キネマの神様 (文春文庫) [Kindle]

著者 :
  • 文藝春秋
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感想・レビュー・書評

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  • ふむ、面白かった。。
    これぞ、原田マハの世界。
    「本日は、お日柄もよく」に共通する部分を感じる「言葉の力」。
    家族、仕事、恋愛、引きこもり等、いろいろなテーマが盛り込まれていました。

    最近はシネコンばかり利用していたけれど、名画座でゆっくり昔の映画を観てみたくなった。
    とりあえず「ニューシネマパラダイス」は絶対に観たい。。

    こういう本に出会えてよかった、と思える一冊でした。。

    • りまのさん
      いるかさん、ただいま、です。
      いるかさん、ただいま、です。
      2020/08/10
    • いるかさん
      りまのさん

      この本も とっても良かったです。
      おすすめです。。
      りまのさん

      この本も とっても良かったです。
      おすすめです。。
      2020/08/10
    • りまのさん
      okです
      okです
      2020/08/10
  • 非常に面白かった。満点。
    原田マハさんの作品の中で、美術がテーマとなっているもの以外の作品はやはり良い意味で単純明快。嫌な気持ちにならずに読み切れるところがとても良い。読後感も幸福感満足感に溢れエンターテイメントとして最高。

    本を読む目的はその人やその時の気持ちによって異なると思いますが、わくわく楽しみたい、前向きになりたいときに読む本としては強くオススメできます。

    他の方の感想にあるように、終始物事が好転する都合の良い展開であることは同時に事実なので、それを退屈に感じる方には合わないかもしれません。

    私は好きでした!

  • 映画とギャンブルが好きな父、ゴウさんに振り回されながらも、そのゴウさんのブログへの書き込みがきっかけとなり、大好きな映画関係の職を得た歩。
    ゴウさんは齢80にして、自身が書いた映画評論を映画雑誌社、映友のブログに掲載することになり、そのブログを通じて、ローズバットを名乗るアメリカを代表する映画評論家と友だちになってしまう。
    引きこもりのサイト管理人、ばるたんや、優秀だけどちょっとくせのある映友社員、ジョーさん、ゴウさんの友人で潰れかけた名画座の主人など、周囲の人たち-それぞれに好きなことにとことん拘って生きている-がまたいい味を出している。

    笑って泣けるストーリーで、どんどん引き込まれ、読後には、私もいちばん好きな人といちばん好きな映画を観に行きたくなった。

  • 2008年作品
    名画座を取り巻く、親子と映画雑誌の関係者。
    著者は60年代生まれのため、この前後の年代にはわかりやすい映画名が出てくる。
    そこにインターネットをによる交流が、世界を広げてくれる。
    暖かい書き込みはみんなをほっこりさせる。

    著者は美術関係が専門であるため、文学部卒でありながら、あまり難しい漢字・表現が少なく、もの足りなさを感じる面もあるが、それが万人にとっていい面である。

    ハート・ウオーミングな作品が多いので、この著者作品はどれもお薦めできる。

  • 映画はあまり観ないし昔の洋画は観たこともない。
    だからなのか、映画を観ている人達を1歩引いた所で見ているような感覚になった。

    なんだか御都合展開が多いし主人公の存在意義がよくわからないと粗が目立っていた印象。

    ただ、映画はテレビで観るより映画館で観た方が圧倒的に面白いのは間違いない。

    ☆3.1

  • 読み直し。

    一度読み終えてから、あまり日が経っていないと思っていましたが、前回読んだ日からもう3年も経っているんですね。

    さて、久々に読んだから内容もほとんど覚えていない。しかしながら、ものすごく心温まるストーリーだったという、残像だけが残っていて、ちらりと前回のレビューを見てから、なんて思っていましたが、全く内容には触れていなくて、驚く。

    そうでした。この本を読んでから、レビューがまた新たな作品を生み出すのだ、という考えを持ったのでした。

    この本は、そんなレビューにまつわるお話。
    レビューといっても本ではなく、映画のレビューですが、映画(とギャンブル)がこの上なく大好きで、借金をしてまで映画館に足繁く運ぶ、『ゴウ』とその娘、円山歩が主人公のストーリー。

    序盤のストーリーを端折って説明すると、あることがきっかけに、ネットブログにレビューを投稿するようになった『ゴウ』は、素人ながらも映画を愛してやまないことがひしひしと伝わる文章に、もちろん批判する人もいたが、次々とレビューを見る人が現れる。

    レビューは国内だけにとどまらず、英訳され世界に進出するも、世界はそんなに甘くなくて、『ローズ・バット』と名乗る、ゴウのレビューを批判する人が登場する。

    『ゴウ』と、『ローズ・バット』の2人が織りなすレビューの応酬は、読んでいるこっちもハラハラしました。

    好きなものにとことん向き合える、特に、語れるということは本当に難しいことのように思われがちです。
    語彙力がないから、、、なんて挫折をして自分の素直な気持ちを書けない。
    しかしながら、実はそんなことなくて、書きたいことを書けばいいのに、体裁にこだわって筆が進まない…。

    しかしこの本は、思ったことを書けばいいということを、自分の粗削りなレビューを書くことに対する不安に、そっと背中を押してくれているような気がします。

    もちろん、知識があれば、その分表現の幅は広がると思いますが、おもしろかった、のただ一言でも、伝わるものはきっとあると思います。

    いやそれにしても、本もいいですが映画もいいですね。この本を以前読んだときは、コロナの前だったのですが、今このご時世、ずいぶんと映画をめぐる環境は変わってしまいました。
    気兼ねなく足を運べる映画館が再び戻ってくることを日々祈るばかりです。

  • GWのStay home用として購入。
    読後感も良く、更には「久しぶりに映画見たいな!」って思っちゃいます。

    出来過ぎ感が見えすぎるのが少し気になるので★5つにはなりませんでしたが、映画好きな人にはいい本だと思います。

  • 私がこれまでに読んだ原田マハ先生の本は2冊ありますが、どちらも違うアプローチでゴッホが登場し、絵画や画家に疎かった私にその魅力を魅せてくれました。
    今回は原田マハ先生の名前だけで購入。事前にあらすじを確認していませんでしたが、それは既に自分も大好きな映画の…いえ映画館の魅力を再認識させてくれました。
    ありそうで無かったストーリー展開に読み進むのを止められないです。
    単館シネマ、観に行ってみようと思います。

  • 映画好きによる交流と、家族の再生の物語。映画に限らず好きなことで意気投合し、語り合えたら素敵だなと思う。久しぶりに映画館に行って、映画を観たくなった。

    「どんなささいなことでも、人生でたった一度きりのこと、大切なできごとと心して、一生けんめいに臨むのがよい。ーー人生、一瞬一瞬、全力投球すべし」

  • 映画をエンドロールまでゆっくりみたことが最近あっただろうか。サブスクやレンタルビデオが流通する前は、家族で映画館まで出向くことが何よりの贅沢だった。
    映画館で見る映画は本書の一行目に出てくる『観るたびに思う、映画は旅なのだと。』その言葉通り、現実世界から旅に連れ出してくれる友人であった。
    今では、昔の映画、流行りの映画なんでもどんな時間でもあっという間にご自宅のPCで視聴可能だ。でも、映画館で見た時のような非日常は得ることができない。
    わざわざ映画館に赴き、高いチケット代を払うのは、その旅行に行くための時間を購入しているのだと思う。ここ最近忘れかけていた映画館でのワクワクを思い出させてくれた一冊だった。
    楽園のカンヴァスを読了し、その熱気冷めやらぬままにマハさんの作品を読み漁っているが、どれもその道に精通する人達の熱量がすごい。
    映画であれ本であれ、絵画であれ、たくさんの人達の人生が費やされている、きっとその中に自ずと神様が宿るようになるのだろう。本書のキネマの神様は映画の神様であったが、それもきっと映画を作る人、出演する人、宣伝する人、見る人、たくさんの人の気持ちが重なって生まれた神様なのだと思う。
    最後の片桐はいりさんの解説も、まさに神様が引き合わせたかのような『奇跡』なのか『偶然』なのかはたまた片桐さんの『作り話』なのか検討もつかないようなお話だった。それでも、この本のエンドロールを彩るにはピッタリな内容であった。

    自分の好きなものを好きでいていいと言ってくれる素敵な作品でした。
    この先何度も読みたい本です。

  •  こんな奇跡はないだろう、と思いつつも、人物設定や情景描写が丁寧なので、本当にあるような気がしてくる。
     映画館に足を運んだことは、数えるほどしかないが、また行きたくなる。

  • 志村けんのゴウさん、観たかったなぁ…お茶目で憎めなくて、いい味出したよ、絶対。重ね重ね残念です。菅田将暉は何役?新村君?映画の内容はちょっと違うのかな?失職した独身娘とギャンブル好きの借金まみれの父が映画評論という、映画を心から愛する気持ちで人生が動きだす。そういう友情…いいなぁ、夢のようだな、会わせてあげたかったなぁ。「…って俺もそうなんだけど?」予感させるねぇ(笑)。

  • ラストの、『1番好きな映画は…』
    あれしかないです。読み返さずとも読者全員があの映画かな?と思いながら最後を読み進めるのだろうなと思いました。好きなことを突き詰めるのはやはり素晴らしいことなのだなと思わされます。

  • 旅行中聞いたラジオで
    このお話の朗読を聞いた。
    しかし、一部だったので どうしても
    その先が気になったので 読みました。

    映画が好きで若いときは良く映画館に出かけたものです。
    レディスデーなどは 良く利用させていただきました。
    最近は CGが 凝っていて凄いんですけど、
    映像の凄さだけが 前面にでているようで 
    ヒューマンドラマ系が好きな私としては 重い腰があがらず
    もっぱら 読書にふけっています。

    で、そんな私にぴったりの本でした。
    親子の絆 そして 会社での 人間関係
    そして、古い映画について 熱く語る ゴウ。
    久々に 泣けてくる お話でした。

    流石日本です。八百万の神様がいる日本ですね~~
    トイレや台所。。。そして、キネマにも いるのですね~~
    肩の力を抜いて読める 本でした。

  • 幸せな気持ちになれる小説です。
    映画愛、家族愛に溢れています。
    これから、まだまだ愛しい小説や映画を見つけたいと
    思いました。

  • 心温まる感じの本でした。

    どこにでもいそうな家族の物語。
    映画の世界。
    そして現代ならではのインターネットの世界?!

    この本に出てきた映画は、ぜ〜んぶ観たくなりました。
    ゆっくり観たいと思います。

  • 会社を辞め無職になった娘・歩と宵越しの金は持たないという映画とギャンブル好きの父・ゴウ。そんな時、父の多額の借金が発覚。あるきっかけから歩は傾きかけた映画雑誌「映友」に採用され、ゴウも映画ブログを書くことに。そのブログを通してのゴウの映画愛、ゴウを取り巻く映画好きの人達とのやりとりに心温まる思いがし、最後は自分も一緒にテアトル銀幕で映画を観てるような気になりました。読後、『ニューシネマパラダイス』を再び観てしまいました。『キネマの神様』シネコンじゃなくミニシアターで観てみようかな…

  • 青さも情熱もひしひしと伝わってくる文章で、まるで青春時代に戻ったかのような感覚だった。

    もし映画について詳しかったら、倍楽しいお話だったであろう!悔しい!

    地元にあった名画座に行こう行こうと思いながらも、一度も足を運ばずに上京してきてしまった。
    死ぬまでに一度は、名画座で映画を観たい。

  • 面白かった。
    私自身はほとんど映画を見ずに過ごしてきたが、本書では映画や映画館よ面白さがひしひしと伝わってきた。ばるたんのように、私も一本ずつ見ていきたいな。
    キネマの神様が始まってから、登場人物のほとんどに変化が見られた。それを読み取るのが楽しかった。

  • 英題「The Name above the Title」

    ギャンブル中毒で映画好きの駄目親父。“映画の神様”が家族に仕掛けた奇跡に涙。もっと早く読めば良かった。

    志村けんさんが本当に英題通りの存在になった事が悔しい。早くこの状況を脱して、また大切な人と映画館へ行くぞ!

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著者プロフィール

1962年東京都生まれ。関西学院大学文学部、早稲田大学第二文学部卒業。森美術館設立準備室勤務、MoMAへの派遣を経て独立。フリーのキュレーター、カルチャーライターとして活躍する。2005年『カフーを待ちわびて』で、「日本ラブストーリー大賞」を受賞し、小説家デビュー。12年『楽園のカンヴァス』で、「山本周五郎賞」を受賞。17年『リーチ先生』で、「新田次郎文学賞」を受賞する。その他著書に、『本日は、お日柄もよく』『キネマの神様』『常設展示室』『リボルバー』『黒い絵』等がある。

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