銃・病原菌・鉄 下巻 [Kindle]

制作 : 倉骨 彰 
  • 草思社
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レビュー : 12
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感想・レビュー・書評

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  • おもしろかった。

    問いの立て方がなるほどなーって思った。AはBだったが、それは何故か。逆ではなかった理由は?

    大陸の伸びてる方向、地形、気候、生態系が、他の地域との最初の一歩と、そこからの歩み続ける速度の差をもたらし、今に至る地域の差になった。というのが、学校で習う世界史とは全く違った描き方で、感心しきり。

    まあでも、訳者解説、前書、エピローグ、後書、興味を惹いた各章の順に読めばよかった。

  • 新しい人類史観。白人至上主義者必読の書。「歴史は、民族によって異なる経路をたどったが、それは居住環境の差異によるものであって、民族間の生物学的な差異によるものではない。」

  • 今から700万年前にアフリカ大陸に誕生した人類が地球上のあらゆる地域に居住地域を広げ現在の在りように至る過程で起きた事象。
    文明の偏在と大陸間格差、その結果として、西ユーラシア大陸(欧州)の白色人種が、南北アメリカ、オセアニア、南アフリカを「征服」し、原住民を追いやったという事実がもたらされた要因はどこにあるのか。
    この疑問に対する答えを探っていく。

    「歴史は、異なる人びとによって異なる経路をたどったが、それは、人びとのおかれた環境の差異によるものであって、人びとの生物学的な差異によるものではない。」
    それが著者が出した答えです。

    大著でたいへんな読み応えではありますが、短くまとめてしまえば非常にシンプルなロジックが繰り返されているだけとも言えます。
    そういう意味ではいささか冗長な感じは否めませんが。

    ここで言われている「環境の差異」とは、
    ・栽培化や家畜化の候補となり得る動植物種の分布状況
    ・地形と気候、大陸の広がりが東西方向か南北方向か(文化や技術の伝播のしやすさ)
    といった事項です。

    何よりポイントなのは「食料生産を始めることができたかどうか」。
    そのために動植物種の分布状況や地形や気候が決定的に重要なファクターとなります。

    で、食料生産を始めることで余剰生産力が生まれる。
    余剰生産力が生まれることで、文字や技術を発達させる人材を養ったり、より高度に文化した社会構造を構築したりすることができ、技術力や軍事力を高めることが可能となる。

    また、家畜を飼うことは食料生産力を高めるだけでなく、家畜由来の伝染病への免疫を持つことに繋がり、また輸送力や軍事力を向上させることにもなる。

    こららの条件の違いが、征服する側と征服される側を隔てる大きな分水嶺になった。
    よく知られているようにインカやマヤが滅びたのは軍事的に駆逐されただけではなく、西洋人が持ち込んだ伝染病で全滅したからなのです。

    違ったのは環境であり、人種間に優劣はない、という点ではリベラルな立ち位置と言えるのかもしれませんが、こういう価値中立的な視点で整理していく切り口は個人的には好みではあります。

    個別のトピックとして、興味深く感じたものを以下に挙げておきます。

    (遺伝と食料生産)
    ・人間が食料として栽培するのに都合のよい形質を持った突然変異種(例えば種子がはじけてばら撒かれる仕掛けを持たない個体など)の個体を採集し続けることにより、その形質が遺伝した種を栽培種の原種とすることができた。
    ・中東の肥沃三角地帯では、自殖性植物(他家受粉で有用な特性が一代限りで終わることがない)の割合が高かったことが栽培種の遺伝をコントロールのしやすかった。

    (発明の本質)
    ・功績が認められている発明家とは、必要な技術を社会がちょうど受け容れられるようになったタイミングで、既存の技術を(たまたま運よく)改良して提供できた人のことだと言うこともできる。
    ・人類の科学技術史とは自己触媒のプロセスである。伝播することにより改良が加えられ発達する。発明の伝播は発明自体よりも潜在的に重要なのである。

    (中国の特殊性)
    ・中国では、地域の地理的結びつきが強すぎたがために却って、一人の支配者の決定が全国の技術革新の流れを止めてしまうことがしばしば起こった。これは、権力が常に分裂状態にあったヨーロッパで競争原理が働いたことと対照的である。

  • 一貫して、環境因子による文明の発達の差に重きが置かれています。特定の文明の優劣という訳では無いですが、銃・病原菌・鉄といった他民族を侵略する上で重要な要素となったものをユーラシア大陸の民族が持ち得たのは何故か?それを掘り下げていくと環境的な問題がありましたという説明をしていく内容です。肥沃な三日月地帯や中国がヨーロッパに遅れをとった理由は別に考察されています。

  • 人類史1万3000年について、なぜ、文明の発達の地域差があるのか、なぜ、どのようにして、ヨーロッパ文明が世界を制覇するにいたったのかについて、文明論的

  • こうした非生産的な工夫がなぜ施されたかというと、当時のタイプライターは、隣接キーをつづけざまに打つと、キーがからまってしまったからである。そこでタイプライターの製造業者は、タイピストの指の動きを遅くしなければならなかった

    キーボード配置の話、標準化の本で目にしました。片仮名で書くとクウェーティー配列、生まれた時からこれなので違和感ありません。

    ただ、最近はスマホのフリックが台頭してきました。将来は職場でもフリックがデフォルトになったりして。IT音痴と言われないために、技術進歩から取り残されないように、今のうちから練習しておきたいと思います。

    そもそもクウェーティー配列のタイピングもあまり上手ではない気がしますので、多少時間のある今、こちらの入力も練習しようと思います。

  • とても厚い上下巻で、中々読み進むのも大変な内容でした。

  • サイモン・シンの「フェルマーの最終定理」を「これを読んでいれば数学を学ぶのが楽しかったのに」という本だとすれば、これはその社会版だと思った。

    この本は、学生時代にまったく興味のなかった社会の授業の奥底には、こんなにも興味深い世界が広がっているということを教えてくれた。

  • かなりのボリュームである上に、読み慣れない単語も多く読み切るのに苦労した。

    地球上に存在する国や民族間で持つものと持たざるものができたのはなぜか、という問いに対する人類史を俯瞰し考古学的考察からその原因を提示した本。

    環境・食糧事情・政治組織・交流交易・技術・免疫力など各種要因が複雑に絡み合い、さらには偶然の作用にも影響を受けて人類史は構成されている。歴史にたらればはないけれど、地球の存在も含めてすべては奇跡としかいいようがない出来事の積み重ねであると改めて痛感する。

  • 上巻よりやや冗長のようにも思うが、とても興味深い一冊。大陸が東西に長いこと、家畜可能な動物の存在等、人類の歴史を作ってきた科学的なエビデンスが盛り込まれている。

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著者プロフィール

カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)地理学教授
1937年ボストン生まれ。ハーバード大学で生物学、ケンブリッジ大学で生理学を修めるが、やがてその研究領域は進化生物学、鳥類学、人類生態学へと発展していく。カリフォルニア大学ロサンゼルス校医学部生理学教授を経て、同校地理学教授。アメリカ科学アカデミー、アメリカ芸術科学アカデミー、アメリカ哲学協会会員。アメリカ国家科学賞、タイラー賞、コスモス賞、ピュリツァー賞、マッカーサー・フェロー、ブループラネット賞など受賞多数。

「2019年 『危機と人類(下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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