傭兵の二千年史 (講談社現代新書) [Kindle]

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  •  現在のような形での「国民国家」や「正規軍(常備軍)」ができたのはそう昔のことではなく、ほんの300年ほど前まで国とは支配階層の勢力範囲のことであり、兵士は戦争のたびに金で集められる武装集団つまり傭兵が中心だった。ヨーロッパにおける傭兵と言えばまずスイス人傭兵が有名であり、その対抗馬となったのがドイツ人傭兵・ランツクネヒトだ。本書では主にこの辺りの傭兵たちがどのような歴史をもつか解説している。

     傭兵たちのルーツや組織、主な戦争における勢力分布などが語られているが、なんといっても傭兵たちのシンプルな行動原理がある意味でとても清々しい。彼らは愛国心とか忠誠心などとは無縁で、ただ金のために戦っていた。さすがに同郷の者同士が敵味方に別れて戦うことには抵抗があったようだが、その感覚は素朴なものだ。

     “誇り高い”騎士や武士や現代の職業軍人からすれば、金のために戦うのは卑しいことかもしれない。しかし愛国とか忠誠とかは、しばしば胡散臭い。それに比べたら人間の欲望そのものを理由とするほうがよほど信用できるではないか。

     主題とは外れるかもしれないが、本書の終盤、フランス革命軍から「フランス国民万歳!」の声が起こる場面はゾクゾクする。ゲーテが「世界史の新しい幕開け」と呼んだ瞬間だ。現代の軍と戦争はその先にある。

  • 金のために望むと望まざるとにかかわらず戦場に身を投じる傭兵たちの姿がわかった。
    スイスが産業がなくて傭兵業を中心にした国家だったというのは意外。
    概略戦争史としても。

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