フットボールネーション(3) (ビッグコミックス) [Kindle]

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  • 小学館
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感想・レビュー・書評

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  •  本巻の最初で手厚く説明されているのがオフサイドのルール。
     恥ずかしながら私、これを読むまでオフサイドとは「相手キーパーの一番近くにいる選手がオフサイドラインになる」くらいに漠然と思っておりました。わかったつもりになっている方も一度確認の意味で読んでみるといいかもしれません。

     一ノ瀬と千尋の間にある"秘密"が、ここに来てきな臭い動きを見せはじめました。恐喝に怯える一ノ瀬と、脅迫相手に逆アップをかます千尋。対照的な二人の在り方が、この先の二人の明暗を示唆しているようでした。
     また、本巻では東クル監督・高橋と記者の三枝が知り合いであること、そして東クルを経済面で支えているもう一人の人物の名が明かされます。今まで千尋の過去にサスペンス展開の焦点が当たっていたので気づかなかったですが、そもそもこの東クルという核心的なチームの存在自体、考えてみれば謎なんですよね…。

     いつも東クルの試合を見に来ていたサッカーオタのメガネの兄ちゃん。絶望的にフィジカルに恵まれていないものの、サッカーに関する観察力・分析力を買われ、東クルのスカウト要員に抜擢されました。こういうプレイヤー以外のスタッフの資質・能力が評価されているのって、個人的にツボだったりします。

     メガネの兄ちゃんが指摘した東クルの弱点・右SB。そこにハマるおあつらえ向きのタレント・遊佐が登場。彼の活躍は次巻以降のようです。

     本巻の最後で埼玉RSユースとの試合がはじまりますが、日本のサッカー指導を具現化したような埼玉RSユースをボロカスに言う雰囲気が漂いまくっています。
     蹴斗と千尋が接触したときに蹴斗が倒れます。軸も立っておらず身体が使えていないユースの選手が、ちょっとした接触ですら"当たり負け"てしまっているのですが、審判はそれに気づかず千尋にファウルをとります。
     体幹部を使う動きができてくると、ラクに大きな力を出すことができ、またそれは受け手が不思議に感じるような力だったりします。ただ、そういう力は体験してみないとわからないものなので、本書で批判されているような体の使い方しか知らない人からすると、「もの凄く強く当たった」としか理解できないのも仕方ありません。ガッチガチの選手がちょっとしたことで崩されてしまう(勝手に崩れてしまう)ということを見て分かるようになるため、サッカーの審判は全員高岡英夫さんなり甲野善紀さんなりに技を掛けてもらうのを体験した方がいいんじゃないか…などと無茶なことを思ってしまいました。

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