南極の生きものたち (月刊たくさんのふしぎ2015年12月号)

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  • 福音館書店
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  • Amazon.co.jp ・雑誌 (40ページ)
  • / ISBN・EAN: 4910159231254

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  • 南極大陸の自然の摂理の厳しさが…。
    南極の生きものたち ー 月刊たくさんのふしぎ
    2015年12月号。字の大きさは…大。2022.04.03~04読了。★★★☆☆
    多くの写真とわかりやすい文章で、著者・水口(みなくち)博也さんが取材した、南極大陸に生きるものたちについて描かれています。

    氷山は、南極大陸に長年降り積もった雪が押し固められて、ときに厚さ数百メートルもの氷の板になってと海に流れ出します。海に流れ出しても地上にある氷と繋がった厚い氷は、棚氷と呼ばれます。棚氷は、時折その一部が割れて海にただよいます。これが氷山です。
    氷が切れている海面をペンギンの群れが、イルカがジャンプするように泳いでいきます。そのペンギンが巣作りする繁殖地は、雪や氷が解けて地面や岩がむき出しになった場所を選んで集団で巣を作ります。ペンギンが1体ずつが、小石などを集めて巣を作り卵を生みつけて温めます。
    親は、交代で温め、子が生まれると交替でオキアミを取りに行きます。だいたい卵は2個生みますが。親の餌の取れ具合で、2体そだつか、1体そだつか…。そのペンギンを狙ってアザラシが待ち構えています。アザラシは、ペンギンやオキアミを食べます。豊かな珪藻類を食べるオキアミ、そのオキアミを食べる鯨、アザラシやペンギンなど、そのペンギンを食べるアザラシと、南極大陸の自然の摂理が見えてきます。

    【読後】
    見ていると可愛らしいペンギンですが、子を生み、育てて一人前にして巣立つまでは大変です。本当に「たくさんのふしぎ」は、私の知らないことを多くの写真とわかりやすい文書で書いているので。私には、本当に助かります。

  • 南極の海や陸の生きものたちと、食物連鎖についてわかり易く書かれている。写真だけでも十分楽しめる。漢字には、ふりがなあり。

  • とても見応えのある写真絵本。
    南極大陸から突き出た南極半島に海からゆっくりとアプローチしていく。氷に閉ざされつつも豊かな生命にあふれた世界。空をとぶ海鳥は翼を広げれば3.5メートル、流れてくる氷山は界面からの高さ50メートル、ペンギンやクジラたちを養うのは人間全体よりずっと大量のナンキョクオキアミ、海にはる氷の面積は広いときには日本の50倍…と具体的な数字で示されるスケールもインパクトも大きな世界におどろかされながら、南極大陸や海中のいきものたちの生きた姿をあざやかな写真で追っていく、とてもわくわくする読みもの。

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著者プロフィール

1953年、大阪生まれ。1978年、京都大学理学部動物学科を卒業後、出版社にて自然科学系の書籍、雑誌の編集に従事。1984年に独立し、写真家、作家として世界各地で海生哺乳類を中心に調査、撮影し、生態のレポートを行う。研究者との交流も多い。この十数年は、野生動物への影響を考慮しながら撮影を続けると同時に、地球環境の変化を追い極地への取材も多く行う。近年は、自身の活動が環境に与える影響も視野に、身のまわりの自然に視点を移している。
主な著書に、『オルカ――海の王シャチと風の物語』(早川書房)、『オルカ アゲイン』(風樹社、講談社出版文化賞写真集賞受賞)、『マッコウの歌――しろいおおきなともだち』(小学館、日本絵本大賞受賞)、『世界で一番美しい ペンギン図鑑』『世界で一番美しい シャチ図鑑』『世界で一番美しい クラゲ図鑑』(誠文堂新光社)、『黄昏』『世界で一番美しい アシカ・アザラシ図鑑』(創元社)、『南極ダイアリー』『クジラの進化』(講談社)ほか多数。

「2023年 『世界アシカ・アザラシ観察記』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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