ザ・マスター [DVD]

監督 : ポール・トーマス・アンダーソン 
出演 : ホアキン・フェニックス  フィリップ・シーモア・ホフマン  エイミー・アダムス  ローラ・ダーン 
  • 東宝 (2013年9月20日発売)
3.17
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本棚登録 : 289
レビュー : 51
  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4988104077400

感想・レビュー・書評

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  • \*\ 男優二人の演技に陶酔 /*/





     ホアキン・フェニックスの“あの眼力”にいつも魅かれるものを感じての観賞でした。

     本作でもその期待を裏切ることのない彼の怪演は、先立って惜しくも逝去されたフィリップ・シーモア・ホフマンのこれまた力演と真っ向から勝負し、フレディ・クエルとランカスター・ドッドという男二人の
    深層心理のまさぐり合いが、「これでもか!」といった感じで火花を散らしていました。


     そこに花を添えている(??)のが女優:エイミー・アダムス。しかしながらこの彼女の役どころが一番の曲者といった趣きでして。。。
     
     その楚々とした面構えに相反し、“カルトの「コア」は彼女なり!!”というオーラを放って、ストーリー展開と共に次第に見せつけてくる、
    アダムスの堂々たる演技も本作を引き立たせていると思います。


     荒野をバイクで突っ走るシーンも象徴的でした。 
    自分で宣言(決定)した地点まで《脇目も振らず目標に向かって行(生)き抜くということ》


     そのサンプリングのようにし、ドッドとクエルがバイクのアクセルを噴かしていたのですが、ドッドはクエルを見て「速いなぁ」と感嘆の声をもらします。

     この時のクエルの中に、危なっかしくも愛おしく、どこか憎めず、不器用にしか女を愛せないこの男の基盤が、バイクの形を借りて疾走しているかのようで。


     2冊目の本が出版された時、ローラ・ダーン演じるヘレンがランカスターに対し、
    “想起”を“想像”としたことに、自らの疑念をぶつけると、彼が激昂するシーンも実に印象的でした。 


     クエルを真に癒やせる者はドリスだったのだろうな…と思わせつつ、〝アルコール依存症から這いあがれないクエルの足掻き(怒りでしか自己表現ができない弱さ)〟と孤独色〟の表現が秀逸です! 


     《プロセシング》という怪しげな自己啓発のようなセミナーを開く【カルト教団:ザ・コーズ】  
     
     ◆クエルの乗り込んだ運命の船は〝ノアの方舟〟それと も…??◆ 



     フェニックスが演じるクエル。
    芯はピュアで小心者なのだと感じさせるフェニックスの“背中の演技が絶妙”で見事です。


     フェニックスがグウィネス・パルトロウと共演した作品である『トゥー・ラバーズ』
    彼が演じたレナードという役柄と、本作でのフレディという役とが私の中で見事なまでに交錯し、
    更にはホアキン・ファニックスと故・フィリップ・シーモア・ホフマンの両男優の演技に、陶酔、陶酔の138分でした。
     


    *追記*  
     ここに慎んでフィリップ・シーモア・ホフマン氏の御冥福をお祈り申しあげます(合掌)

  • 生きていく上で宗教であれ何であれ、なにかを信じて生きるのも、何をも信じずに生きるのも、自分を信じられるかどうかで幸福感を得られるかどうかが決まってしまう、そんな気がした。

    フレディは一生孤独と無縁では生きられないだろう。ただそれは誰も同じこと。
    彼はマスターに愛された過去で新たにまた誰かを愛することができ、生きていけるのではないだろうか。
    同じ土壌では生きていけなくても孤独ではない。
    この出会いに彼は救われたのだろうと思う。

  • さすがのP・T・A。
    大変魅力のある映画でした。

    今回のザ・マスター。
    今までの作品からまた一歩先へ進んだ感のある内容。
    漫然とストーリーに身をゆだねていいというものでなし
    暗喩・比喩に溢れた哲学的でアーティスティックなものともいえない。
    見る姿勢を決めにくいゆえの難解さに
    賛否の分かれるところがあるかもしれないなぁ。

    社会のルールにどうしてもそぐう生き方の出来ないフレディ。
    真理を見つけたりとしながらも認められないことに
    苛立ちながら生きる新興宗教の教祖(マスター)は
    そんな彼を更生させることで自分のメソッドの真価を
    世に示したいと思っているかのよう。

    不可解なほどフレディに粘着するマスター。
    フレディが救いを求めていると言う感じではなく
    むしろマスターが彼に何かを求めている感じ。

    そしてフレディは逃げる・・・

    何かひとつの事を言いたいというものじゃない気がする。
    社会的、道徳的に生きることが難しいフレディ
    比喩、暗喩がポイントではなく、言いたい事は全て映像で表現してある。
    でも見えているものが言いたいことではなく
    そこに漂う空気が何かを語っているような映画…

    とてもうまく言えない。

    何度か出てくる海辺で女性をかたどった砂山に寄り添うシーン
    最初の方、中ほど、ラストシーン。
    何を言いたかったのだろう。
    きっと監督の伝えたい何かがここにあるとおもうのだが・・・

    ただ、ただ、大好きだなぁと。
    心酔する監督、ポール・トーマス・アンダーソン。
    と思うばかりです。
    私の中ではマグノリアは超えないけれど屈指の映画だと思います。

    絵の雰囲気、モチーフの選び方、役者、シーン構成、
    アングル、色合い・・・どれをとっても惚れ惚れするばかり。

    ホアキン・フェニックスのもう演技とは思えない
    フレディそのものという存在が怖くなる。
    PTA常連のフィリップ・シーモア・ホフマンのマスター。

    点数なんて付けられないのが本音です。

    字幕で見て、吹き替えで見た。
    空気感や雰囲気は断然字幕版ですが
    内容をしっかり理解するには吹替えでも見ないとと思った。
    字幕では理解し切れていないことがまざまざとわかる。
    吹替えでの鑑賞も補完の意味で必須。

    あぁ、感想長すぎ。


    追記。
    ニュースを聞いて絶句した。
    急逝されたフィリップ・シーモア・ホフマン氏。
    P・T・A作品に無くてはならない存在だった氏。
    残念で仕方が無い。

  • 制作年:2012年
    監 督:ポール・トーマス・アンダーソン
    主 演:ホアキン・フェニックス、フィリップ・シーモア・ホフマン、エイミー・アダムス、ローラ・ダーン
    時 間:138分
    音 声:英:ドルビーデジタル5.1ch、日:ドルビーデジタルステレオ


    第二次世界大戦末期。海軍勤務のフレディ・クエルは、ビーチで酒に溺れ憂さ晴らしをしていた。
    やがて日本の敗北宣言によって太平洋戦争は終結。
    だが戦時中に作り出した自前のカクテルにハマり、フレディはアルコール依存から抜け出せず、酒を片手にカリフォルニアを放浪しては滞留地で問題を起こす毎日だった。
    ある日、彼はたまたま目についた婚礼パーティの準備をする船に密航、その船で結婚式を司る男と面会する。
    その男、“マスター”ことランカスター・ドッドは、フレディのことを咎めるどころか、密航を許し歓迎するという。
    フレディはこれまで出会ったことのないタイプのキャラクターに興味を持ち、下船後もマスターのそばを離れず、マスターもまた行き場のないフレディを無条件に受け入れ、彼らの絆は急速に深まっていく。
    マスターは“ザ・コーズ”という団体を率いて力をつけつつあった大物思想家だった。
    独自の哲学とメソッドによって、悩める人々の心を解放していくという治療を施していたのだ。
    1950年代。社会は戦後好景気に沸いていたが、その一方では心的外傷に苦しむ帰還兵や神秘的な導きが欲されていた時代であり、“ザ・コーズ”とマスターの支持者は急増していった。
    フレディにもカウンセリングが繰り返され、自制のきかなかった感情が少しずつコントロールできるようになっていく。
    マスターはフレディを後継者のように扱い、フレディもまたマスターを完全に信用していた。
    そんな中、マスターの活動を批判する者も現れるが、彼の右腕となったフレディは、暴力によって口を封じていく。
    マスターは暴力での解決を望まなかったものの、結果的にはフレディの働きによって教団は守られていた。
    だが酒癖が悪く暴力的なフレディの存在が“ザ・コーズ”に悪影響を与えると考えるマスターの妻ペギーは、マスターにフレディの追放を示唆。
    フレディにも断酒を迫るが、彼はそう簡単にはアルコール依存から抜けることができなかった。
    やがてフレディのカウンセリングやセッションもうまくいかなくなり、彼はそのたびに感情を爆発させ、周囲との均衡が保てなくなっていく…。

  • CS無料録画>2012年米。相変わらず感想を形容し難い、難解なPTA作品。。。いつもこの監督作は町山さんの解説なしには理解できないので大変(^^;)…。
    う~~~ん、町山さんの解説(予習,復習編)見てそういう事か、と何とか納得。一貫して(疑似含めて)親子(父子)愛を描いた葛藤の作品なんだという事で。
    それにしても主人公フレディ・クエル(ホアキン)の精神不安定さと言ったら…衝動的で浮遊,暴力人間で酷い。説明がなく次の展開にいっちゃったりするもんだから?が多くてキョトンと置いてかれる事がしばしば。。役者の演技で重厚さは十分伝わりました。

  • 時計仕掛けのオレンジよりも此方の方が良作。

  •  不思議なテンポの癒しの物語。 「何者にも支配されない」というのは、ひとつの究極の救済かもしれないが、真にそこに辿り着くことはとても難しい。 人は、多くのものに無自覚に支配されているから。

     とにかくホアキン・フェニックスとフィリップ・シーモア・ホフマンの演技が見応えがある。 その脇のエイミー・アダムスもいいスパイスになっている。 そして、コントラストの強い映像は常に美しく、派手ではないけれど静かに印象的な映像的見せ場も多い。 物語の内容云々よりも、俳優と映像の合わせ技による上質感がまずよかった。

  • 面白かったー!カルト的な体質を持つ組織への否定と、個人の感情の割り切れない部分を描いているところが好きだった。
    俳優の演技、映像、演出は全体的には抑えられているなかで、時折見せるセンス溢れる閃きがすごく刺激的だった。

  •  第二次大戦直後のアメリカ、新興宗教の教祖の男とその男に惹かれた青年を描く。

     教祖様がだんだん信じられなくなりましたなんて単純な話ではなくて、最初っから二人の間には複雑な感情が入り乱れている。その姿はまさしく親子。
     俳優の力にしびれる作品である。改めてフィリップ・シーモア・ホフマン はすごい。

  • 内容は明るい映画ではないけれど、この監督の作品はハズレがないから安心して見れますね。

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