非常に評価できる一冊だと思う。これでますます藤田の騎乗は少なくなるだろう。正直、今まで評価してくれてた調教師や馬主も、支持しづらくなるんちゃうかな。

    それだけ騎手という立場に未練も固執もないってことなんだろうと思うけど。だからこそここまで書けたんだろうし。

    確かにルールを作っているJRAが一番悪いのは事実だと思う。でもJRAが全て悪いってのもちょっと暴論かな、と。馬主が自分の利益を最大化するために独占化を進めていったことも問題だろうし(社台グループとかね)、馬にダメージを与えたり他馬を邪魔するような騎乗をするジョッキーを重用する調教師も問題だろうし、馬や他者に被害を与えても勝てばいいという騎乗を重ねるジョッキーも問題だろうし、色んな所に問題があると思う。

    それでもまあJRAがルールを改正することで変わる部分も多いだろうね。そこが一番影響が大きいだろうし。

    ただ、一番の問題は、最終章で指摘しているように、「競馬界に魅力がない」ことだろうな、と。夢がない、という言い方もアリかもしれない。

    短絡的な観客動員数を目当てにしてギャンブル性を高めていったことも問題だろうし、武豊のようなスタージョッキーがいなくなったこともあるだろうし、スターホースがいなくなったこともあるだろう。

    JRAはもっと中長期的に仕組みや組織を考えていくべきなんじゃないかな、と思う。競馬ファンとして、そこは考えてほしいな。

    そして藤田伸二が本書で指摘しているように、日本人の若手がもっと伸びてくる、チャンスを与えられる環境を整え、成長を促していくことが大事だと思う。それこそが、最終的には競馬の人気につながるのだから。

    所詮ギャンブル、で終わらせるのか、単なるギャンブルで終わらせないのか、これからの数年にかかってるだろうなぁ。このままだと競輪、競艇、オートレースのように『単なる公営ギャンブル』としか見なされなくなるよ。本当にそれでいいのか?JRAはそれを望んでいるのか?

    個人的には、ここ最近の「かつてのトップジョッキー」の騎乗数減少や勝鞍の減少の理由の一端が分かってスッキリした。浜中俊(ごとき)がリーディングになった理由もね。

    そして、ここ数年、某有名冠名を持つ馬に武豊が騎乗していないことに、違和感を覚えていたんだけど、その謎も解消されて、スッキリした。それだけでも僕にとっては読む価値があったわ。

  • 『第4章 なぜ武豊は勝てなくなったのか』

    読みたかったのは、ここ。

    藤田の見解を在り体に云えば、「いい馬が回ってこなくなったから」。
    身も蓋もありませんな。
    まあ武豊は、いい馬に乗ったら確実に勝たせる、という点で名騎手だったのだけれど。

    それにしても、80年代後半〜90年代〜00年代前半とずっと競馬を見続けて身からすると、あの武豊が重賞を殆ど勝てずリーディングの下位に甘んじているということが未だに信じられなくもある。
    藤田がこんな世捨て人みたいになって、騎乗数が激減しているという事実も正直知らなかった。

    もはや自暴自棄になったかつての名騎手の暴露本、といった体で、藤田が岩田康誠や福永を嫌いなのはよく伝わってくるけど、大手馬主や調教師、外国人ジョッキー、エージェントを批判するのではなく「悪いのはJRA」の一言ですべて締めくくってしまうのは、まだまだ正直になりきれてないのかな、とも。
    エージェント制導入なんて全然知らなかったけど、すり合わせからモジュール化へという世の流れを受けているようでいて、元・競馬記者が人脈を生かしてエージェント業をやってるなど、確かに中途半端なんだよな。

    それにしても、1996年をピークにJRAの売り上げが半分近くに激減しているのはまだしも、入場者数もほぼ半減というのはかなりショッキングだった。
    ダービーや有馬記念での、あの地響きが唸るようなスタンドの大歓声が懐かしい。

    また競馬場に行ってみようかな。

  • ・最近の競馬界の違和感を解消してくれた本
    ・暴露過ぎで大丈夫?
    ・JRAの無策ぶりと大牧場、大馬主の影響力、騎手との関係が纏まった(暴露された?)良書
    ・藤田騎手から見た岩田騎手の騎乗フォームや外国人騎手についての考察
    ・藤田騎手から見たカッコいいフォームの騎手
     秋山、和田、北村、上村、津村、松田大作騎手
    ・エージェントが生まれた。元競馬新聞記者たち。
     元々は岡部騎手が90年代半ばから後半にかけて旧知の記者に頼んだのが始まりか。
     (その際の年間騎乗回数は約650)
     1エージェントは騎手3人と減量騎手1名まで。
     JRAの届け出制度が開始は06年5月。
     稼働エージェントは約20人、競馬専門誌の現役記者が約15人、元記者が5-6人。
    ・浜中、福永騎手については残念

    ・若手騎手の育成ということに関して考えている関係者、いるのかね
    ・調教師の力が弱くなった


    →馬主、牧場、クラブ、の台頭に対して、騎手、調教師の事を考えた競馬界を作っていかないと、日本の競馬のためにならないよね。JRA大丈夫ですか?って感じ。

  • 競馬は好きなんだけど、今はそんなに魅力を感じていない。だから「そうだったのか」と、裏付けるようなこともいくつか感じられた。
    それにしても、現役騎手さんが「ここまで書いいていいの?」と思えるところがしばしば見受けられた。

  • 彼は現役騎手です。
    本音や競馬界の現状を事細かに記しており、嘆いていました。
    彼ほど実績ある騎手が、何故騎乗数減ったのか?
    ……と以前から疑問を抱いていたが、読んでみて理由が分かりました。
    以前ほど馬券を購入しなくなったとはいえ自分も競馬ファンのひとり。
    個性ある騎手が減っている現状がとても嘆かわしいです( ノД`)…

  • 競馬の事詳しくないけど売れてるから読んでみようと思ったら、案の定何の話だか分からなかった。あうあうあー。

  • 若い頃はそんなに好きでもなかったけど、今となっては、武豊と横山典と藤田が、楽しかった頃の競馬を思い出させてくれる。彼のデビューした91年から数年間が競馬が一番おもしろかった。内容もおおむね同感。もはやどうにもならないというのも同感。隠居願望があるのも同じ(@_@)注が多いので正味1時間くらいで読んじゃったけどね。

  • 意外と知られていない騎手生活が赤裸々に語られている。現在のJRAのよくない部分も惜しげもなく語られていて、競馬好きな私には目から鱗の一冊だった。
    それにしてもアスリートはどの世界も厳しい…。

全8件中 1 - 8件を表示

著者プロフィール

藤田 伸二(ふじた・しんじ)
1972年北海道新冠町生まれ。JRA騎手。
中学卒業後、牧場勤務を経て競馬学校入学(7期生)。1991年デビューし、JRA賞(最多勝利新人騎手賞)受賞。騎乗回数は1万4000回を数え、通算1829勝。
デビュー以来、武豊の27年連続に次ぐ21年連続重賞勝利を果たし、1996年のダービー(フサイチコンコルド)、1997年の有馬記念(シルクジャスティス)、2002年の宝塚記念(ダンツフレーム)、2010・2011年のジャパンカップダート連覇(トランセンド)、2011年の天皇賞・春(ヒルノダムール)など重賞93勝。
特別模範騎手賞、フェアプレー賞、優秀騎手賞など、表彰歴多数。
(記録はいずれも2013年4月1日現在)

「2013年 『騎手の一分――競馬界の真実』 で使われていた紹介文から引用しています。」

藤田伸二の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×