小説 Dear+ (ディアプラス) ナツ 2013年 08月号 [雑誌]
- 新書館 (2013年6月20日発売)
- Amazon.co.jp ・雑誌
感想・レビュー・書評
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全サもあって購入。でも、BL雑誌の中では充実した内容を維持し続けています。後でどの作品も書き下ろしが付いて文庫になるんだろうけど、購入時の見極めができるのはいいことです。
月村奎センセ「50番目のファーストラブ」は、49人の女とHしてきたヤリチン大学生が、友達の兄でナメてかかっていたリーマンに切ない恋心を抱いてしまう話。本人はかっこつけてるつもりでどんどん崩れていくのが月村センセの十八番。攻のたくらみっぷりもニヤつけました。
すごく月村センセらしい話です。
一穂ミチセンセ「イエスかノーか半分か」はTV局が舞台。ものすごい裏表のある腹黒系アナウンサーが、仕事で知り合ったアニメ作家と出逢うことによって、素直な気持ちに目覚めていきます。
一穂センセは読まない作家さんの一人でしたが、この話は胸にヒットしました。苦笑いして、同情して、最後にうるっとさせられました。国江田が最初はむっとさせられるんだけど、最後には愛しくて愛しくて大ファンに。
業界モノとしても秀逸。
久我有加センセ「君が笑えば世界も笑う」は、シリーズものだけど未読でも充分読みごたえがありました。オレンジグミ結成秘話。あまりの天然ぶりにかわいくてきゅんきゅんしてしまった。佐倉ハイジセンセのイラストがいいんですよね。
名倉和希センセ「愛の一筆書き」は超ダメダメな攻が登場!カッコいい書道家なんですが、恋人の佳文が好きすぎてとんでもないことばかりやらかしちゃいます。過去に遡っても笑えます。おまけに絶倫。もう、辛抱たまらんと言う場面が目白押しでした。受が不憫ですが、男前な性格なので安心です。
栗城 偲センセ「ダーリン、アイラブユー」はイケメン留学生との異文化交流ラブ。こちらも書道なんですよ。かぶってますね…ブームなの??みずかねりょうセンセの美麗イラストにうっとり。こちらは王道でした!
安西リカセンセ「何度でもリフレイン」はリーマンの再会もので好物な設定。とても期待している作家さんで、実はこの作品楽しみにしていました。
感じ悪い別れ方をしてしまった大学生時代の恋人と再会してしまった真下。自分の会社が出店する商業モールの専務となっていたかつての恋人に動揺する真下ですが、彼はわだかまりもないのか気軽に声をかけてきて。
真下の消えない恋心との葛藤がせつなかったけど、蓋を開ければ立派になって落ち着き払って見えた佳史も…というのが微笑ましい話でした。
好みの話なんだけど、ちょっとインパクトが足りなかったかな?印象が薄くて、沢山の作品の中で埋没してしまったらもったいないなと心配。後日談に期待します。
いつき朔夜センセ「シェイク・ミー・テンダー」色気が漂ってくるいい話でした。二人の恋に酔わされてしまいました。バーテンダーとのアダルトな恋物語でちょっと古臭いけど、そこがまたツボだったりしました。本間アキラセンセのイラストもなかなかよかったです。
あと、人気作品コミカライズとか50号記念ショートストーリーとかの企画ものも楽しめました。
モノクローム・ロマンスは、食指が動かなくて未読。逆から横書きでというのはキツい。
「探偵『男子専科』」と「ウルフくんとイナバさん」はいい具合にコミックでさくっと楽しめてよかったです。どちらも連載が楽しみ。
気がついたら、どれも文庫化したら購入ってことに。見極めていない?詳細をみるコメント0件をすべて表示