辞書を編む (光文社新書) [Kindle]

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  • 光文社
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感想・レビュー・書評

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  • 用例収集から追加する言葉の取捨選択、語釈と現行の版に記載された語釈の手入れ。全く知らなかった国語辞典の編纂の仕事の進め方。興味深く読むことができた。著者は三省堂国語辞典編纂者だけあって全体を通して丁寧で読みやすい文章。好感が持てる。

  • 「舟を編む」を大変面白く読んだので、実際に辞書をどうやって作っているのか興味を持って、本書を読みました。もともと辞書好きなのです。
    そこで強く思ったことは、「言葉はごく一般の人々が作っていくもの、そして流行り廃りがある」と言うことでした。言葉って、辞書で定義されたものを使うのではないのか!?と思うのだけど、正しくは、「市井で使われている言葉を理解しやすいように定義したもの」らしいです。だから特に「三国」では誤用と言う定義はないのにも驚きました。ら抜き言葉も言葉の変化の一つとして、俗語として載っているそうです。言葉は流動的に変わっていくのだなあと改めて思いました。辞書の編纂者である作者が最後に書いていた「ことばだけで世界を作り上げる」と言うフレーズがとても印象的でした。
    大昔に買った「新明解」をずっと使っていましたが、子供の中学校入学時に「三国」七版を購入しました。これからも楽しんで辞書を使っていきたいです。

  • 辞書の文言を作る人の思いは深い

    それぞれの辞書にも大きな違いがあるのだと
    面白く、読むことができた

    あまり知られない職業だけに
    非常に興味深く感じられた

  • 辞書に対する愛情を感じられる本。この本を読むまでは、辞書それぞれの特色などを考えることはなかったが、編集方針が異なり採用される言葉や語釈に、各辞書工夫を凝らし、苦労して作成していることがよく分かる。

    実際の文章や街中の看板・ポップ、TVなどの音声を丹念に収集し、言葉の用例を集めるという地味で大変な作業が、辞書作成の裏側にあること、そして辞書編纂者である著者がそれを楽しみながら行なっていることが文章から分かり、読んでいるこちらも言葉の意識していない面を見ることができ、楽しみながら、読めた。

  •  辞書を作る人を主人公にした小説『舟を編む』がマンガやアニメになり好評を得ているが、本書はタイトルが語るように、それに触発されるような形で出版されたようだ。著者は実際の国語辞典編纂者で、三省堂国語辞典第7版を作る作業をやさしい語り口で紹介している。

     国語辞典がどのようにして作られるか、たしかに考えたこともなかった。インターネットとコンピュータが普及した現代においては、もっとシステマチックに作られているように思っていたが、極めて地味な作業のようだ。

     劇的に面白い話ではないけれど、こういう人生もあるのだなあと、しみじみ感じた。

  • 『三省堂国語辞典(サンコク)』の編集者の話。

    辞書作成において新語の採用などに非常な苦労があることがよくわかった。

  • 面白かったです

  • 「三省堂国語辞典」の改訂版が出版されるまでの仕事とその流れが、編纂者の立場から語られている。今まで辞書ごとの特徴や違いなど気にしたこともなかったが、本書の中では何度も「編集方針」に従って編纂が進められていることが強調されており、どんな辞書も強いこだわりを持って作られていること、それが収録語の種類や語釈にしっかりと反映されていることが非常によく伝わってきた。
    エッセイのような筆者の語り口調で進んで行く文体は非常に読みやすかった。これまで、知らない単語に遭遇した時はネットに頼り切っていたが、一冊の本の形に編集された辞書を引くのもまた大切で、面白いことなのだということを改めて感じさせられた。

  • 読了。読もうと思ってウィッシュリストに入れたままだったがKindle Unlimitedに入っていたこともありようやく読んだ。やはり飯間先生の文章は読みやすく、往復2時間の電車でほぼ読み終えることができた。三浦しをんの「舟を編む」は刊行当初に読んでいて、辞書作りとはそういうものかという理解はあったが、本書では、もっと具体的にそういうことかと感心しつつ読んだ。ところで、飯間先生、朝日の土曜版の連載は毎週読んでるけど、最近ツイッターを更新されていないような。次の改定に取りかかっておられるのだろうか?

  • 辞書改定・作成作業の中身を追った一冊。

    基本的には「言葉マニア」の世界だなと思います。
    「言葉」という日常を構成する重要なピースを日々拾い続け、記録し、形を定義していく仕事。文字や言語は、当然文化を作るものであり、その基礎を固めている、という価値がある。著者の日常から連なる辞書作りの作業は、世界の見方が違うな、と感じさせられます。
    ただ、wikipedia発達の中で、相対的に価値が下がってしまっていると思いますが、それでもなくならない仕事なんでしょうか。本書の中ではその答えはなく。あくまで近視眼的とも言える、今の辞書作りの仕事に終始していたかなと思います。

  •  辞書制作の現場を描いた「舟を編む」の映画がとても好きで、こちらの本にも興味を持ちました。
     作者の飯間さんは、実際に辞書編纂に携わる言葉のスペシャリスト。最近では、Twitterでもよくお見掛けします(笑)

     辞書の編纂...どのように言葉を集め、その意味を言葉によって定義し、そして改訂のたびにそれらの言葉をどのように取捨選択していくか...について、わかりやすく親しみやすい語調で書かれています。

     「舟を編む」をみたあとで、辞書ができるまでの流れは大体先に挙げた本と重なっているので目新しい出会いはあまりなかったのですが、実際の編纂の過程での体験談は、言われてみると「なるほど」とうなずくものばかりで興味深かったです。「スイスロール」が辞書に載っているとは考えてもみなかった...。

     辞書とは、ことばだけであらゆるものが定義された一つの世界であり、辞書作りとは、ことばによってその世界を組み立てていく作業なのだ、という作者さんの考えはとても面白いなと思いました。
     そういえば昔、辞書を引きながら、とある単語の意味を調べ、その語釈のなかで気になった単語をさらに調べ...という遊びを延々とやっていましたが、あれはまさにことばの世界を自由に飛び回っているような感覚でした。

  • 2018年3月18日紹介されました!

  • 三省堂国語辞典の編纂者である飯間浩明さんの「辞書を編む」を読了。興味深い本でした。

    辞書編纂の実際の作業を紹介してくれている本なのですが、それを通じて、私達の周りには、たくさんの新しい言葉たちや、今まで知らなかった言葉たちや、普段使っているのに明確な由来や意味を知らない言葉たちがたくさんあるのだなぁと感じさせられました。

    正直言って、最近、紙の辞書なんて買ったことがないんですが(最後に買ったのは、もう20年以上も前、たしか、新明解さんだった気がする(語釈が面白いと話題になっていたので)でも結局、そんなに使わなかった…)、ちょっと、紙の辞書を買って「読みたく」なりました。言葉に関わる仕事をしていたら、なんのためらいもなく買うんだろうけど、まだちょっと心が固まってませんけどね…苦笑。


    さてさて、さっきアップした「トクサツガガガ」に出てきたような言葉は、三国に載ってるのかな〜。ちょっと調べてみたい、なんて思ったりして…w

  • 読書開始 : 18/02/02

  • 201801

  • 言葉を探しに外へ出かけたり、各種メディアから用例を採取したり地道な作業が多いなと思った。
    辞書はどれも同じかと思っていたが、それぞれに個性があるとは知らなかった。
    三省堂のものは今広く使われていて、中学生にも理解できるという方針らしい。
    買ってみたくなった。

  • 辞書を編む仕事の裏側(?)が分かって面白かった。
    宣伝されている辞書を買ってみたくなった。

  • 最近はあまり使う機会がなくなった紙(または電子)の辞書。

    辞書の項目(見出し語)を選び、その項目の定義、用例を書く仕事を編纂(へんさん)と呼ぶが、本書は編纂者の仕事についている著者が描いた辞書編纂についてである。

    各事象を横並びで見たことのある人が少ないと思われるが、これが辞書ごとのカラーがあって面白い。
    例えば、「右」という言葉をどのように定義したらよいだろうか?

    「北を向いたとき東にあたる方向」を右と定義している辞書もあるし、「お茶碗をもつ方」と定義しても良いだろう。

    前者の場合、正確ではあるけれど、この定義を理解するために東西南北を知らないといけない。
    後者では、左利きの場合は右が逆になってしまう。。。


    などなど、言葉を定義するときにどのくらいの知識を読者に想定するか、どの程度正確に記載するかというのは、辞書ごとに特徴が出るのだという。

    どの程度正確か、というのは辞書なんだから正確でないといけないでしょ。というツッコミが入るけれど、たとえば「パイ中間子」を辞書で引いたとき、

    π中間子はスピンが0で、第一世代のクォークからなる。π0,π+,π−π0,π+,π−の3種類を総称してπ中間子、またはパイオン(Pion)と呼ぶ。

    と書かれていも、これはこれで物理的に正しいのだが結局なにこれ?となってしまわないだろうか?
    このように格式高くかいてある(岩波の広辞苑など)。


    一方で、
    核子を相互につなぎ原子核を安定化する引力(強い相互作用)を媒介するボソンの一種である。

    と書かれた方がさきほどよりわかりやすくないだろうか。こちらはより平易な言葉で書かれており、対象も中学生~高校生向けという感じだろうか。


    というように、一言で「辞書」といっても各々でカラーが違うし、どのことを見出し語としてあげるか、定義をどう書くか、用例は何を採用するかなどなど、編纂者としての苦悩や楽しみが味わえる一冊である。

    なお、2011年に出版された三浦しをん、『舟を編む』も同時に読まれたい。

  • 本書を読んで三国(三省堂国語辞典)を新しく買いたくなった。そのくらい楽しい本。新潮文庫の「三省堂国語辞典の秘密」(同著)も併せて読むとよいと思う。

  • ライフワークを生きている方の姿が見られる。仕事に美学。

  • 筆者は『三省堂国語辞典』の編集委員。第七版がどうやってつくられていくのか、が順を追って、事例もあげながら。ドキュメント風に綴られている。辞書を編むことの大変さがよくわかる。苦労して編まれた「三国」第七版も欲しいなあ、と思わせる一冊。

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著者プロフィール

飯間浩明(いいま ひろあき)
1967年、香川県出身の日本語学者、辞書編纂者。『三省堂国語辞典』編集委員。早稲田大学大学院文学研究科博士課程単位取得。代表作に『辞書を編む』があり、その他著作も国語辞典や日本語にまつわるものが多い。

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