ビッグデータの正体 情報の産業革命が世界のすべてを変える [Kindle]

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  • 2013年初版
    V・M=ショーンベルガー&K・クキエ 著

    社会で起こっている「ビッグデータによる変革」の今を、事例豊富に網羅的に紹介・解説した一冊。

    とてもよく分かりました笑
    広告会社にいるとついつい「コミュニケーション」の瞬間にまつわる事柄にしか勉強の眼が向きにくかったりするのですが(それ自体は広告屋の本質的提供価値を自覚する上で間違いではないと思いますが)、クライアントサイド・事業主の思案の範疇は果てしなく広がり、その中に「データ」という発想が不可避なほど入り込みつつある実情を知るべきだという、そんな危機意識を正常にもつきっかけにはもってこいでしょう。

    因果関係より相関関係。
    ビッグであることより「全数対象」であることに意味がある。

    ブックマークな事例がたくさんだったので、この調子でスタディ進めます。(読み切るのにかなり時間がかかった・・・)

  • 膨大なデータがある場合、全体的な傾向が推測できればよく、精度や正確さが最終ゴールではないケースが多い。

    相関は、理由ではなく答えしか教えてくれないが、それで十分なことが多い。

    以前も書きましたが、現在、特許のベンチマークを行っています。そこでは、ビッグデータと表現していいほどのテキストデータを扱っています。しかし、分析に際しそのデータをフルに活かしきれていないのでは考えています。

    分析のベースにしているのは、大まかな課題、大まかな解決手段、IPC、Fタームです。膨大な情報が眠っていると思われる実施形態にはほとんど手をつけられていません。分析しようにも、各社様々な形態で文章を記載しており、まとめる作業が非常に難しくなっています。一つの単語をとっても、公開公報によってはいくつもの違った言葉で表現されており、それらを同一の意味を有する言葉として解釈できるような分析手法を、残念ながら持ち合わせていません。データが大きければ精度の高さは求められないと言っても、その荒いデータを荒く分析できることができないでいます。

    荒い分析さえできれば、そこから何からの相関関係を見出せるかもしれません。見出せたとしても、上司などの承認者には受け入れらない可能性があると思っています。「なぜ、そうなるのか」を厳しく求められるからです。尤もらしい理由がない主張は認められません。上記に則れば、答えとしては「よくわからないが、分析結果ではそうなる」になると思います。しかし、それでは「そんな筋道の通らない主張は認められない」と一蹴される可能性大です。

    もし荒い分析ができて、何らかの相関関係を見出すことができ、更に、何らかの提言ができた場合は、本書を添えて、上司を説得したいと思います。「量は質を凌駕する」という言葉も添えて。

  • 最近話題になることの多いビッグデータについては、色々な本が出版されているが、中国共産党が党指導部の必読書として掲げたと報じられたのが本書だった。
    内容は、網羅的かつ個別エピソードも豊富で、面白かった。①すべてのデータを扱う(サンプルではない)、②精度や正確さにはこだわらない、③因果関係ではなく相関関係を見るという3点のポイントが繰り返され、また、ビッグデータ時代におけるプライバシー問題やリスク、そして、その解決法も示されている。
    ビッグデータに基づく数々の成功例は素晴らしい。これまでの手法では見えなかったものが相関によってあぶりだされる部分は、斬新でもある。他方、ビッグデータは未来を予言するものではなく、確率的に示すという点の指摘も重要であろう。
    今後、嫌でも進むビッグデータ時代に対し、どのように振る舞うべきかという個人の心構えについても示唆に富む一冊と言えよう。

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著者プロフィール

ビクター・マイヤー・ショーンベルガー Victor Mayer-Schonberger
ハーバード大学ケネディスクール(行政大学院)で10年にわたって教鞭を取った後、現在はオックスフォード大学オックスフォード・インターネット研究所教授(専門はインターネットのガバナンスと規制)。ビッグデータ分野の世界的第一人者として知られ、著書も多い。2009年の『Delete: The Virtue of Forgetting in the Digital Age』は、誤ったデータでもネット上には永遠に残ってしまう現状を指摘し、「忘却される権利」という概念を提示。メディア界や法曹界から注目を浴びたほか、『ニューヨークタイムズ』紙や『サイエンス』誌などでも高く評価された。マイクロソフトや世界経済フォーラムなど多数の企業や団体の経営諮問委員を務める。

「2013年 『ビッグデータの正体 情報の産業革命が世界のすべてを変える』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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