羊をめぐる冒険 文庫 上・下巻 完結セット (講談社文庫)

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  • 2004年発売
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レビュー : 8
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感想・レビュー・書評

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  • 高校生の時に先輩がプレゼントして下さった、大切な作品、事ある毎によく読んで、最近引っ越し先で購入しまた読み返した。何度読んでも、耳のくだりが美しい。

  • ブンガク
    かかった時間3時間(180分)

    村上春樹で初めて読んだ作品。ということはすなわち、自分にとってのディスイズザ村上春樹となる作品である。

    26歳で死んだ女の子、離婚した妻(スリップ1枚残さない)、耳のガールフレンド、鼠、羊の写真、相棒、いるかホテル、羊博士と羊男、ジェイ。

    やっぱり原点なので、とことん好きである。「世界の終わり」に象徴されるように、村上春樹の特徴は、ポエティックな要素と、非現実的だが筋道の通った現実性をもつ要素と、だと思う。たとえば「風の歌を聴け」や「アンダーグラウンド」なんかは前者が強く、「カフカ」や「ねじまき鳥」なんかは後者が強い作品なんだろう。そしてわたしはやや後者が好きなのだと思う。その意味でこの作品は、すごくバランスがいい、と思う。もちろん刷り込みなんだろうけど。

  • 独特な世界観。

  • 話の展開が大好きです。
    村上春樹にしては、最後にどんでん返しみたいな展開はめずらしいのかな…?
    星のついた羊に最終的に利用された人が、自分の弱さを好きな人だったことには何かと考えさせられた。
    2回ぐらいは読んでみたい本。

  • 羊というのはなんて不思議な動物なんだろう。

    単体を遠目で見るとフワフワした体毛のおかげで可愛らしく見える。

    しかし単体を近くで見ると面長の顔や、焦点が合ってるかわからない目や、奇妙な咀嚼の動きなど、キミ悪さが際立つ。

    さらに群衆になってあの無表情で見つめられると、死の恐怖さえ感じる。

    そんな羊が随所に出てくるせいか、この物語のどの場面でも死が隣り合わせに存在する感じがした。

    主人公があることをキッカケに、星の模様の羊(DIOなのか?!)を探しに東京から北海道を旅する物語。

    登場人物の名前が出てこないので、常に人物像がボヤッとしてるのが不思議な感じ。
    名前は重要なのだ。

    下巻の真相に迫って行くとともに、主人公が追い詰められて行く様子は息がつまる。

    そんな中でも、食べ物や飲み物や音楽がオシャレなのは流石。

    風景や食べ物などがリアルなので、ファンタジーであることを忘れる。

    結果、おもしろい。

    面白かった。

    ダンスダンスダンスを先に読んでしまったので、羊男やいるかホテルに出会うシーンはニヤニヤしてしまった。

    今度は鼠に会うために、さらに過去の作品に触れなければ。


    それにしても、キミ悪いとかなんだかんだ言っても、羊が好きな未年の私。

    不思議だ。

  • 村上春樹さんの小説の中でずば抜けて面白かったです。
    面白さに感動したので、読んだ後いろんな人におすすめしました。
    (他の小説はあまり個人的には好みではないですがエッセイは好きです)

  • よくわからなかった。
    村上春樹個人が何かにけじめをつけたくて書いたとしか思えない。
    創作っていうのはそもそもそういうものなのかもしれないけど。
    それをありがたがれるほどには入り込めなかった。
    ちゃんと理解してないからうまく説明できないんだけど、なんとなく見えてくる主題はとても良さげだから、もう少しシンプルに書いて欲しかったです。

    相変わらず文章表現はいちいち素晴らしいし、「僕」が久しぶりに街に帰ったときの描写は最高でした。


    「僕は二本の缶ビールを飲んでしまうと、空缶を一つずつ、かつては海だった埋立地に向けて思い切り放った。空缶は風に揺れる雑草の海の中に吸い込まれていった。それから僕は煙草を吸った。
    煙草を吸い終わる頃に、懐中電灯を持った男がゆっくりとこちらに歩いて来るのが見えた。男は四十歳前後で、グレーのシャツとズボンをはいて、グレーの帽子をかぶっていた。きっと地域施設の警備員なのだろう。
    『さっき何かを投げていたね』と男は僕の脇に立ってそう言った。
    『投げたよ』と僕は言った。
    『何を投げたんだ?』
    『丸くて、金属でできていて、ふたのあるものだよ』と僕は言った。
    警備員は少し面喰らったようだった。『何故投げたんだ?』
    『理由なんてないよ。十二年前からずっと投げてる。半ダースまとめて投げたこともあるけど、誰も文句は言わなかった』
    『昔は昔だよ』と警備員は言った。『今はここは市有地で、市有地へのゴミの無断投棄は禁じられてる』
    僕はしばらく黙っていた。体の中で一瞬何かが震え、そして止んだ。
    『問題は』と僕は言った。
    『あんたの言ってることの方が筋が通ってるこおなんだよな』」

  • 最後の方になればなるほど、謎が多くなり、そして謎めいたまま終わってしまった。読んでいる時は夢中になって読んで、読み終わると、あれ?と言う、村上春樹独特の世界観と罠にはまってしまいました。

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著者プロフィール

村上春樹(むらかみ はるき)
1949年、京都府京都市伏見区生まれ、兵庫県西宮市芦屋市育ち。早稲田大学第一文学部映画演劇科卒。大学在学中にジャズ喫茶「ピーター・キャット」を国分寺・千駄ヶ谷に開店していた(1981年、店を人に譲渡)。1979年にデビュー作の「風の歌を聴け」で群像新人文学賞を受賞。谷崎潤一郎賞、読売文学賞、朝日賞など数々の受賞歴がある。2006年にフランツ・カフカ賞、2009年にイスラエルのエルサレム賞受賞。ノーベル文学賞に最も近い作家の一人と言われており、毎年発表時期に日本国内でニュースになる。事実、村上春樹作品は全世界で翻訳されており、アメリカ・アジアでの評価がとりわけ高い。フィッツジェラルドやレイモンド・カーヴァーなどの作品の翻訳も手がけ、翻訳家としての仕事も高い評価を受ける。翻訳と創作活動を交互に行うことで、作風を変化させ、作家としての成長を続けている。新作が発表されるたび大きな話題となるが、近年は特別番組「村上RADIO」にてラジオDJも務め(不定期放映)、数々の名言も注目を集める。代表作に『風の歌を聴け』『羊をめぐる冒険』『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』『ノルウェイの森』『ねじまき鳥クロニクル』『海辺のカフカ』『1Q84』『騎士団長殺し』。2019年7月31日に『神の子どもたちはみな踊る』が舞台化。アメリカのサックス奏者スタン・ゲッツの伝記翻訳を2019年8月刊行。2019年9月10日発売の『文藝春秋』10月号で「至るところにある妄想 バイロイト日記」を寄稿。

村上春樹の作品

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