伊豆の踊子 [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • 踊子に引かれながらも、青年により深い足跡を残したのは家族のありよう。
    シンプルな文体で、登場人物たちの生き様をまざまざと描く短編集。さすがは世界の川端。

  • 川端康成の著作は初めて、かつ朗読によるものだが楽しめた。やはり明治時代の作家の風景描写は非常に秀逸だと再認識した。
    踊り子と私、との初々しいやりとりも面白いが、この時代の風俗、文化観が興味深い。旅芸人達へのあからさまな軽蔑を示す茶屋、女自らが穢れていると表現する穢れの考え方、学生という特権階級への憧れである。
    中でも穢れの考えは、男尊女卑の時代であるといのもあるがそれよりももっと原始的な宗教的考えなのかもしれない。

    また本書のレビューとは逸脱するが、風景描写を朗読で聞いている時に一部でも聞きもらすと全く状況を把握する事が出来なくなるが人とのやり取りは聞き漏らしても補完できるのか、はたまた頭には残っているのかその後の理解に困らないのは興味深い現象だと思った。

  • 思っていたより色々と生々しい内容だった。短編集だったけど表題作以外の3つは特に。へ~、って感じ。雪国とかも日本人として読んでおこうかな~。

  • 「伊豆の踊子」、「温泉宿」、「抒情歌」、「禽獣」の4編。
    80年前の川端康成20~30代の作品です。

    ○「伊豆の踊子」
    修善寺から天城峠を越えて下田まで歩いて旅する時代が舞台です。
    20歳の旧制高校生が旅先の伊豆で出逢った、旅する踊子にほのかに思いを寄せる物語。
    学生の潔癖さと踊子たちへの接し方は、時代の違いをさしひいても、もどかしいです。

    私が読んで印象が強かったのは「温泉宿」と「禽獣」。

    ○「温泉宿」
    宿で働く女性たちのOffの姿を、弾むように、どこか儚く、艶めかしく、描かれています。

    まだ食べていくことで精一杯で、死も身近な時代。
    他人のことなど構う余裕はなく、仲間と諍いもあるのに、同じ荷を背負う者同士がどこかで共感もしています。

    ○「禽獣」
    独り者の男の小鳥を飼う暮らしが、趣味で飼われる小さな命を、身勝手に慈しみ、粗末に扱う不気味さとともに淡々と語られています。

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プロフィール

1899年生まれ。1920年東京帝国大学文学部英文学科に入学(のち、国文学科に転科)。1921年第六次『新思潮』を創刊。『伊豆の踊子』や『雪国』などの作品を残す。1961年文化勲章受章。1962年『眠れる美女』で毎日出版文化賞受賞。1968年10月、日本人初となるノーベル文学賞受賞が決定する。1972年没。

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