辞書を編む (光文社新書) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • 我が家では父が大の新明解国語辞典好き
    初版から7版まで全て揃っていて
    小学生の時は一つの言葉を全ての辞書で調べる
    1人遊びをしていた

    「第○版ではこう書いてあるのに△版では変わってる!」当時は 昔のなんか見返さずに新しいの作ったんだろうなー だなんて、失礼なことを思ってごめんなさい。
    辞書への愛着が湧いた1冊

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      juriさん
      揃ってる、、、(羨望の眼差し)
      juriさん
      揃ってる、、、(羨望の眼差し)
      2020/08/27
  • 『ことばハンター』を先に読んでしまったので、まああれをもっと詳しく大人向けにしたようなものだろうと思ったが、楽しめた。ネタ自体が違うので、2冊読んでもかぶってるという印象は全くない。

    飯間さん以外にも辞書の編纂をしている人はたくさんいるし、みなさん碩学でいらっしゃると思うけど、わかりやすく面白い文章が書けるには研究とは別の才能が必要なのかもしれない。飯間さんの文章は面白い。
    面白いだけでなく、日本語の勉強になり、仕事に対する真摯な姿勢も学べるし、一石三鳥くらいお得な本である。
    人柄がしのばれるのは、抜き言葉や言い間違い(雰囲気を「ふいんき」とか)も「誤り」ではなく「変化」ととらえるところ。上から目線にならないよういつも気を付けていることに頭が下がる。たいした知性も教養もないくせに知ったかぶって人を下に見る輩も多い世の中で、これだけ知性、教養ともトップクラスでありながら謙虚であるところ、爪の垢を煎じて飲みたいくらいである。
    この本は『三国』の第七版が出る前に書かれたもので、私は先に第七版を見ていて、新しい辞書が出たら必ずチェックする「右」の変化に気づいていたのだけど、こういう裏話(電子化対応)があったのか、と編纂者の深い考えを知った。読んだとき新明解の説明と似ているとは思ったけど、「リ」を持ってくるところはすごいな、これなら小学校低学年でもわかるな、と感心したのだった。
    R&Bの説明がほかの辞書はハードロックに近い、というところには笑った。音や色のように直接感覚に訴えるものを簡潔に説明する難しさよ。聞けば一発なのだが、「聞いてください」では辞書の語釈にはならないし。(今後は電子化ですぐに実際の音が聞けるようになるかもしれない。でもそうすると日本語の豊かさが失われる気もする。小綬鶏の鳴き声を「チョットコイ」と表現するような。)
    飯間さんもおっしゃる通り、電子にはない良さが紙の辞書にはあるので、残していけるよう、みんなが時々は買うよう、この本をさまざまな人に薦めたい。

  •  辞書制作の現場を描いた「舟を編む」の映画がとても好きで、こちらの本にも興味を持ちました。
     作者の飯間さんは、実際に辞書編纂に携わる言葉のスペシャリスト。最近では、Twitterでもよくお見掛けします(笑)

     辞書の編纂...どのように言葉を集め、その意味を言葉によって定義し、そして改訂のたびにそれらの言葉をどのように取捨選択していくか...について、わかりやすく親しみやすい語調で書かれています。

     「舟を編む」をみたあとで、辞書ができるまでの流れは大体先に挙げた本と重なっているので目新しい出会いはあまりなかったのですが、実際の編纂の過程での体験談は、言われてみると「なるほど」とうなずくものばかりで興味深かったです。「スイスロール」が辞書に載っているとは考えてもみなかった...。

     辞書とは、ことばだけであらゆるものが定義された一つの世界であり、辞書作りとは、ことばによってその世界を組み立てていく作業なのだ、という作者さんの考えはとても面白いなと思いました。
     そういえば昔、辞書を引きながら、とある単語の意味を調べ、その語釈のなかで気になった単語をさらに調べ...という遊びを延々とやっていましたが、あれはまさにことばの世界を自由に飛び回っているような感覚でした。

  • 三省堂国語辞典の編纂者である飯間浩明さんの「辞書を編む」を読了。興味深い本でした。

    辞書編纂の実際の作業を紹介してくれている本なのですが、それを通じて、私達の周りには、たくさんの新しい言葉たちや、今まで知らなかった言葉たちや、普段使っているのに明確な由来や意味を知らない言葉たちがたくさんあるのだなぁと感じさせられました。

    正直言って、最近、紙の辞書なんて買ったことがないんですが(最後に買ったのは、もう20年以上も前、たしか、新明解さんだった気がする(語釈が面白いと話題になっていたので)でも結局、そんなに使わなかった…)、ちょっと、紙の辞書を買って「読みたく」なりました。言葉に関わる仕事をしていたら、なんのためらいもなく買うんだろうけど、まだちょっと心が固まってませんけどね…苦笑。


    さてさて、さっきアップした「トクサツガガガ」に出てきたような言葉は、三国に載ってるのかな〜。ちょっと調べてみたい、なんて思ったりして…w

  • 用例収集から追加する言葉の取捨選択、語釈と現行の版に記載された語釈の手入れ。全く知らなかった国語辞典の編纂の仕事の進め方。興味深く読むことができた。著者は三省堂国語辞典編纂者だけあって全体を通して丁寧で読みやすい文章。好感が持てる。

  • 「舟を編む」を大変面白く読んだので、実際に辞書をどうやって作っているのか興味を持って、本書を読みました。もともと辞書好きなのです。
    そこで強く思ったことは、「言葉はごく一般の人々が作っていくもの、そして流行り廃りがある」と言うことでした。言葉って、辞書で定義されたものを使うのではないのか!?と思うのだけど、正しくは、「市井で使われている言葉を理解しやすいように定義したもの」らしいです。だから特に「三国」では誤用と言う定義はないのにも驚きました。ら抜き言葉も言葉の変化の一つとして、俗語として載っているそうです。言葉は流動的に変わっていくのだなあと改めて思いました。辞書の編纂者である作者が最後に書いていた「ことばだけで世界を作り上げる」と言うフレーズがとても印象的でした。
    大昔に買った「新明解」をずっと使っていましたが、子供の中学校入学時に「三国」七版を購入しました。これからも楽しんで辞書を使っていきたいです。

  • 私の大好きな飯間さんの著作。
    言葉に対する向き合い方にとても共感を覚えます。
    この本はそんな飯間さんがいかに辞書作りに取り組んでいるかが分かります。
    大変興味深く読みました。とても良かった。

  • 誰にでも分かるように、言葉を言葉で説明する。
    辞書を作るのって大変だな~。
    編纂。実際どういうことをしているのか、よく分からなかったので、面白かった。

    「旬彩」「甘熟」
    確かに、いつの間にかよく見かけるようになった。
    気づかない日本語も面白そう。

  • いやー、国語辞典って作るの大変なんだーということがよくわかった。言葉を言葉で説明し、不特定多数に理解させるというのはすっごく大変なことに思えた。著者は三省堂国語辞典の編者であり、そのバックヤードを覗かせてもらった感じ。たまには辞書を読んでみようと思った。

  • 友人の勧めで読み始めた。普段意識しない辞書の編纂者の視点が知れて面白かった。
    三国(三省堂国語辞典)の編集方針・特徴が実例主義と中学生にもわかる説明であることや、辞書の編纂には用例採集が重要であることなど、初めて知ることが多くとても新鮮だった。
    文章は読者に問いかけるような書き方で、読みやすかった。

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著者プロフィール

香川県生まれ。国語辞典編纂者。『三省堂国語辞典』編集委員。新聞・雑誌・書籍・インターネット・街の中など、あらゆる所から現代語の用例を採集する日々を送る。著書に『辞書を編む』(光文社)、『辞書に載る言葉はどこから探してくるのか?』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『辞書には載らなかった不採用語辞典』(PHPエディターズ・グループ)、『辞書編纂者の、日本語を使いこなす技術』(PHP研究所)、「日本語をつかまえろ!」シリーズ(金井真紀・絵 毎日新聞出版)など。

「2023年 『けいごって しってる?』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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